5年で4700万の銀河を網羅した過去最大の3D宇宙マップ公開 さらなる充実目指し観測延長へ
NOIRLab(アメリカ国立光学・赤外天文学研究所)は2026年4月15日付で、これまでで最大かつ最高解像度となる宇宙の3Dマップ(三次元宇宙地図)が完成したと発表しました。期待を大きく上回るデータが得られており、宇宙の謎に迫る分析がさらに進むと期待されています。
期待を上回った5年間の観測成果
今回発表された宇宙の3Dマップは、キットピーク国立天文台(アリゾナ州)にある口径4mのメイヨール望遠鏡に設置された観測装置「DESI(Dark Energy Spectroscopic Instrument=ダークエネルギー分光装置)」で得たデータを使って作成されました。

DESIは2021年5月から本格的に稼働し、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や2022年に起きた大規模な山火事といった困難に見舞われながらも、銀河やクエーサー(中心に超大質量ブラックホールを持つ非常に明るい遠方の天体)の観測を実施しました。
NOIRLabによると、当初の計画では5年間で3400万個の銀河とクエーサーを観測する予定でしたが、DESIはこれらを大幅に上回る4700万個以上の銀河とクエーサー、さらには天の川銀河の調査などに用いる2000万個以上の星を観測したといいます。その結果、過去に行われたすべての観測で測定された銀河とクエーサーの合計の6倍に達する、膨大な宇宙論的データ(天体の光を分析することで得られる、地球からの距離や宇宙の膨張速度などの情報)が集められました。
ダークエネルギーは時代とともに変化している?
DESIの最大の目標は「ダークエネルギー(暗黒エネルギー)」の解明です。ダークエネルギーは宇宙の膨張を加速させていると考えられている未知の力であり、この宇宙の物質とエネルギー全体のうち約70%を占めるとされています。
プロジェクトを主導するDOE(エネルギー省)のローレンス・バークレー国立研究所などによれば、DESIの最初の3年間のデータを分析した結果、ダークエネルギーはこれまで考えられていたような一定の力ではなく、時間の経過とともに変化している可能性が示唆されました。
今後は5年分の全データを詳細に分析することで、この仮説が裏付けられるのかどうかが一つの焦点となります。全データを用いた最初の研究結果は、2027年に発表される予定です。

観測期間の延長と今後の展望
DESIの優れたパフォーマンスと初期データがもたらした注目すべき成果を受けて、プロジェクトは2028年まで観測を延長してマッピングを続けることが決定しました。
NOIRLabによると、今後の観測では対象領域を現在の1万4000平方度から1万7000平方度へと約20%拡大します。また、観測済みの領域についてもマップの高密度化を図り、高輝度銀河の一種(luminous red galaxies)など、これまでの観測対象よりも遠くて暗い銀河を追加します。
これに加えて、近傍の矮小銀河や恒星ストリームの調査を通じて、重力を介してのみその存在を検出できる未解明の物質「ダークマター(暗黒物質)」の理解を深めることも目指すということです。過去最大規模の宇宙地図がもたらす新たな発見から、今後も目が離せません。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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