あの名画が描かれた時代が2050年だったら?ゴミであふれた未来の海をAI技術で再現 八景島シーパラダイス『“名画になった”海 展』
展示は主に2つの企画で構成されている。第一部では「プラスチックゴミの量が魚の量を超える」と言われている2050年の海をゴッホや葛飾北斎を含む6名の巨匠が描いたらどうなるか、AI技術を用いて再現した絵画を楽しめる。第二部では実際に海から回収したプラスチックをスノードームのフレークに用いた『Microplastic Globe』(スノードームになった未来の海)を5点展示する。また、会場では募金活動を行い、自然環境保護活動を行う団体へと寄付することで、プラスチックゴミ問題解決へのアクションとする。
プラスチックはあらゆる場面で生活を便利にしている。一方で、たとえばプラスチック製のレジ袋が完全に自然分解されるまでは1000年以上かかるとの研究もあり、一旦海に流出すると、長期間にわたり環境にとどまることとなる。そして現在、世界全体で少なくとも年間800万トンを超えるプラスチックゴミが海洋に流出していると推計されている。また、5mm以下の細かいプラスチック粒子であるマイクロプラスチックも世界中の海に存在している。これは、海岸に打ち寄せられたプラスチックゴミが紫外線や波の影響で分解されたり、スクラブ洗顔料や一部の歯磨き粉などに含まれる「マイクロビーズ」とよばれるプラスチック粒子が下水道を通じて海に放出されたりしたもの。
この海洋プラスチックゴミが、海洋の生態系にさまざまな影響を及ぼしている。例えば、Microplastic Globeのモチーフとなっているカクレクマノミは、棲み処となるイソギンチャクが海中のマイクロプラスチックの影響で白化することが報告されており、クマノミの世界的な減少との関係が示唆されている。
『生きものを通じて世界に笑顔と感動を』をスローガンに掲げる横浜八景島は、一人でも多くの人に海洋ゴミ問題に向き合い、自分にできることを考えてもらうきっかけをつくるために、展示会を開催する。

展示会場
●第一部 ゴミであふれた未来の海をAI技術で再現
フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャン、喜多川歌麿、葛飾北斎、エドゥアール・リウー、馬遠(ばえん)の6名の巨匠たちが描いた海を、プラスチックゴミの量が魚の量を超えると言われている2050年の姿にアップデートした作品が並ぶ。各アーティストの画風や絵のタッチをスタイルトランスファーというAI技術を用いて再現した同作品は、2019年に「仙台うみの杜水族館」で発表され、海外からも高い評価を受けた。

富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 2050 葛飾北斎(1760-1849)×AI

サント=マリー=ド=ラ=メールの海景 2050 フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)×AI
●第二部 マイクロプラスチックが舞うスノードーム『Microplastic Globe』
第二部ではマイクロプラスチックが漂う海の中とそこで暮らす海の生きものを表現したスノードーム『Microplastic Globe』(スノードームになった未来の海)を5つ展示。既に海洋プラスチックゴミの影響が報告されている5つの生物(カクレクマノミ、ミズクラゲ、ザトウクジラ、アオウミガメ、マゼランペンギン)の意匠と共に鑑賞できる。各種ドームの造形・制作は、スノードーム作家・石田兵衛(いしだ ひょうえ)氏が担当した。


ドームの中を舞うフレークは海洋プラスチックのアップサイクル事業をアート活動として行う会社「REMARE」(リマーレ)協力のもと、実際に海から回収したプラスチックを使用している。なお、『Microplastic Globe』はマイクロプラスチック問題啓蒙の役目を終えた後、専門家の監修のもと適切に処分される。


ドームに使用したプラスチックゴミが収集された海岸
●「”名画になった”海 展」概要
主催
株式会社横浜八景島
期間
2022年5月31日(火)〜2022年7月18日(月・祝)11:00〜18:00
※休館日:毎週月曜日、月曜日が休日の場合、翌営業日が休館
会場
ITOCHU SDGs STUDIO (東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F)
料金
入館料無料
