NHKの稲葉延雄会長が、10月18日、定例会見で旧ジャニーズ事務所所属タレントの起用について、「被害者への補償や再発防止の取り組みが実施されていることが確認されるまで、新規契約はおこなわないという方針に変更はない」と語った。

　年末の『紅白歌合戦』についても「同じ方針」として、現時点で出場者はゼロのままだとしている。

　昨年の『紅白』には、旧ジャニーズからKinKi Kids、関ジャニ∞、King＆Prince、なにわ男子、SixTONES、Snow Manと白組で6組も出演。その枠が空くということになり、音楽業界では大争奪戦となっている。

　例年『紅白』には、その年にNHKの番組に出演した「貢献度」が重視されていると言われる。そこでNHKの音楽番組『SONGS』『Venue101』『うたコン』など、今年の出演歴から初出場を果たす可能性の高いアーティストを検証する。

　K-POPの13人組グループ・SEVENTEENは、1時間にわたってひと組のアーティストを深掘りする『SONGS』の7月27日回に出演。今年は日本でベストアルバムをリリースして、史上初の海外アーティストによるアルバム2作連続初週売上50万枚超えを果たした。

　また『VERY NICE』がTikTokでバズったほか、「香取慎吾×SEVENTEEN」名義で『BETTING』を発売するなどのコラボレーションも実現させ、『紅白』でも期待されている。

　また、9月14日放送の新番組『NHK MUSIC EXPO 2023』にも出演と、合計2回NHK出演を果たしている。同番組には、ENHYPEN、＆TEAMも出演したほか、K-POPアーティストは音楽番組『Venue101』にもたびたび出演。

　2月25日にNCT 127、4月22日にTOMORROW X TOGETHER、7月8日にTHE BOYZが出たほか、9月23日放送のスピンオフ特番『Venue101 Presents』にStray Kidsが出演していた。

　もちろん、日本を軸に活動するアーティストも『紅白』出場を狙っている。

　昨年『紅白』初出場を果たしたBE:FIRSTは、8月12日放送の大型音楽番組『ライブ・エール2023』と『Venue101』の3月18日、4月22日と合計3番組に出演。『Venue101』の話では、BE:FIRSTの弟分、MAZZELも6月10日、9月2日の2回出演と着実に “貢献度” を増やした。

　同じく昨年『紅白』初出場のJO1は、4月8日、7月22日に出演。その弟分であるDXTEENも4月15日に出演している。

　また、JO1は、音楽番組『うたコン』の4月11日のほか、JO1の河野純喜が、2月14日放送回で鈴木雅之とコラボレーション。ほかにも、BS8Kで冠番組『JJJJO1』が複数回放送されている。

　もうひとつのJO1の弟分・INIは『うたコン』の5月23日に出演。また、同番組には、森崎ウィンが2月28日、4月25日の2回出演。森崎は大河ドラマ『どうする家康』に徳川家康（松本潤）の息子である二代将軍・徳川秀忠役を務めている。さらに、8月5日放送の『妄想かみ砕きミュージック』にも出演した。

　バンドで勢いのあるMrs. GREEN APPLEは、前述の『NHK MUSIC EXPO2023』、6月17日放送の『Venue101』、5月12日放送の特番『Live 君の声が聴きたい』と3回出演している。

　また、EXILE TRIBEの『紅白』未経験のグループでは、THE RAMPAGEが10月10日放送の『うたコン』、10月29日放送の『Venue101』に出演。

　こうして若手男性アーティストで複数回NHKの音楽番組に出演したのは、昨年も『紅白』に出演したBE:FIRST、JO1のほか、SEVENTEEN、MAZZEL、MORISAKI WIN、Mrs. GREEN APPLE、THE RAMPAGEは貢献度も高いことが判明した。

　また、NHKへの貢献度という点では、レギュラー放送されている『ワルイコあつまれ』（NHK Eテレ）出演の稲垣吾郎、草磲剛、香取も出演の可能性があるのか期待されている。今年はテーマが「ボーダーレス」ということで、日本出身以外からの出演の可能性も濃厚。K-POPグループのほか、ミャンマー生まれでスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』にも出演した森崎ウィンの出演の可能性はありそうだ。

　NHK会長が「旧ジャニーズ、ゼロ」と発言したことにSNSではさまざまな意見が寄せられた。

《ジャニーズが終わって今年の紅白はどうなるんかな》

《やはりスマイルアップ系の紅白出場予定はゼロ。 TOBE, 新しい地図はどうなるのか》

《これセブチ紅白初出場マジあるな》

《NCT紅白でる可能性あるってま…？ でもあの件あったしK‐POP系が増えるのは確実だよね〜》

「“音楽業界最後の大物” として『紅白』に初出場が期待されているのはB’zです。今年デビュー35周年を迎えて、5月1日にボーカルの稲葉浩志さんが『ニュースウォッチ9』（NHK総合）で単独インタビューに答え、B’zの2人としても7月19日放送の『クローズアップ現代』（NHK総合）でインタビューに応じました。

『年末年始は仕事をしない』としているB’zですが、2017年には12月30日、31日にナゴヤドームでライブをしたこともあります。

　また『紅白』では、近年、VTR出演も多く、昨年は星野源さん、King Gnu、Official髭男dism、安全地帯、桑田佳祐さんの特別企画など白組に映像出演が目立ちました。この形式ならB’zも首を縦に振るのではないでしょうか」（芸能ライター）

　旧ジャニーズゼロで迎える『紅白』、その穴を初出場が埋めるのか、それともベテランの返り咲きとなるのか。