ソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】

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ホークスが王手をかけて第6戦、MVPは日本一を決めた試合での殊勲者か

 日本シリーズはソフトバンクが日本一に王手をかけている。このタイミングで、今シリーズのMVPを予想したい。

 あと1勝に迫ったソフトバンクだが、MVP選出は現状ではなかなか悩ましい状態だ。

◯打撃陣 5試合の成績上位

デスパイネ 4試12打4安2本6点 率.333
柳田悠岐 5試18打5安1本4点 率.278 勝利打点1
中村晃 5試21打6安0本3点 率.286 勝利打点1
上林誠知 4試19打3安1本2点 率.158 勝利打点1
明石健志 5試12打3安1本1点 率.250
今宮健太 4試14打5安0本1点 率.357

 勝利打点は3人が各1つずつ。日替わりでヒーローが出ている状態だ。ポストシーズン全体ではデスパイネが勝負強さを見せているが、第5戦は故障で戦線離脱。今のところ本命はいない。日本一を決めた試合での殊勲者がMVP候補になるのではないか。

◯投手陣

東浜巨 1登1勝0敗5回 防御率1.80
ミランダ 1登1勝0敗5回 防御率5.40
森唯斗 4登0勝0敗2S2H 4回1/3 防御率0.00
高橋礼 3登0勝0敗0S3H 1回2/3 防御率0.00
武田翔太 4登0勝0敗0S2H 5回2/3 防御率1.59
嘉弥真新也 4登0勝0敗0S2H 3回 防御率0.00
モイネロ 4登0勝0敗0S2H 2回1/3 防御率3.86

 先発は千賀、バンデンハーク、東浜だが、その中では東浜が候補か。むしろ救援陣の活躍が目立つ。特にクローザーの森は4登板で2セーブ、2ホールド、しかも自責点0。イニングまたぎもあった。打者、先発陣にめぼしい選手が出なかった場合は、森が有力候補になるだろう。

広島は4番・鈴木が圧倒的成績、あと3勝と先は長いが…

 広島が逆転日本一になるためには、あと3勝が必要なので先は長いが、広島の候補も見ておこう。

◯打撃陣

鈴木誠也 5試18打9安3本6点 率.500 勝利打点1
安部友裕 5試19打3安2本5点 率.158
會澤翼 4試14打5安1本3点 率.357
丸佳浩 5試21打4安1本3点 率.190
松山竜平 5試20打7安0本2点 率.350
菊池涼介 5試19打5安1本1点 率.263

 こちらははっきりしている。4番・鈴木誠也が安打、本塁打、打点、打率でチーム1位、唯一の勝利打点も挙げている。広島が敗退しても「敢闘賞」の本命ではある。

◯投手陣

ジョンソン 1登1勝0敗 7回 防御率1.29
大瀬良大地 2登0勝0敗 9回1/3 防御率3.86
フランスア 3登0勝0敗0S1H 5回2/3 防御率1.59
一岡竜司 3登0勝0敗0S2H 2回2/3 防御率0.00
ヘルウェグ 4登0勝0敗0S1H 2回1/3 防御率0.00

 ジョンソンが虎の子の1勝を挙げている。またフランスアはロングリリーフで好投。一岡も3試合中継ぎで自責点0だが、広島投手陣からMVPが出るとすれば、今後の活躍次第だろう。

 ちなみに今シリーズはここまで盗塁が1つもない。広島は6回企図してすべて失敗。ソフトバンクは一度も走っていない。

 この結果を見ると、ソフトバンクが日本一になれば、打撃は13打数2安打、打率.154ながら、4つの盗塁企図をすべてアウトにした甲斐拓也がMVP候補に浮上する可能性もあるだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)