筆者は冷え性なので、この季節は寒さに気が散って仕事に支障をきたします。やっかいなのが、暖房の設定温度を高くすると上半身ばかり暑くなり、足先は冷たいままということ。「頭寒足熱」を保つためには、デスクの足元にファンヒーターなどを置くのもいいですが、動作音や空気の乾燥が気になります。そこでこの冬導入したのが、パナソニック「マルチウォーマーDF-SAC30」(以下、マルチウォーマー)。足先を入れて温めたり、あんか入り座布団として使うなど、名前のとおりマルチに活躍してくれるようです。

軽くてやわらかいから安全。ふわふわのマイクロファイバーも気持ちいい

「マルチウォーマー」は、足温器やあんかとして、1台でいろいろな使い方ができます。運転音はほとんどないため、まわりを気にすることなく使用できます。温度は「弱、1、2、3、強」の5段階で調節可能。表面温度は、「強」で41℃、「2」で39℃、「弱」で36℃程度となります。熱くなりすぎる心配が少なく、軽くてやわらかな材質でできているので、勉強中の子どもの足元にも安心して設置できそう。

ポケットのような形状の「切り欠き部」から足を差し込めるようになっています。本体のサイズは39(幅)×5(高さ)×29(奥行)cm。重量は650gと軽いので、お年寄りでも手軽に扱えそうですね。

カバーには、ふわふわの触り心地のマイクロファイバーを採用。電源がオフの状態で足を入れただけでも気持ちいいです

カバーを外したヒーターユニットはビニール素材。万が一汚れた時も、さっと拭いて汚れを拭き取ることができます

温度調整ダイヤルは、「実家のコタツ」を思い出すデザイン。正直、もっとスタイリッシュだといいなと思ってしまいますが、これなら老若男女が躊躇なく操作できそうです

やさしくじんわりだけれど、体の芯までぽかぽか!

まずは、足を差し込んで足浴器として使用してみました。カバーがマイクロファイバーなせいか、足を入れるだけでそこそこ暖は取れたので、基本的に「弱」で使っていました。それでも30分ほどすると、寒くないどころか脇や背中にじんわりと汗をかくほど体全体がぽっかぽかに。ファンヒーターのように足の表面だけを温めるのではなく、芯からじっくり温めてくれるので、寒さでこわばっていた手の指先までほぐれてしまいました。使い続けたら冷え性の体質改善までできてしまうのではないかと思ってしまうほどです。

はだし、あるいは薄い靴下を履いて使用している時は、マイクロファイバーの肌触りも伝わって気持ちいい

はだし、あるいは薄い靴下を履いて使用している時は、マイクロファイバーのふわふわ感も伝わって気持ちいい

暑くなってきたら、ポケットから足を抜いて置いておきます。この状態でも足裏にほのかな温かさが伝わるので、すぐに寒くなることはありません

あんかクッションとしても使用してみました。この場合、ヒーターの熱はカバーと衣類越しになり体に伝わりにくくなるので、温度設定を「強」にするぐらいでちょうどよかったです。本体が軽量でやわらかいため、使用中にイスからと転げ落としてもほとんど音がしないのも助かります。

ちなみに、筆者は足元に置いたものをイスに乗せるのにやや抵抗があったため、足浴器として使用した後は、一度カバーを洗ってからイスに乗せていました。そういった意味では、「いろいろな使い方ができる」というよりも、「使い方を選べる」という表現のほうが正しいかもしれません。

座布団として上から座ると、下腹部がしっかり温まります。生理中などは下腹部を温めると生理痛がとても楽になるので、この使い方ができるのは女性にはすごくありがたいです

イスの背もたれに当てて座ると、腰から背中が温まります。風邪気味の時なんかによさそうです。ただ、深く腰かけないと温かさを感じにくいので、仕事用のイスより、ソファなどに座ってリラックスしている時のほうが向いている使用法かも

コード長は3mあるので、デスクの下で使用する場合は、コードがじゃまにならないようフックに吊るしていました

「マルチウォーマー」は布団の足元に入れて置くことで、寝る時にも活躍。就寝中、何度かベッドから蹴り落としてしまったようなのですが、本体が軽くてふかふかなので、大きな音が立たず、眠りを妨げられることはありませんでした。ちなみに、「10時間連続使用時は自動で電源がオフになる」といった機能は搭載されていないので、切り忘れには注意しましょう。

ベッドに入りたてで足が冷たい時は「切り欠き部」に足を入れ、温まったら出してほんのりとした温かさを楽しみながら寝るのがお気に入りの使い方

本製品のカバーに使用されているマイクロファイバーという素材は毛足が長めなため、使っているとどうしてもホコリやごみが付きやすいのが難点。しかし、カバーは外して水洗いができるため(洗濯機可、乾燥機不可)、洗っていつでも清潔に使用できます。

マイクロファイバーは乾くのが早いため、カバーは洗っては暖房の効いた部屋に干しておいたところ、3時間であらかた乾いていました

まとめ

「マルチウォーマー」は、機能自体はシンプルなものの、「切り欠き部」を作ったカバーを生かすことで、バリエーションに富んだ使い方ができる点が魅力です。運転音もなく、軽くてやわらかな材質で安全に使用できるので、オフィスで寒さに震える冷え性の人たちだけでなく、老若男女が使用しやすい製品だと思います。

発売から日が浅いということもあり、価格は7,219円(2016年11月28日時点、価格.comでの最安価格)と、「あんか」としては割高な印象は否めませんが、実際に2週間程度使った筆者は、1台持っていると重宝する製品だと感じました。1時間の電気代は0.3円と、毎日就寝時に使用しても、1か月のコストは65円程度(ひと月31日、1日7時間使用した場合)なので、ランニングコストは気にせずに活用できそうです。また、冷えた部分だけを集中して温められるのも◎。夏にクーラーのききすぎた部屋で冷えた足先だけを温めたり、生理痛がひどい時に腰を癒したりと、意外と1年中活躍するかも?


>> 冷え性の必需品! 足温器にもあんかにもなる「マルチウォーマー」が使える の元記事はこちら