スマホ優先のソフトバンクが、今なぜガラホを投入? その真意と戦略とは

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iPhoneやXperiaなど人気機種や格安SIMなどによりスマホが普及する一方、月々の料金が割安なガラケーの人気が再燃している。

昨年は7年ぶりに、ガラケーの出荷台数が前年を超えた。
そんななか、ソフトバンクは秋冬モデルとしてAndroidベースのガラケー、通称「ガラホ」を3モデル発表した。

●立ち遅れたガラホ投入とガラケー不具合
なぜこのタイミングでガラホを多く投入したのか、それには理由がある。

これまでソフトバンクは、スマホを重視、優先して商品展開を行ってきた。そのため、2015年夏モデルのガラケーは通常タイプとシニア層向けの2モデルだけという状況になっていた。

また、先日、今よりおおよそ10年ほど前に発売されたソフトバンク向けのシャープ製ガラケーで不具合が発覚したという、発表もされた。不具合の内容は、2016年以降に日時の正しい表示ができないというものだ。

10年ほど前のモデルとはいえ、ガラケーは、故障や破損がなければ、意外に長く利用している人も多い。
・本体が壊れていない
・電波が止まっていない
多くはないだろうが、少なからずユーザーが居る可能性があるのだ。

それら同じモデルを使っているガラケーユーザーにとって、今後の選択肢が少なすぎるのは大変な問題となる。
ソフトバンクの機種変更に適したガラケーが見つからなければ、最悪、ガラケーユーザーが他社のガラケーに転出(MNP)するかもしれない。さらに当人だけなく、家族もMNP流出もしかねないのだ。

これは、ソフトバンクにとっては、スマホに気を取られて、ガラケーで足下をすくわれることになりかねない大きな問題となってきたのだ。

この問題を解決し、ユーザーの流出を食い止めるためには、秋冬モデルとして3モデルを用意する必要があったと思われる。

つまり、今回発表されたガラホは、ユーザー流出を阻止するダムの役目なのだ。

●ガラケーよりも高い売上が見込める「ガラホ
今回、ソフトバンクから発表された3モデルは、すべてAndroidベースのガラホだ。
ガラケーのように利用できるほか、パソコンサイトの閲覧できるブラウザや、「LINE」も利用できる。

しかし、ガラホにはガラケーには無い特徴が存在する。
それはSNSもブラウザも、データ通信量が多くなるということだ。

今まで通話やメールをメインで利用していたユーザーであっても、確実にデータ通信量が増えるので売上増が見込めるからだ。また、「ガラホ」に慣れてもらうことで、「スマホ」に移行するユーザー増も視野にいれていることだろう。

今回発表された3モデルの「ガラホ」は、売上の向上が見込めるようだ。

ソフトバンクが発表した「ガラホ」は、ソフトバンクらしい、さまざまな戦略が練られているのだろう。

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布施 繁樹