磯野貴理子さんが『徹子の部屋』に登場。終活を語る「体温低下で免疫力はガタンと落ちる? 冷え性さんと暑がりさんこそ要注意!」
2026年7月31日放送の『徹子の部屋』に、磯野貴理子さんが登場。「鳥」を好きになったことで広がった世界や、昨年から始めたという「終活」について語ります。今回は、磯野さんが専門医に夏バテの対処法を聞いた『婦人公論』2021年9月14日号の記事を再配信します。*****猛暑続きの夏が終わった後、いつも以上に不調を感じていませんか? その状態を軽くみていると、秋まで不調を持ち越すことになりかねません。夏バテ放置に警鐘を鳴らす川嶋朗先生に、大病を経験後、健康への意識が高まっている磯野貴理子さんが対処法を聞きました(構成=丸山あかね 撮影=大河内禎)
* * * * * * *
夏バテは、なぜ起こるのか
磯野 「夏バテ」という言葉はよく耳にするのですが、具体的にはどんな状態のことを言うのでしょうか。実は私、寒がりだから夏に強いというか、夏バテ知らずで。
川嶋 従来の夏バテとは、暑さによって引き起こされる「倦怠感」「疲労感」「食欲不振」「寝不足」といった体調不良の総称です。
私たちの体は、自律神経の働きによって体温を一定に保たれています。暑さを感じると汗をかくのは、熱を放出するためです。逆に寒い部屋に入ったら、体はそれまでの体温を維持しようと頑張る。そんなふうに真夏は自律神経が大忙しなんです。
だから冷房の効いた室内と炎天下の屋外をいったりきたりすると、自律神経が乱れて、体温調節がうまくできなくなってしまう。これが現代の夏バテの原因ですね。
磯野 その結果、さまざまな不調が生じるんですね。
川嶋 まぁ、現代病ともいえるのでしょうね。昔はエアコンがなかったから、体から熱を放出するだけでよかった。とはいえ、それだけでも体は疲れます。上がった体温を下げるために、猛スピードで新陳代謝を行い、同時に血管を広げて血液中の熱を逃し、心拍数を上げて血液を早く送り出すといった作業をしているので。
磯野 聞いているだけでも、疲れそう。
川嶋 加えてエアコンが普及した現代では、室内で寒いと感じたら熱を体内で作り出さなくてはなりません。しかも熱は放出するより作るほうが、ずっとエネルギーを要する。これが毎日続く夏場は、疲れやすいうえに、疲れが抜けにくいのです。
磯野 なるほど。現代人の多くがバテるはずですね。ただ、私は先ほどもお話ししたとおり、そもそも暑さを感じないというか……。炎天下で外を歩いてもあまり汗をかきません。室内はどこも寒すぎるので、外に出るとホッとするんです。ぬくぬくして気持ちいいわぁ、とか思って。
川嶋 若い頃からですか?
磯野 ここ数年のことです。
川嶋 それならもともとの体質ということではなさそうですね。私が思うに、磯野さんは極度の冷え性なのでしょう。ちなみに今、冷え性の人が急増しているんですよ。

川嶋朗先生(左)と磯野貴理子さん(右)
冷え性の人は夏バテしやすい
磯野 それはなぜでしょう?
川嶋 「冷え」の原因も自律神経の乱れにあります。
磯野 そうなんですか! 寒ければ重ね着をしたり、足先が冷えたらソックスをはいたりすればいいと思っていたんですけど……。
川嶋 もちろん、今以上に体温を下げないためには、外から温めることが有効。しかしそれでは抜本的な解決にはなりません。
磯野 重ね着などは応急処置に過ぎないということなんですね。結局は、体質改善をしなければ意味がないのでしょうか。
川嶋 私はこれまでに多種多様な病を抱える患者さんと向き合ってきました。そんななかで気づいたのは、病気を抱えるほとんどの方の体が冷えているということ。まさに、「冷えは万病のもと」なんですよ。
磯野 そういえば、冷えは免疫力低下につながると聞いたことがあるような……。
川嶋 そのとおり。冷えを放っておくと血流が悪くなり、結果として代謝が下がって、熱の産生や体温の維持に悪影響を及ぼします。そればかりか内臓の働きが悪くなり、免疫力が下がる。すると病気になりやすく、しかも治りにくい体になってしまうのです。さきほど、自分は夏バテ知らずだとおっしゃいましたが、逆に冷房がガンガンに効いた室内で汗をダラダラかきながら、「私って暑がりなの」なんて言う人もいますよね。
磯野 います、います。そういえば、私も寒い寒いと言いながら、アイスコーヒーが飲みたくなったり、食後にアイスを食べたくなったりしているかも。

「冷えを放っておくと血流が悪くなり、結果として代謝が下がって、熱の産生や体温の維持に悪影響を及ぼします。」(川嶋先生)
暑がりだと思い込んでいる人こそ要注意
川嶋 冷え性の人と暑がりの人、この両者は表裏一体だということです。磯野さんのように自分は寒がりだと自覚している場合は、季節に限らず体を温める工夫や努力をするので、冷えの進行を遅らせたり、現状維持したりできるでしょう。
深刻なのは、自分は暑がりだと思い込んでいる人のほう。そういう人は冷えに気づかず、冷房に当たりすぎたり、冷たい飲み物を大量に飲んだり。その結果、慢性的に冷えている状態なのです。
磯野 暑がりの人にも冷えが潜んでいるとは驚きです。
川嶋 いずれにしても、冷え性の人は体温調節に大きなエネルギーを費やしてしまうため、夏バテしやすい。しかも磯野さんのように寒がりタイプの冷え性の人は、汗をかけず体に熱がこもりやすいため、熱中症にもなりやすいのです。
磯野 そういえば私、何年か前、熱中症に襲われたことがありました。突然、手足の筋肉が硬直しちゃって。そうか、私は夏にご用心の人だったんですね。
川嶋 気づきこそが治療の第一歩。あとは改善していくのみです。
磯野 冷え性の自覚がない人が、自分で冷え性かどうかを判断する方法ってあるのでしょうか。
川嶋 朝起きたときにわきに触れたあと、お腹や腰、二の腕、太ももと全身に触れていきます。わきの下の体温より冷たい部位は冷えていると考えるといいでしょう。
磯野 なるほど。ところで、冷え性は老化現象で起こるものなんでしょうか。だとしたらちょっとショックなんですけど……。
川嶋 女性の場合、更年期を境に女性ホルモンが減少すると、自律神経が乱れがちになります。そういう意味では、加齢も一つの原因だと言えるでしょうね。でもそれだけではありません。若い人にも冷え性は増えているんですから。
磯野 そうなんですか!
まず取り組むべきは「温活」
川嶋 60年前の日本人の平均体温は、実は37度前後でした。それが、現代人は36度台前半。
磯野 徐々に低くなっているんですね。でも私は、35度台なんです。
川嶋 35度台は危険水域と思っていいでしょう。細胞が活性化する体温は成人で37度から38度と言われています。体温が1度下がると免疫力もガタンと落ち、がんにもなりやすい。何より血流が悪くなると気力がなくなり、思考が滞ってしまいがちになる。がんやうつの人の基礎体温が36度を切ることが多いというのは広く知られていることです。
磯野 キャー! 私みたいに平熱が35度台という人も多いと思うんですよ。そういう人はいったいどうしたらいいんでしょう。
川嶋 まず取り組むべきは、「温活」。基礎代謝を上げることから始めましょう。そのためには、体の器官の中で多く熱を作り出す筋肉を増やすことが重要です。筋肉は、熱全体の3割を作り出しているとも言われているんですよ。
磯野 私、数年前から週に一度の割合でピラティスに通っているんです。
川嶋 体幹を鍛えるのは、とてもいいと思います。磯野さんに限らず冷え性の人は体力が低下していることが多いので、筋肉をつけるといっても激しい運動はご法度。少しきついと感じる運動を長く続けることが大切です。あとは、食生活を見直してみてください。
磯野 私は2014年に脳梗塞を発症しています。不規則な生活をしていたからだと反省して、食生活を見直し栄養のバランスを考えながら、きちんと3度の食事を摂るようになりました。大好きだったお酒も断ったんですよ。なのに低体温のままって……。ほかに体温を上げるいい方法はありますか?
川嶋 一口30回を目安に、よくかんで食べるようにしてください。かむことで体の熱の産生量が増え、体温アップが期待できます。
<後編につづく>

