今、「変化の中で生きる」ための名著3選――NHK「100分de名著」シリーズ【NHK100分de名著キャンペーン】
不確実な時代を見通す知恵に出会う
一度は読んでみたいと思いながらも、なかなか手の出なかった“名著”。NHK「100分de名著」は、そんな古今東西の“名著”を、25分×4回の100分でやさしく読み解く人気の番組です。
この番組テキストをはじめ、スペシャル版のブックス&別冊を含む「100分de名著」シリーズは、累計発行部数1000万部を超えました。
今回は、数多くの名著に触れてきたNHK「100分de名著」編集部に、「変化の中で生きるために必読の名著」を聞きました。
「変化の中で生きる」ために、おすすめの3冊
変化の激しい時代を生きる私たちは、ともすると不安や迷いに振り回されてしまいます。しかし、歴史を振り返れば、人々はいつの時代も大きな変化と向き合いながら生きてきました。自分が生きる土台をどうつくるか、変化に柔軟に対応できるか、激動の時代をどう生き抜くか。変わり続ける世界の中で、自分の軸を持って生きるヒントを与えてくれる3冊を紹介します。
池上彰 特別授業 『君たちはどう生きるか』
『池上彰 特別授業 君たちはどう生きるか』(池上彰 別冊NHK100分de名著 読書の学校)
自分で自分の生き方を決めるために――人生の宝物になる一冊
──私がこの本と出合ったのは、小学生のとき。珍しく父が私に買ってきた本でした。当初は「親に読めと言われた本なんて」と反発していましたが、読んでみると面白く、気がつくと夢中になっていました。
ひと言で言うなら、これは子どもたちに向けた哲学書であり、道徳の書。人として本当に大切なことは何か、自分はどう生きればいいのか。楽しく読み進めながら自然と自分で考えられるよう、いくつもの仕掛けが秀逸にちりばめられています。
(「はじめに」より)
『老子×孫子 「水」のように生きる』(蜂屋邦夫、湯浅邦弘 別冊NHK100分de名著)
柔軟に変化する「水」を理想とする、“老孫”思想
──老子は無為自然を説く道家思想の祖。孫子は人為の極致である戦争について思索を深めた人物。両者の思想傾向はあまりに違い、むしろ対極にあるといっても過言ではありません。これまで、道家思想の中で老子を取り上げ、また、兵学の中で孫子を説く、という書はたくさんあったものの、両者を一つにまとめてみようという試みはありませんでした。
ただ、老子と孫子には不思議な共通点があります。その最たるものは、「水」への注目でしょう。老子は、理想世界である道のあり方として、水を賞賛します。水は、形がなく、どんな姿にでも変化し、人がいやがるところにも平気でおもむく。それでいて、万物を潤し成長させる。そんな水の姿に、老子は世界の理想像を見たのです。
一方、孫子も、軍隊の理想の姿を水によって表現します。敵に、こちらの実情をさらすのは最も危険です。姿を隠し、柔軟に変化していく。それでいて、一旦挙兵した後は巨大なエネルギーを発する。そのような軍隊の理想形が水に似ているというのです。
(「はじめに」より)
『集中講義 太平記 「歴史の方程式」を学べ』(安田 登 別冊NHK100分de名著)
鎌倉から室町へ。「あわいの時代」を生きた傑物たちの生きざま
──「あわい」に似ている言葉に「間(あいだ)」がありますが、この二つはすこし違います。「あいだ」の語源は「空き処(ど)」で、AとBに挟まれた空間を言うのに対して、「あわい」は「合う」を語源とし、両者の重なる空間を言います。
「魚(うお)の目に水見えず」と言いますが、「あわい」の渦中にいる人には、いま何が起きているのか、はっきりとは見えません。時代が大きく変わろうとする渦中にあって、足元で起きている抜本的な変化に気づくことは難しい。しかし、何かが変化していることには気づいている。だからこそ、私たちは漠とした不安に苛まれ、もがいているのではないでしょうか。
(「はじめに」より)
今回ご紹介した「名著」読み解きのための「別冊NHK100分de名著」の情報は、全国の書店、またNHK出版のホームページでもご覧いただけます。

