大阪・関西万博のパビリオンなども手掛けた“現代のプラントハンター”に密着 その仕事とは?

毎週土曜日 午前10時30分から日本テレビにて放送(関東ローカル/TVerにて最新話を無料配信)ヒロミ、小泉孝太郎がMCを務める「オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます」。
映像でもチェックしたい方はTVerにて:https://tver.jp/series/srgcg6j7uk
7月4日(土)の放送では、そら植物園 代表でプラントハンターの西畠清順さんに密着。
1400年代に始まった大航海時代、ヨーロッパでプラントハンターと呼ばれた人々は、王族や貴族の命を受け未開の地を訪れ、新種の植物を国へ持ち帰った。例えば、タイヤなどに使われる天然ゴムは1800年代にプラントハンターがゴムの木の種子をブラジルからイギリスに持ち帰ったと言われ、大量生産が始まった。そして産業革命の波に乗り、様々なゴム製品が生み出されたのだ。
プラントハンターは自らの危険を顧みず、その代償として大金を得るまさに一攫千金の仕事。文明の発達によりプラントハンターは徐々に衰退していくのだが、現代の日本でプラントハンターとして活動する西畠さんは一体どんな仕事をしているのか?西畠さんのいる大阪府池田市を訪れた。

西畠さんは「採ってきて巨万の富を築いたり、新しい植物を命名して名誉になった時代がこの職業の(歴史の)最初のフェーズはあったと思うんですけど、別にそれになりたいわけでもなく、ただ植物を届けるのではない、庭として届けるとか、イベントを花で演出するとか、日常の色んなシーンで植物を届ける仕事(をしている)」と語る。世界中を飛び回って植物をハントし、イベントや施設の空間作りを行っているのだ。
例えば、昨年の大阪・関西万博 フランスパビリオンではスペインで手に入れた樹齢1000年のオリーブを主人公にした展示を行い、アメリカパビリオンの植栽では北米原産の植物・ラクウショウを使いアメリカの庭園を演出した。
さらに、イギリスのウィリアム王子が主催するチャリティーイベントで植物の装飾を担当したり、「チャールズ国王も皇太子時代に二度お食事させていただいた」こともあるという。
イベントのみならず、フランス料理界の大御所・三國清三シェフの店「三國」で、庭や入口の植栽を手掛けたといった事例も。国内外のさまざまなシチュエーションに応じた植物を用意し、年間200件以上のプロジェクトを行っている。
では、西畠さんは世界中から集めた貴重な植物をどうしているのか?「普段は一般に公開していない」という農場を特別に案内してくれた。6000坪の広大な敷地にある植物の数は、なんと約1000種類・2万株以上。
入るとすぐに「パラボラッチョって現地で呼ばれていて(スペイン語で)“お酒を飲みすぎて太ったおっちゃん”のことを言うらしいですよ」という植物が。アルゼンチンから持ってきたそう。

農場には、実際に大阪・関西万博のフランス館で展示されていたオリーブの樹もある。
さらに「うちの農場の中で一番高い」という黒松も。「洲本城の敷地(にあったもの)。稲田騒動が起きた時の屋敷にあった」と西畠さん。
推定樹齢500年、この黒松の歴史は江戸時代にまで遡る。もともと淡路島は稲田家を筆頭家老とする徳島藩のものだった。しかし1870年、稲田家の屋敷を徳島藩士らが襲撃した稲田騒動などにより、淡路島は1876年、兵庫県に編入された。そんな壮大な歴史と共に生きた黒松なのだ。

西畠さんはスタジオでも珍しい植物を紹介してくれた。例えば、ハガキ(「葉書」)の語源になったというタラヨウの葉(※諸説あり)。そこでMC二人も葉にメッセージを書き合った。

今回は、西畠さんのルーツも紹介した。実家は地元・兵庫で明治から続く植物の卸問屋。しかし「いかんせん植物に対して興味がなかったんですよ」と学生時代は野球に熱中。高校卒業後も家業を手伝うことはなく、刺激的なことを求め車一台で世界へ放浪の旅に出た。
そして、たまたま訪れたボルネオ島で西畠さんの運命を変える出来事が。西畠さんは「マレーシアとインドネシアの島に東南アジア一の山がある。標高4000mを超える秘境があって、その山で出会ったのが世界一の食虫植物だったんです」という。
ネペンテス・ラジャという植物で、「『地面からこんなすごいものが生えてくるの?』と、ある種の圧倒的な違和感というか、自分の中でその時にバリーンと弾けた。『植物おもしろ!』と思って」と西畠さんは振り返る。これをきっかけに実家の卸問屋に入社、修行を開始。先輩の職人さんから仕事を教わる一方で、文献を読み漁るなどして植物の知識を広げていった。
そんな中スペインを訪れた際に出会ったのが、樹齢1000年を超えるオリーブの木々。「これをオレは届けたい!」と感じた西畠さん。それまでオリーブの木が日本に持ち込まれたことはあったが、小さな苗木のようなものだけ。検疫を通過するには巨大オリーブについた土や虫などの生物を洗い流さなければならなかった。
西畠さんは研究の末、土や根を落とした上で葉っぱも切ることで木を休眠させ、船で1か月かけて輸送。オリーブ栽培で有名な香川・小豆島に植えられ、その島の象徴として見るものに大きな感動を与えた。「ある種のインパクトのある体験が、一番人の心に植物を植えつけられる(こと)と思ったんです」と語る。
そんな西畠さんは「植物を採ってくるだけじゃなくて、貴重な植物や絶滅危惧種を保護したり、関心を高めてもらうための活動もやっています。リアルに採るだけじゃなくて、生体データをスキャンして」と語る通り、360度カメラなどを使って日本に持ち込むことが難しい貴重な植物のデータを採取する取り組みも行っている。これまで約1000種類の3Dデータを作成したという。
世にも珍しい植物の世界をもう一度見たい方はTVerで:https://tver.jp/series/srgcg6j7uk
