活発になる出産・育児を経た女性のキャリア支援、受け入れ企業の狙いは
同プログラムには主婦や会社員など、計60人が参加。既婚者と子どもを持つ人の割合は8割に上る。専業主婦や薬剤師、輸出業など、バックグラウンドは幅広い。「会社の肩書なしでも活躍したい」「短時間勤務で会社の仕事には限界がある中、新しいことに挑戦したい」など、参加理由はさまざまだ。
17年11月のワークショップを皮切りに、商品勉強会やデンソー本社での入浴体験などを実施。基本的にはインターネット上でやりとりするため、育児中や海外在住者など移動が難しくても参加できる。報告会にも10人ほどがインターネットから参加した。
一方のデンソーは全社でオープンイノベーションを強化する中、エコキュートの新機能をPRする過程でもベンチャー企業などとの連携を検討していた。その中で同プログラムは「業務である反面、ユーザーとしての意見も聞ける。業務と消費者の中間の立場がメリット」と連携を決定。デンソーでも年に200―300人が育児休暇を取っている状況で、今回の取り組みを社内でも生かせないかと模索する。
マナビシアが手がけるのは、出産・子育てとキャリアを両立させている女性が「メンター」として、女性のキャリア相談に助言などを行う「育キャリカレッジ」だ。同事業の中で、メンターの職場を訪問して育児をしながら働く環境を体験する「お仕事留学」を行っている。
6月は米LinkedIn(リンクトイン)日本法人で実施。同社では子どもを連れて海外出張できるなど、育児を前提とした職場環境を整えている。お仕事留学にはファンド勤務やITエンジニア、銀行で働く妊娠9カ月の女性などが参加。同社で育児をしながら働く女性との座談会や、ワークショップを通じて自らに最適な働き方とは何かを模索していた。
出産や育児がきっかけとなって、自らのキャリアを見直す女性は多い。ただし働き方の柔軟性はまだ十分に整っているとは言いがたい。お仕事留学の参加者からも「実際に出産したら仕事との両立が思った以上に大変だった」との声が聞かれた。また「特に技術職は女性が少なく、今後の女性活躍につなげたい」とも。社内にモデルとなるような先輩が少ない場合があるのも実情だ。
マナビシアの池原真佐子代表は「女性には特にキャリアについて助言を受けられる環境が必要」と説く。MYコンパスの岩橋ひかり社長は「キャリア支援事業を通じて活躍する女性が増えれば、社会も変わるのでは」と期待を込める。
