放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。12月25日の放送では、株式会社ズノーの執行役員でリサーチャーの喜多あおいさんをゲストに迎え、依頼主に喜ばれる情報の探し方を伺いました。



高須:喜多さんとはちょこちょこお仕事をさせて頂いているんですけど、あんまり知らないんですよ。ただ、“あの人は優秀だ”、“持ってくるものが違う”というのはずっと聞いていてどんな人やろなと思ってたんです。“忙しくて引き受けてもらえへんよ”と聞くんですけど、ドラマとかもされるんですよね?

喜多:「ハケンの品格」が最初です。かれこれ10年ぐらいになりますね。ドラマにおける調べものは今までにもあったと思うんですけど、そこにリサーチャー業の人が入るというのはあまり聞いたことがなかったです。私がドラマでいただくお仕事の方向性としては、“表に出ないリアリティ”のリサーチです。

高須:今までに調べた“リアリティ”で、喜んでもらえた情報ってあります?

喜多:「ハケンの品格」では、日本で働く派遣社員の数が冒頭で表示されたんです。そういう数字でのリアリティがひとつ。さらに日常描写の細かいこと。例えば一番困ることは何かと聞いたら、『部内でもめ事が起こった時や女性社員同士がうまくいってない時は、遠くのお手洗いに行かないといけない』という答えがありました。つまり誰かと出くわす可能性の高いお手洗いでは、自分の噂話を聞いてしまうかもしれない、などということがあるので知らず知らずのうちに遠いお手洗いに行くようになるそうです。

高須:それは足で稼いだ情報ですか? どうやって調べるんですか?

喜多:いろいろあるのですが、私は座談会というか食事会を開いてお話を聞き出していくのが好きですね。会議ではないので、脱線もウェルカムですね。とことん話が脱線すると、その方以外の方が使命感にかられて話を引き戻してくれたりもするんです。自由な空間では「実はここだけの話なんですけど」というのが出てくるというか。



高須:なるほどな。どういう順序で探すんですか?

喜多:デリケートな話題は私一人で対応するんですけど、たくさんの情報があったほうがいい場合は多くの人を配置するんです。たくさん挙がってきた情報の中から、番組、演出家や作家さんの顔を思い浮かべて好き嫌いの取捨選択をしています。

高須:さすがやね。ディレクターの知ってる加減もあるし、慣れてる慣れてないもあるしね。

喜多:同じテーマの同じ番組でも、いつも同じものが選択されるわけではないですから。

高須:でも難しいよね。最終的にはディレクターが納得するような情報が、何かを知ってないとあかんもんね。もう「この人はこんな感じかな?」というのはわかってます?

喜多:はい。長くお付き合いするとわかりますね。でも立場が変わられたりとか、番組の中での人間関係の構図によっては、「この番組では空気が違ったな」という場合もあります。そこで会議では、議事録ではなく印象的なキーワードや会議の空気感を思い出せるようなことをメモにとっていますね。

高須:相手が欲しがる方向性を書いておくんですか?

喜多:そうですね。例えば水をリサーチする場合、『水』と書くのではなく『エコな感じ』とか『サイエンス』とか、そういう言葉を添えておきます。多くの人で作業する場合、方向性を伝えるのに必要なのは『テーマ』ではなく『欲しいニュアンス』なんですね。なのでその手がかりを書いています。

高須:なるほどね。

喜多:仕事の醍醐味は、会議で「これ面白いね!」と言われた時がマックスなんです。そこから先に何が出来上がるかは、私の場合は制作の方におまかせして興味がないんです。調べものが好きなので(笑)。

高須:えぇっ!? すごいね(笑)。

【番組情報】

タイトル:空想メディア

放送日時:毎週日曜 25:00〜25:29

MC:高須光聖、中村亜裕美

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