ケータイ各社の我田引水、乗り換え“放題”ほど遠く
複雑・高額で顧客囲い込み
第一の課題が、2年契約を中途解約して1000円の違約金を払っても、MNP(携帯電話番号移行制度)による他社乗り換えに手数料が別途5000―6000円かかることだ。内訳は、他社に乗り換える際のMNP転出料に2000―3000円、乗り換え先の新規契約事務手数料に約3000円。総務省によると、2018年度のMNP件数は前年度比4・9%増の506万番号ある。
2年契約の違約金は従来の約9500円から1000円に下がったが、端末のSIMロック解除を店頭で行ってMNPで他社に乗り換える場合、別途、8000―9000円の支払わねばならない。
契約者以外が乗り換え前の携帯会社で購入した中古端末のSIMロック解除に至ってはKDDIとソフトバンクの場合、オンラインで解除できず、店頭での解除に限られる。この場合も3000円の手数料がかかる。いまだ乗り換えにかかる負担額は大きく、このことを消費者に理解させる必要がある。
誤解招く表示、端末「半額」ハードル高く
第二の課題が、消費者に誤解を与えかねない広告表示だ。消費者庁は9月26日、KDDIとソフトバンクが新たに発表した携帯端末販売プランを念頭に、消費者へ注意を呼びかけた。広告表示で「最大50%オフ」のように記載しているが、実際は半額以上の経済的負担をさせるものだからだ。
KDDIとソフトバンクのプランは、携帯端末を48カ月分割払いで購入し、25カ月目に新機種へ買い替えれば旧機種の24カ月分の支払いを免除する。これが「半額支援」などというプラン名の下、特段の条件がなく最大半額で購入できるかのように広告に表示しているが、実際はさまざまな適用条件が存在する。
まず、対象の端末購入プログラムに加入するには月390円の利用料がかかる。旧機種は回収され、旧機種がひび割れなどで査定条件を満たさなかった場合は2万円程度の支払いが別途必要になる。
例えば、12万円のスマホを25カ月目に新機種へ買い替えても、端末代金の半額分6万円とプログラム利用料の9360円(390円×24カ月)を加算した6万9360円を払わねばならず、支払総額は端末代の半額(6万円)を上回る。旧機種にひび割れや故障があれば利用者の負担額はさらに増える。このため、KDDIとソフトバンクはネット広告やテレビCMを順次見合わせた。
そしてソフトバンクは「半額サポート+(プラス)」の名称を10日から「トクするサポート」に変更すると発表、“半額”という文言を削除した。またソフトバンク回線契約がない利用者はクレジットカード払いによる端末購入を条件にソフトバンクショップでSIMロック解除に即日対応する。SIMロックの即日解除はデポジット(預かり金)制の導入を検討している。
