LINEに送信後15分以内のメッセージ編集や完全ブロック機能が一挙登場、月290円の新プランも――15周年の新機能
LINEヤフーは2日、コミュニケーションアプリ「LINE」のサービス開始15周年を記念した発表会を開催した。発表会では、AIエージェントを活用した新ビジョン「Life on LINE with AI Agent」を打ち出すとともに、今後実装予定の新機能を発表した。
上級執行役員の舛田淳氏は、2011年6月23日のサービス開始から15年の歩みを振り返り、昨年末に日本国内のユーザー数が1億人を突破したほか、台湾やタイでもトップシェアを維持していると報告。次の成長を見据えてAI技術によるパラダイムシフトへ対応する方針を示した。
上級執行役員 コンテンツ&メンバーシップドメインリード 舛田淳氏
同社はAIエージェント「Agent i」と組み合わせて、ユーザーの日常に寄り添う新たな価値の提供を目指す。舛田氏は「私たちが掲げるLife on LINEも完成したわけではない。これからはAIエージェントとともに次の段階へ進む」と語った。
イベントでは「Information」「Shopping」「Life」「Talk」の4つの領域に分けて、新機能などが発表された。
Information
まず、インフォメーション領域のアップデートとして、LINEの「ホームタブ」を刷新することが発表された。単なる機能の入り口ではなく、ユーザーの関心に基づいた情報が集まるパーソナライズされた「マイホーム」へと進化する。
新しいホームは夏頃に全ユーザーへ提供予定。トークやショッピング、ミニアプリなどさまざまな情報からユーザーに最適な提案を行う。
また、「Agent i」を活用して「My Home Agent」と「Proposer Agent」も提供する。「My Home Agent」は、対話を通じてユーザーの行動履歴や好みを把握する。そのデータを「Proposer Agent」が、分析して最適な情報を提案する。
執行役員 LINE Home SBU(Strategic Business Unit)リード 小林貴樹氏
Shopping
ショッピング領域では、コマースの拡張を行う。これまで「LINEギフト」などで培ってきたLINE上での購買体験をさらに拡張し、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」など、LINEヤフーのサービスと連携し、アプリ内に「ショッピングタブ」を新設する。
ユーザー一人ひとりの好みに合わせた「あなただけのショッピングタウン」をコンセプトに掲げ、AIが個別の嗜好に合った商品やブランドを提案する。
気になる商品を見つけてから購入完了までをAIエージェントがシームレスにサポートし、外部のECサイトに遷移することなくLINE内で買い物が完結する体験を提供する。
さらに、今後はコミュニケーションの中でPayPayポイントをためやすくなったり、使いやすくなったりする機能を順次提供予定。
執行役員 コマースドメイン ソーシャルコマースSBUリード 嘉戸彩乃氏
Life
ライフ領域では、ユーザーの生活をより便利で豊かにする「LINEミニアプリ」の進化が発表された。
「LINEミニアプリ」では、モバイルオーダーなどをはじめ3万3000以上のミニアプリが提供されており、すでにLINEユーザーの3人に1人が利用するプラットフォームへと成長している。
こうした利用の拡大を受け、LINEは8月頃から順次ミニアプリタブのアップデートを実施する。お気に入り機能や利用履歴へのアクセスが大幅に向上するほか、ユーザー一人ひとりの利用状況に合わせた画面のカスタマイズが可能となる。ユーザーが登録した情報がリアルタイムで連携され、より直感的で使いやすいインターフェイスが提供される。
さらに「顧客体験(CX)を変革する」と意気込むのが、AIエージェントとの連携による検索・予約の統合。これまでは目的のお店やサービスごとに個別に情報を探す必要があったが、今後はAIエージェントが複数のミニアプリやLINE公式アカウントを横断して情報を取得できるようになる。
たとえば、ユーザーがAIに対し「すぐに入れるお店を探して」と依頼するだけで、AIが条件に合う最適な店舗を提示し、面倒な会員登録などを経ることなく、そのまま順番待ちや予約の完了までを一気通貫で代行してくれる。
Talk
トーク領域では、単なるコミュニケーションの場から、会話を起点とした「行動」をさらに便利にするための大きな進化が示された。
「LINEカレンダー」は、新たにOSの標準カレンダーなど外部カレンダーとの連携機能が追加され、ほかのアプリで管理していた予定情報をLINE内にすべて集約できるようになった。これにより、予定の確認や調整のためにわざわざ別のカレンダーアプリを開く必要がなくなる。
さらに今後は、学校や店舗などの公式アカウントをフォローするだけで、学校行事や飲食店の予約、セールの情報などが自動でカレンダーに登録される仕組みも提供していく構想が明かされた。
また、日常の会話から生まれる行動の代表例である「お金のやり取り」も飛躍的にスムーズになる。LINEとPayPayのアカウント連携の開始により、これまでPayPayアプリを開いて行っていた友人への送金が、LINEのトークルーム内で完結するようになる。
そして、こうしたトーク内での「行動」への移行をさらに強力に後押しする象徴的な新機能として、今年中にリリース予定なのが「Agent i in Chat」。いつものグループチャットなどに友だちと同じようにAIエージェントを招待し、メンション機能を使って直接指示を出すことができるようになる。
AIは会話の流れを読み取り、グループ内で流れてしまいがちな「誰が何をするか」をノートにまとめる「タスクの整理」や、会話の中で決まった食事の日時やお店の情報を自動でカレンダーに登録する「スケジュール管理」を代行する。さらには、イベント後に大量に共有された写真を自動で内容判別し、複数のアルバムに仕分けする機能も備える。
執行役員 LINEドメイン メッセンジャーSBUリード 朝井大介
有料サブスク「LYPプレミアム」に新プラン
LINEの成長戦略の柱の一つである「LYPプレミアム」に関する今後の展望も明かされた。
現在、「LYPプレミアム」の総会員数は2549万人に上り、「直接会員」も666万人に達している。LINEヤフーは、この直接会員を早期に1000万人以上へ拡大し、日本最大のサブスクリプションサービスへと育てる目標を掲げている。
あわせて発表されたのが、より手軽にサービスを始められる新プラン「LYPプレミアム ライトプラン」の導入。第一弾となる「エンジョイパック」は月額290円で提供され、ユーザーから特に人気の高い「LINEスタンプ使い放題」「LINE通話の着信・呼出音設定」「アルバムへの動画保存」「アプリアイコン設定」の4つの特典が利用可能となる。
今後、「LYPプレミアム ライトプラン」はさまざまなパックを提供し、加入しやすい環境を目指していく。また、秋にはLINE MUSICと同額で「LYPプレミアム ライトプラン エンジョイパック」が付帯するセットプランの提供も予定していることが明かされた。
さらに、1億人のユーザー一人ひとりの細かなニーズや課題に向き合うため、トーク体験を向上させる4つの新機能が発表された。これらの機能は8月以降に「LINEラボ」にて先行テストとして無料で提供され、2026年秋以降に順次LYPプレミアムの特典として正式に提供される予定。
メッセージ編集機能
送信後15分以内であれば、自分の送ったメッセージを後から編集できる機能。誤字脱字を修正したいといったニーズに応える。
なお、トラブル防止の観点から、修正されたメッセージには「編集済み」という通知が残る仕様となっている。
プレミアムブロック
従来のブロック機能に加え、相手側の友だちリストからも自分のアカウントを消すことができる(そっと消える)機能。
「もうやり取りをしない相手と距離を置きたい」というユーザーの切実な声から生まれたもので、従来のブロック機能との選択できる形で提供される。
メッセージ予約機能
送りたい日時を指定してメッセージを自動送信できる機能。誕生日の午前0時ちょうどの送信や、深夜・早朝の連絡を避けて指定した時間に送りたい場面などで活用できる。
通話レコーディング機能
LINEでの通話を録音・録画できる機能。店舗の予約や重要な仕事のやり取りなど、後から内容を振り返りたい時に役立つ。
さらに、録音・録画した内容をAIが解析し、テキストに文字起こしをして保存する機能も備えている。
LYPプレミアムについて、今までは「お得」を重視してきたが、これからは「ユーザー個々のニーズに深く向き合う」ことへ重心を移していくと説明。
舛田氏は、「今回発表した機能は、すべてのユーザーにとって必ずしも必要な機能ではないかもしれません。しかし、一部のユーザーからは熱烈に求められていた機能です。 必ずしも全員向けではないけれど、人それぞれのライフスタイルにおいて『使いたい』と思われる個別のニーズや課題に答える機能を、LYPプレミアムの特典として提供してまいります」と語った。
