by Scott

1週間以上Google Playでダウンロード数1位だったにも関わらず実は何もしないゴミアプリだったことが発覚したセキュリティアプリ「Virus Shield」は、事実が明らかになったあとすぐにGoogle Playから削除されましたが、Googleはアプリ購入者に対して払い戻しを行うと共に5ドル(約500円)のプロモーション・クレジットを配布していることが分かりました。

Google Issues Refunds And An Extra $5 Play Store Credit To Android Users Who Bought The Phony 'Virus Shield' App
http://www.androidpolice.com/2014/04/19/google-issues-refunds-and-an-extra-5-play-store-credit-to-android-users-who-bought-the-phony-virus-shield-app/


Virus Shieldは「有害なアプリのインストールの阻止」「アプリ・メディアファイル・セッティングのスキャン」「個人情報の保護」などの機能を掲げており、「バッテリーへの影響も少なく、広告もない」ということでユーザーの間で好評を得て星5つ中で4.7点のレビューを獲得。1週間で1万回以上ダウンロードされ、新着有料アプリの1位をゲットしていました。

アプリのUIはシンプルで、画面上のアイコンをタップするとウイルススキャンが始まり、終了すると×マークがチェックに変わるというものでした。


しかし4月始めにAndroid Policeがアプリのコードを調べたことで「画面をタップすると表示が変わる以外は何も行わないゴミアプリである」ということが判明し、アプリはGoogle Playから削除、開発者のアカウントは停止されました。アプリは3.99ドル(約400円)で販売されており、計1万回以上ダウンロードされたため、アプリに支払われた総額は400万円以上です。

その後、The Guardianのインタビューで開発者が語ったことによると、アプリは完成版ではなくまだリリース段階に至っていないものを誤ってアップロードしてしまったとのこと。Android Policeの記事で事実に気づきアプリを取り下げようとしたのですが、その頃にはGoogle Playが開発者アカウントを削除していたのでユーザーに対して説明ができず、また、Virus Shieldの売上は一切受け取っていないと語っています。

しかし一方でアプリは1.0から2.2までアップデートされており、その間コードの「ばかげたミス」には修正が加えられていなかった点や、ウソのレビューが投稿されていた点に疑問を抱く声も上がっていました。

事実はまだハッキリしませんが、GoogleはVirus Shieldに対して支払われた料金の払い戻しを開始。通常、アプリ購入に関する払い戻しは購入者がGoogle Play サポート チームに問い合わせることで行われますが、今回はVirus Shieldの購入者に対してGoogleから謝罪メールが送られたようです。


メールには「Virus Shieldの購入者に対して払い戻しを行っています。このメールが届いてから14日以内に自分のアカウントで料金が返還されていることを確認してください。また、Google Playでアプリやゲーム、本、音楽などデジタルコンテンツが購入できる5ドル(約500円)のプロモーショナル・クレジットを差し上げたいと思います。クレジット・コードは『XXXXXXX』、ここをクリックして下さい。不愉快な思いをさせたことをお詫びします。我々はGoogle Playをユーザーにとってよりよいサービスにするため尽力しています」と記載されており、Android PoliceはVirus Shieldのスクリーンショットを撮るために実際にアプリをダウンロードしていたところ、検証後すぐに払い戻しを行ったにも関わらず、このメールが送られてきたとのこと。

「記事の掲載後すぐにアプリが削除されたことからもGoogle Playがサービスの向上にしっかり取り組んでいることが確認できるし、クレジットコードの提供はGoogleがプロダクトを改善していこうと考えていることの表れである」とAndroid Policeは締めくくっています。