記事のポイント
ツルハHDはアドインテと協業し、日本の流通小売業で初めてデータクリーンルーム(DCR)を構築した。
DCRにより、個人情報を保護しながら広告主のファーストパーティデータと購買データを統合し、ターゲティングの精度を向上させる。
ツルハHDとアドインテは、リテールメディア開発や販促DXの支援を進め、データ活用を強化していく。


デジタル広告の規制強化が進むなか、流通小売業はプライバシーに配慮したデータ活用の新たな手法を求めている。ドラッグストアチェーン大手のツルハホールディングス(以下、ツルハHD)は、DX支援やリテールメディアの開発・運用を行うアドインテと協業し、「ツルハデータクリーンルーム(DCR)」を構築した。日本の流通小売業がデータクリーンルームを構築するのは初。サードパーティCookieの規制が強まるなか、プライバシーを保護しながら、より高度な顧客分析と広告配信の実現を目指す。

近年、個人情報保護の強化を目的としたサードパーティCookieの規制が世界的に進んでいる。これにより、企業がデジタル広告のターゲティング精度を維持しながら、ブランド育成に欠かせない顧客生涯価値(LTV)向上を実現するには、自社データと他社データを組み合わせた高度な分析が必要となる。しかし、プライバシー保護の観点からデータの連携には厳しい制約があり、従来の手法では対応が難しい。こうした課題に対応するため、ツルハHDはアドインテと協業し、安全なデータ環境を提供するデータクリーンルームを導入した。

ツルハデータクリーンルームの大きな特長は、個人情報を保護しながらデータ活用できること、セキュアな環境でのデータ連携、広告効果の最適化の3つ。ツルハHDが保有する全国2636店舗の購買データを匿名化し、広告主がキャンペーン施策の影響をより正確に分析できるようになる。さらに、広告主が持つファーストパーティデータとツルハHDのデータをセキュアな環境で統合し、ターゲティングの精度向上を図る。データに基づく広告効果の測定も可能になり、実店舗での購買行動とデジタル広告の関係を可視化しながら、最適な広告施策を導き出せる。

ツルハHDとアドインテは、今回のデータクリーンルーム構築を皮切りに、リテールメディアの高度化と販促DX支援の強化を進めていく。さらに、ブランドメーカーのマーケティング活動におけるファーストパーティデータ活用を推進し、精度の高い広告施策の実現を目指す。