【医者が教える】「納豆」が「この世で最もすぐれた食品」である理由
価格が手ごろで、調理の手間もいらない。そんな身近な食品・納豆を、栄養学の観点から高く評価する医師がいる。発酵という工程が栄養価にどのような変化をもたらすのか。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』からヒントを探る。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)
発酵食品としての納豆を、栄養学はどう見るか
発酵食品は世界中に存在する。
チーズ、ヨーグルト、キムチ――それぞれに異なる栄養特性を持つ。
納豆はその中でも、栄養価・価格・手軽さのバランスという点で注目に値する食品とされている。
納豆は大豆に納豆菌を作用させて生まれる、日本独特の発酵食品だ。
「発酵」という工程が、大豆の栄養構成を大きく変える。
その変化の一例が、ビタミンKの含有量だ。
発酵によってビタミンKは30倍以上に増加する
私はこの世の中で最もすぐれた食品が納豆だと思っています。
たとえば、乾燥大豆100gには血液凝固や骨を丈夫にする効果のあるビタミンKが36㎍含まれています。この大豆をすべて納豆に変化させると、ビタミンKは1200㎍と30倍以上に増加します。これが発酵の力の一例です。
――『医者が教える栄養学的に正しい最高の食事術』(田中越郎 著)より
ビタミンKは、血液の凝固や骨の健康維持に関わる栄養素として知られている。
乾燥大豆100gに含まれる量は36㎍だが、同じ量が納豆に変わると1200㎍と、30倍以上に増加する。
これは発酵の過程で納豆菌がビタミンKを産生するためで、食材の「見た目」は変わらなくても、栄養の内訳は大きく異なることを示している。
ただし、ビタミンKは血液をサラサラにする薬(ワルファリンなど)を服用している人には摂取量の管理が必要な栄養素でもある。
持病がある場合や薬を服用中の人は、納豆の摂取について医師に確認することをお勧めしたい。
「手軽さ」も、継続できる食習慣の重要な条件
どれだけ栄養価が高くても、続けられなければ意味がない。
その点で納豆は、開けてそのまま食べられる手軽さが大きな利点だ。
1パック50〜100円前後という価格で、ビタミンKをはじめ、たんぱく質・食物繊維・ナットウキナーゼなど複数の栄養素を一度に摂れる。
著者はこれを「世界に誇るべき食品」と表現しているが、
それは効果を誇張しているのではなく、栄養・コスト・継続しやすさという観点を総合した評価として受け取るのが適切だろう。
日々の食事に取り入れる一つの選択肢として、参考にしてみてほしい。
(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)
