政治評論家の角谷浩一さん

 特別国会が閉会した。高市早苗首相は「数の力」に物を言わせ、強引な国会運営に終始。説明責任を放棄し、野党の反発や専門家の懸念を押し切り、問題の多い法案を次々と可決・成立させた。横浜市出身の政治評論家・角谷浩一さんに国会運営について聞いた。

 与党が提出した「副首都」構想関連法が24日夜の参院本会議でわずか2票差の賛成多数で可決、成立した。与野党の攻防が続いた今国会は25日、閉会した。

 角谷さんは「『国民生活を第一に政治や行政を停滞させない』というのが自民党政治の矜持(きょうじ)だった。しかし高市早苗新総裁・新総理とその内閣は議会運営をはじめとした世の仕組みへの理解や敬意を欠いている」と断じる。与野党間、与党内に広がった不信は深刻で「国政の行方は暗雲の中にある」と強調する。

 延長にまでもつれた今国会の混乱のきっかけは年初にさかのぼる。「『政府予算の年度内成立』は物価高騰対策などあらゆる施策の肝だ。年頭に解散総選挙を打つにせよ、国会召集日を前倒しするなど工夫すれば見えた目標だった」と回顧。「ところが官邸は外交日程を入れるなどして召集日を後ろ倒しした。官邸と与党国対との信頼関係は崩壊した」と分析する。

 衆院選で圧勝後、拍車がかかっていると指摘するのは、高市首相ににじむ「私が決めればどうにでもなる」との姿勢だ。「『家事で大変』といった交流サイト(SNS)発信も平気。『女性初の総理』という看板で許され、乗り切ってきたことが多い」と付言した。

 「女性が総理になったことで何が変わったのか」との問いへの答えは示されないまま。そう疑問を呈する角谷さんは「特に改正皇室典範の内容には多くの国民が失望したと思う」と説明し、「物価高騰やナフサ不足などの国民のSOSへの対応も後手後手。寄り添えぬまま国会は閉じてしまった」と総括した。