1年3セットという少ない服で過ごす“制服化スタイリスト”のあきやあさみさん。「本当に似合う服を選ぶ方法」について、お悩み相談を受けることが多いそう。そこで今回は、あきやさん流の自分に合う服を選ぶための「ファッションのトリセツ」をご紹介! 服を買うときに意識している4つのマイルールも教えてもらいました。

※ この記事は『自問自答ファッション 制服化スタイリストが教える自分らしく生きるヒント』(朝日新聞出版刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

【写真】あきやさんのすっきりクローゼット

自分に合った服の選び方を知るには?

「たくさんある服のなかから、自分に合う服を選ぶ方法が知りたい」というお悩みをいただくことが多いです。私はこのお悩みに対して「ご自身の“ファッションのトリセツ”をつくりましょう!」とお答えしています。

“ファッションのトリセツ”は、下記の6つの要素で構成されています。

●1:ブランディング〈なりたい姿を表現したい〉

「自分はこういうふうに生きたい」という確固たる哲学のこと。たとえば、「このデザイナーの言葉にシビレたから、私はこのブランドでしか服を買わない」などの哲学を指す。

●2:キャラクター〈好きなものを身に着けたい〉

本能や直感的に好きと感じるもののこと。恋に落ちるようなときめき。

●3:外見との調和〈似合うもので魅力を引き出したい〉

シルエットやデザイン、色が自分という肉体をきれいに見せてくれるかどうか。ファッションをとおして自分を伸ばしたい、という観点。

●4:トレンド〈旬を生きたい〉

時代の大きな流れが大好きで、時代とともにファッションをアップデートしていきたいという気持ち。「新しいものが大好き! ワクワクする!」

●5:TPO〈信頼感を出したい〉

会う人や季節、場所、状況、目的に合わせてファッションを変えることを心地いいと感じるかどうか。とくにドレスコードがない場でも「アフタヌーンティーに行くなら、パンプスを履かないとソワソワしてしまう」

●6:機能〈心地よく過ごしたい〉

ポケットや生地、耐久性などの快適度。価格も機能のうちの1つで、コストパフォーマンスを重視するかどうか。

ファッションの優先順位を考える

“ファッションのトリセツ”は、「私なら何番を優先するだろう?」と、6つの要素に優先順位をつけることから始めてみてください。

たとえば、今の私は上記の図の順位でファッションを選んでいます。

私の場合は(1)ブランディングが最も上に位置します。「制服化スタイリスト」という職業柄もありますが、美学や哲学を大事にすると、「やりたい!」と思える仕事が自然と巡ってきたり、「人生がうまくまわっている」と実感できることが多いからです。

次に(2)キャラクターを大事にしていますが、似合わないものはどんなに好きでも結局着なくなってしまうので、(3)外見との調和も重視。私は1着の服をとにかくたくさん着るので、今は「家庭でも洗濯できるかな? シワがつきにくいかな?」といった(6)機能も意識するようにしています。

服とメイクで優先順位はちがっていい

私は「ファッション」では(1)ブランディングを優先していますが、「ヘア&メイク」では(3)外見との調和を優先しています。なぜなら、ヘアスタイルやメイクが似合っていないとどうにも落ち着かず、ソワソワしてしまう性分だからです。

そのため、「ファッション」はモードが好きですが、「ヘア&メイク」はナチュラル寄りに落ち着いています(髪形に関して言えば、14歳の頃からずっと同じ。これからも変える予定はありません)。

「ファッション」と「ヘア&メイク」の優先順位が一致している方は、2つのバランスがとりやすく悩みにくいというメリットはあります。ですが、「一致させるとどうもしっくりこないな」という方は、優先順位を替えてみるのがおすすめです。

思わず心が震える「運命的な服」を買う

“ファッションのトリセツ”にのっとってお買い物をすれば、理論上では完璧な服を買うことができます。しかし、理論だけで選んだものは愛着が湧かず、結局すぐに手放すことになってしまうのです。

もちろん理論は大事ですが、長く手元に残しておきたい服やアイテムと出合うと、「私以外の人がこの服を買うなんて考えられない!」「買わなかったら、きっと一生後悔してしまう…」など、“心が震える”現象が起きます。

理論は、そんな運命的な出合いをするための手助けに過ぎないのです。

服を買うときの「マイルール」4つ

私が大満足な服に出合うために心がけていること、服を買うときの4つのマイルールについてお話しします。

●ルール1:ブランドのコンセプトに共感できるか

服を買う前に、必ずブランドの公式HPに書かれている「コンセプト」を確認しています。

たとえばグッチは「最上の伝統を最上の品質で、しかも過去のよいものを現代に反映させる商品づくり」、シャネルは「古い価値観にとらわれない自由で自立した女性像」というコンセプトを掲げています。そのコンセプトに共感できるかを大切にしています。

●ルール2:体形をすっきり見せるデザインか

自分をきれいに見せてくれるシルエット、デザイン、色であるかも基準の1つ。それを見極めるためにも、たくさん試着することにしています。

試着した姿を写真に撮って客観視したり、ときには店員さんに「どう見えますか?」と意見を求めたりすることもあります。

●ルール3:毎日洗濯しても傷みにくい丈夫な生地か

洗濯表示は買う前に必ずチェックします。私は同じ服を連続で着ることが多いため、ドライクリーニングや手洗いが必要な服は避けることが多いです。ポリエステル100%の服は乾きやすいうえにシワになりにくいので、遠方への出張時にも重宝しています。

「毛玉ができにくい服は?」「家庭で洗濯できる服は?」など、店員さんに質問するのもおすすめです。

●ルール4:目指す生き方を表現できるコーディネートか

新卒から勤めていた百貨店を退職し、独立した不安から「強い意志で何事にも挑戦する」生き方を志すようになりました。服を選ぶときはそれを表現できる、「大人っぽさ」や「かっこよさ」が基準になっているなと感じます。

服装で自分を貫くようになってからは、自信が生まれ、おのずと気が合う人だけが集まってくるようになりました。