佐野勇斗(28)がハンサムの足枷を跳ね除けた“二刀流の表現力”。M!LKの大ブレイクを支える親しみやすさ
◆佐野勇斗が“俳優として大ブレイク”する可能性
NHK連続テレビ小説『おむすび』(2024年度下期)ではヒロイン役・橋本環奈(27)の夫役を演じた。野球に青春を捧げた純な青年だった。高視聴率を得たテレビ朝日『おコメの女−国税局資料調査課・雑国室−』(3月終了)では東大卒の国税調査官役に扮した。飄々としたエリートだった。もうピンときたはずだ。
佐野は3本の主演作を含めて20本以上のドラマ出演歴があるが、「(火曜ドラマは)いつか挑戦してみたかった」(公式インタビュー)そうだ。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(2025年)などクオリティの高い人気作が多いからだろう。成功すれば、俳優としても大ブレイクする可能性が高い。
演じるのは、ぬいぐるみなどを造型するキャラクターデザイナー。超絶かわいいキャラクターを追求している。佐野にとって初挑戦の役柄と作品側から説明されているが、キャラクターデザイナー役の経験がある俳優のほうが珍しい。
視聴者にとって見慣れない役柄。それらしく見せられるかどうか、佐野の演技力と表現力が試される。松本の演じる元コンサルティング会社社員と、ひょんなことから知り合い、2人で世界一のかわいいキャラづくりを目指す物語。しかし松本はかわいいとは無縁の人生を送ってきたので、前途多難だ。
俳優としての佐野の特徴はまずビジュアルの良さ。彫りの深い顔立ちとキリリと涼しげな目元、輪郭はシュッとしている。飛び抜けてハンサムだ。身長も1メートル80ある。美形男子が集まる「第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」(2012年)への出場を端緒に芸能界入りしたのもうなずける。
◆佐野勇斗が見せる“二枚目封印”の演技力
もっとも、並外れたハンサムは時に俳優として足枷となる。周囲の共演者から浮いてしまったり、現実離れしかねないからだ。田村正和さんも若いころは美形すぎて役柄が善玉に限られてしまった。
当世のトップ俳優である堤真一(62)、堺雅人(52)、大森南朋(54)はカッコイイが、ハンサムとは言いがたい。佐野はそれをどう克服しているかというと、自分をあえて落としている。
パソコンオタクに扮したTBS『トリリオンゲーム』(2023年)では、おかっぱ頭に黒眼鏡で登場。ここまでは演出プランに従えばいいが、目は時におどおどして、動作はもたもたしていた。ハンサムをかなぐり捨て、「誰、この野暮ったい俳優?」のレベルにまで変身していた。
桜田ひより(23)とダブル主演した日本テレビ『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(2025年)では特殊詐欺の前歴のある誘拐犯役。根はいい奴だが、あくまでアウトロー。佐野は金色に染めた髪をだらしなく伸ばし、目付きをきつくして、さらにオーバーアクション気味に動くことで、不良の兄ちゃんに成りきった。
◆歌手と俳優の二刀流で磨かれた表現力
一方で綾瀬はるか(41)との共演作で、エリート公務員役だったNHK『ひとりでしにたい』(2025年)や、高級官僚という設定の『おコメの女』などではクールな雰囲気を前面に出す。ハンサムをほとんど意識させず、タイプが全く異なる役柄を難なく演じ分ける。
TBS出身のドラマプロデューサー・市川哲夫氏によると、歌手と俳優の二刀流は上手くいくケースが多いそうだ。歌うことも演じることも表現するという点で同じだからである。なるほど、福山雅治(57)、星野源(45)、篠原涼子(52)ら二刀流の成功者は数多い。佐野のドラマ界での活躍も不思議なことではないようだ。
