場内騒然の犬乱入 選手が「良くない」と苦言を呈したハプニング 飼い主が明かした“経緯”「朝からいつもより泣いていた」【冬季五輪】

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犬に追走され、恐怖を覚えたというハジッチ(C)Getty Images

 前代未聞の騒動の内幕が見えてきた。現地時間2月18日に行われたミラノ・コルティナ冬季五輪のクロスカントリースキー女子団体スプリントフリー予選で、大型犬がレース場に乱入。選手たちとともにフィニッシュラインを切る事態となった。

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 レース終盤の思わぬ乱入だった。19位クロアチアのテナ・ハジッチ(クロアチア)をどこからともなく現れた大型犬が背後から追走。両選手と並ぶようにフィニッシュ。さらに、その後も放置されると、今度は26位のコンスタンティナ・ハラランピドゥ(ギリシャ)を追いかけるようにしてふたたびゴール。直後には記念撮影に応じるような律儀な行動もみせて周囲をあ然とさせた。

 選手たちにとっても予期せぬ“ライバル”だった。背後から追われる形となったハジッチは、ドイツ紙『Bild』などの取材に対して「激しいレース展開のせいで、初めて見た瞬間は自分が幻覚を見ているのかと思った」と告白。さらに疲弊する中で「狼かとも思った」という彼女は「あまりに大きかったから、かまれたらどうしようと思って怖かった」と語り、乱入を止められなかった運営に苦言を呈している。

「そもそも犬がコースに入ってくるのは良くないと思う。私はメダル争いをしていたわけではないから落ち着いていたけど、もしも、あれがメダルの懸かった決勝で起きていたら、選手たちは危険なことになってしまう」

 その後、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)のコース運営責任者が捕獲された犬は、近隣に住む元クロスカントリースキー選手アリス・ヴァレスコさんの飼い犬であったことが判明。イタリアの日刊紙『La Stampa』によれば、会場から500mほどの距離にある自宅兼B&Bの庭から逃げ出したという。

 ヴァレスコさんは、『La Stampa』などのインタビューで「単にいなくなったんです、家から逃げ出しました。とても優しい犬なんです」と説明。騒動に至った背景を明かしている。

「朝からいつもより泣いていたんです。私たちが家から出ていくのを見て、きっと、ただただついて来たくて仕方なかったんだと思います。とても頑固だけど、優しく、とても社交的なんです。いつも人との接触を求めているので」

 飼い主を探して、さまよっていたところ、辿り着いたのが五輪の競技会場だったということか。いずれにしても、選手たちに直接的なアクシデントがなかったのは何よりで、やはり運営の警備体制の質が問われるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]