「独身税」と聞いていたのに、既婚の私は年間「1万円」、独身の友人は年間「5000円」の負担になるそうです。どうして独身者の方が安いのでしょうか?

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独身税と呼ばれることもある「子ども・子育て支援金」は、支払う金額に独身か否かは関係ありません。独身の人よりも既婚者の方が支払う金額が高くなる場合があります。   今回は、独身税と呼ばれる子ども・子育て支援金の概要や独身税と呼ばれる理由、独身の人より既婚者の方が高くなる可能性がある理由などについてご紹介します。

独身税とは

独身税の正式名称は「子ども・子育て支援金」で、社会保険料に上乗せされる形で差し引かれる制度です。こども家庭庁によると、子ども・子育て支援金を財源とした用途には以下があります。
 

・こども誰でも通園制度(財源の50%)
・妊婦のための支援給付(財源の100%)
・児童手当(財源の32%)

これらの支援内容は、こども未来戦略「加速化プラン」で決められました。こども未来戦略「加速化プラン」(以降、加速化プランとする)とは、子ども・子育て世帯への支援拡充を目指した取り組みです。
加速化プランでは、子ども・子育て支援金以外に、医療・介護制度の改革による国・自治体の歳出削減や、既存予算の最大限の活用なども財源として用いられます。

独身税と呼ばれる理由

子ども・子育て支援金が「独身税」と呼ばれるのは、支援金のおもな使用目的が子育て世帯向けの支援のためと考えられます。実際、子ども・子育て支援金の用途は、法律で子育て支援関係に限定されています。
子ども・子育て支援金の負担は子育て世帯か否かに関係なく、健康保険に加入している人すべての人が対象となるため「独身税」と呼ばれることもあるようです。
子ども・子育て支援金は世代間で支え合う仕組みとして位置づけられています。
支援を受けて育った子どもたちが将来の社会保障を支える側になり、現在の現役世代は高齢者になったときに支えられる側へ回ります。こども家庭庁によると、この循環を維持することが、独身者を含むすべての人にとってのメリットです。
このように、子ども・子育て支援金は独身者だけに負担が発生する制度ではなく、世代を超えて恩恵が循環する仕組みといえます。

独身の人よりも負担が多くなるのはなぜ?

前提として、既婚者が独身の人よりも多く差し引かれるわけではありません。独身の人も既婚者も、差し引かれる金額の計算方法は同じで「標準報酬月額×支援金率」です。
日本年金機構によると、標準報酬月額とは、税金が差し引かれる前の給料を一定金額ごとに区分した報酬月額に当てはめて決められる金額です。収入が高いほど、標準報酬月額も高くなります。
こども家庭庁が公表している、年収別の子ども・子育て支援金の試算(令和8年度)は次の通りです。なお、金額は協会けんぽに加入している場合を想定しています。
 

・年収200万円:月額192円、年間2304円
・年収400万円:月額384円、年間4608円
・年収600万円:月額575円、年間6900円
・年収800万円:月額767円、年間9204円
・年収1000万円:月額959円、年間1万1508円

試算から分かる通り、年収400万円では年間約5000円なのに対し、年収1000万円になると年額が1万円を超えます。支援金は世帯単位ではなく個人単位でかかるため、独身の友人よりも既婚の自分の方が年収が高ければ、支払う金額も高くなります。

子ども・子育て支援金は既婚か否かではなく個人の収入などによって決まる

子ども・子育て支援金は、子育て支援のために医療保険料に上乗せして差し引かれることから「独身税」とも呼ばれています。しかし、実際には将来の社会を支える側になる子ども世代を育み、支え合いの循環が生じる点から、すべての世代に関係している制度といえるでしょう。
被用者保険に加入している場合、子ども・子育て支援金は、個人の収入に応じて決まる標準報酬月額を基に算出されます。そのため、独身の友人よりも自分の方が収入が多い場合は、たとえ既婚者であっても子ども・子育て支援金が高くなる可能性があります。
 

出典

こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度のQ&A
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
こども家庭庁 被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合) -年収別の支援金額の試算(令和8年度)-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー