美容ブランドによる小売パートナー、コラボレーション、TikTok Shopの活用方法:The Glossy Summit
11月13日から15日までサンタバーバラで開催されたGlossyビューティ&ウェルネスサミットの初日、美容業界のエグゼクティブたちが集まり、直面している最大の課題についてシティホール形式でディスカッションを行った。会話は、TikTok Shop、有益なブランドパートナーシップ、小売業者との進化する関係という3トピックに集中した。読みやすさのために若干編集して、このセッションのハイライトを以下に紹介する。TikTok Shopの利用
ダネッサミリックス・ビューティ(Danessa Myricks Beauty)は最近、TikTok Shopでローンチし、すぐに売上を伸ばした。このローンチは有料広告とオーガニック投稿によりサポートされている。TikTokで20万人を超えるフォロワーを抱えるダネッサミリックスは、この大規模なオーディエンスとTikTokでバイラルになったブラーリング バームパウダー(Blurring Balm Powder)の恩恵を受けている。
一方、TikTok Shopの活用に関心のある他ブランドが挙げている共通の課題は、Shopのローンチまでに長い待ち時間がある点で、ブランド数社からは現在TikTokの承認を待っている最中だという声があがった。また、ほかのブランド幹部らは、TikTokのアルゴリズムにより自社ブランドや製品が不正確に分類され、それがパフォーマンスに影響していることが判明したと述べている。最後に、TikTokがすべてのアフィリエイトパートナーコンテンツにショッパブルリンクをタグ付けできていないという問題も指摘された。
下地やメイク仕上げスプレーを製造するスキンディナビア(Skindinavia)の幹部によると、TikTok Shopショップにうまく対応するために方法のひとつとして、ベンダーパートナーに委託することがあるという。スキンディナビアは、中国市場でTikTokの経験があるロサンゼルス拠点の企業と提携している。そのため、スキンディナビアは、TikTok Shopのためのクリエイターパートナーシップを管理するために、ロサンゼルの企業が長年の経験で得たデータと分析を確認することができているという。
パートナーシップを通じた文化的関連性 vs 文化的公平性
パートナーシップとコラボレーションは、強みや収益、文化的公平性の源となりうる。しかし、パートナーシップの期間や長期的な影響は異なるため、その価値を事前に判断することはほぼ不可能だ。
ディスカッションでは、小売形式のパートナーシップで成功した一例として、ザ・コンシャスビューティコレクティブ(The Conscious Beauty Collective、以下CBC)が挙げられた。これは、アドラセラピー(Adoratherapy)、オーヴビューティ(Auve Beauty)、ビューティオロジー(Beautyologie)、エンプレスナチュラル(Empress Naturals)などのインディーズブランドから構成されている。ポップアップスタイルの小売店に約30のブランドが出店しており、これまで、サンフランシスコ、ボストン、カリフォルニア州ランチョクカモンガで展開されている。そのうちの1店は、現在、パームスプリングスで2024年4月まで展開予定だ。マサミヘアケア(Masami Hair Care)とCBCの創業者であるリン・パワー氏は、彼女が持つ小規模ブランドが力を合わせれば強力になれることに気づき、この移動型インディーズ小売店を設立した。これは、小売販売やソーシャル全体における相互プロモーションの手段であることに加えて、ほかの創業者たちと知り合い、ネットワークを築き、リソースを共有する方法でもある。
パワー氏は次のように語った。「CBCは状況を一変するものだ。当社は本当に小さいブランドで、投資家はおらず、自己資金でやっている。(ほかのブランドと協力することで)糸口をつかんで大手ブランドと競争できる。パートナーシップを活用していないと、機会を逃してしまう」。
一方、他社のオーディエンスにリーチして彼らを自社の顧客へと変えられるため、美容以外のパートナーシップやコラボレーションにも価値がある可能性がある。E.l.f.コスメティクス(E.l.f. Cosmetics)やサマーフライデイズ(Summer Fridays)などの多くのブランドが、美容以外のパートナーシップを特に効果的に活用している。また、パートナーシップを通じて文化的関連性を見つけたり、文化的関連性を構築したりすることについても取り上げるべき点がある。本質的に、文化的関連性とはパートナーシップを通じて文化のペースに遅れないようにすることであり、文化的公平性の構築とは会話を主導することだ。ニックスコスメティクス(NYX Cosmetics)の出席者は、文化的関連性によりブランドが推進されるのには限度があることを強調しており、アーバンディケイ(Urban Decay)の出席者は、自社コミュニティ内での強固なプレゼンスにはコラボレーションとパートナーシップが「絶対に必要」だと述べた。
小耳に挟んだ話:ブランドは小売店での成功を重視している
小売業者との関係の現状について、経営幹部の話を以下に挙げる。
「当社はオムニチャネルであり、Amazonで販売している。当社製品が購入されている限り、どこで購入されているかは気にしていない。ホールフーズ(Whole Foods)に進出して約1年になるが、Amazonの売上も、当社サイトの売上も増加している。実際、ホールフーズでプロモーションを行っているときは、(プロモで)エンドキャップを使っている場合と同じように、サイトでの売上が増える。…ホールフーズに参入したとき、顧客が店で購入し始めたのでサブスクリプションが減少した。だが、ブランド全体としては年間を通して均等になっており、異なるチャネル全体で総じて上昇している」。
「最近では、伝統的な小売業者はサンプリングに関する一定の説明責任をブランドに課しており、有料メディア(への投資)は小売に向けられたものとなっている」。
「現在、ある小売業者と独占交渉中だ。小売業者は、当社が独占契約を結べばマーケティング費用を投じると言っているが、私はそれを信じていない。この業者は新興ブランドを支援することでは知られていないからだ」。
「異なる4社の小売業者から独占販売の申し出を受けており、多くを約束してくれるという。だが、もし私が1社に対して『イエス』と言えば、残りの3社を失うことになる」。
「ホールフーズはブランドのためにマーケティングは行わない。ホールフーズに製品を売り込んでもらえることは期待できない。さまざまな理由から、小売販売を開始するまで3年間待って本当によかったと思っている。その理由には、店頭に並ぶ前に製品に対する需要を確立したことがある。店舗に製品を置くだけでは需要は確率できないからだ。…だが、店舗を通じてできることはいくつかある。ホールフーズに関しては、オンライン広告の一部でホールフーズで取り扱いがあるという事実を述べることができる。これは信頼のシンボルだ。社会的な証拠であり、その証拠はより効果的な自社キャンペーンを展開するのに役立つ。D2Cと小売両方で販売する能力があるなら、重複する機会が多くある。あらゆることをお互いの上に築き合うことができる」。
「ノードストローム(Nordstrom)は自社がターゲット(Target)よりも優れていると思っているが、残念ながら実際はそうではない。買い物客は同じだ。ターゲットで販売してもブランドが傷つくわけではない。ターゲットでグープ(Goop)を販売しても、グウィネス・パルトロウ氏のために金を刷っているだけ(でブランドに傷はつかない)」。
「小売店のバイヤーは、面積あたりの収益性よりもまったく新しい購入客を獲得することを重視している」。
「小売店に留まって成功したいからと言って、トラフィックをすべて小売店に送ってしまうと、自社のD2Cが打撃を受けることになる」。
「いずれにしても、最終的にはAmazonに進出することになるだろう」。
「バイヤーの注目を集めるためには、他社とは違う商品や独自の視点を持った商品、顧客から求められる商品が必要だ。自社製品を購入してくれる顧客が十分いて、小売業者の店舗にある他の製品とは違うことを示すことができれば、バイヤーからは商品が望まれるだろう」。
本記事にはジル・マノフによる追加レポートあり。
[原文:Inside the Glossy Summit: How beauty brands are leveraging retail partners, collaborations and TikTok Shop]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:)
