地上波連ドラの主演は18年ぶりの蒼井優

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 夏ドラマのスタートにズレが生じている。7月20日のサッカーW杯・決勝を見据えて月末にスタートするドラマが少なくない中、通常どおり7月初めにスタートしたドラマが意外にも好調だ。中でも金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」(TBS)の評判がいい。現時点での展開は、主演の蒼井優(40)の夫と中島歩(37)の妻の不倫疑惑が進行中だ。

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 7月10日にスタートした「Tシャツが乾くまで」の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は、初回が6・9%、第2話が6・2%と好スタートを切った。

 もっとも、視聴率だけで見れば、7日にスタートした今田美桜(29)主演の「クロスロード〜救命救急の約束〜」(テレビ朝日)のほうが高く、初回に続き第2話も7・2%を記録。だが、民放プロデューサーは言うのだ。

地上波連ドラの主演は18年ぶりの蒼井優

TVerの見逃し配信の再生数で比べると、『Tシャツが乾くまで』の初回は配信後1週間で347万回、『クロスロード』の初回は配信後5日で226万回。期間が違うので比較は難しいのですが、『Tシャツが乾くまで』は同じ金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』の初回340万回を超えて、同枠で歴代最高を記録しました。また、22日時点のお気に入り登録数で見ると、『Tシャツが乾くまで』は95・4万で『クロスロード』の67・7万を圧倒しています」

 ちなみに、夏ドラマのお気に入り登録数のトップは、26日にシーズン2がスタートする日曜劇場VIVANT」(TBS)が224・3万と断トツだ。それに続くのが「Tシャツが乾くまで」だ。

「どちらも同じTBSの作品ながら、前シーズンで高視聴率を上げ、知名度、出演陣、制作費でも他を圧倒する『VIVANT』と比べたら、『Tシャツが乾くまで』は正直言って地味です。それでも高評価なのは偶然ではなく、しっかりとした戦略あっての結果だと思います」

 どのような戦略なのだろう。

芸達者揃い

「まず主演の蒼井優。彼女は2006年公開の映画『フラガール』で松雪泰子とW主演し、主演賞と助演賞を総なめにした“銀幕のスター”です。そんな彼女が民放の連ドラは18年ぶり、さらにTBSのドラマでは初主演という意外性もあり、興味度はグンと上がります。彼女の夫役は松山ケンイチ(41)で、彼も演技力には定評があり、どちらも見事に自然な夫婦役を演じていました」

 ドラマにはもうひと組の夫婦が登場する。

「夏帆(35)と中島歩です。夏帆もまた映画やドラマの各賞を受賞する実力者。一方の中島は、2014年のNHKの朝ドラ『花子とアン』で初レギュラーをつかんだものの、その後は下積みが続きました。25年の朝ドラ『あんぱん』で今田美桜が演じるヒロインの最初の夫役を演じて“今まであまり見なかったイケメン"と話題になり、それがきっかけとなり主要な役が相次ぐようになりました。さらに、夏帆との夫婦役はこれが3度目ということもあり、息の合った夫婦役を演じていました」

 どちらの夫婦も“演じていた”と過去形なのにはワケがある。

鳥肌が立つ脚本

「松山と夏帆は初回、乗り合わせたバスの交通事故で亡くなってしまうのです。そして遺された蒼井と中島は、なぜ2人が同じバスに乗っていたのか真相を探ろうとするのです」

 そんな脚本を書いたのは、2022年10月期の「silent」(フジテレビ)で一躍注目を浴びた生方美久だ。

「彼女はフジテレビのヤングシナリオ大賞を受賞し、初めて連ドラの脚本を手がけたのが川口春奈・主演の『silent』。TVerなど数々の配信記録を更新し、一大ブームとなりました。彼女がフジ以外の作品を手がけるのは初めてです。TBSが粘り強く口説いたのでしょう。初回のラストで、中島が口にする『あなたの夫、僕の妻と不倫していましたよ』のセリフには鳥肌が立ちました」

 さらに、演出陣も凝っている。

「土井裕泰さんは『愛していると言ってくれ』『ビューティフルライフ』『逃げるは恥だが役に立つ』『カルテット』などTBSで数々のヒット作を手がけた手練れ。フリーの塚本連平さんも『ドラゴン桜』(TBS)や『時効警察』(テレ朝)、『舟を編む〜私、辞書つくります〜』(NHK)などを手がけたヒットメーカーです。脇役にはリリー・フランキー(62)や伊武雅刀(77)などもおり、今後、何をしてくるかも気になります。演技派として定評のある出演陣、駆け出しながら早くもヒット作を生み出した注目の脚本家、そして数々の名作を手掛けた一流の演出家たちが手を組んだドラマは、久々に次回どうなるのか見たいと思わせる作品になっています」

 当たるべくして当たっているというわけだ。はたして「VIVANT」はこの勢いに待ったをかけることができるのか。

「『VIVANT』の福澤克雄監督はパワハラ騒動でミソをつけましたからね。ひょっとしたら『Tシャツが乾くまで』の独走もあり得るかもしれません」

デイリー新潮編集部