娘が生まれてからずっと短くしていた爪 56歳・浅香唯が「自分の時間が戻ってきた」と感じた瞬間
今年で芸能生活41年目
32年ぶりとなる写真集『浅香唯 40周年Next キセキ 軌跡×奇跡』(徳間書店)を発売する歌手で俳優の浅香唯(56)。今年で芸能生活41年目を迎えたが、精力的に活動している。年齢を重ねた今だからこそ感じる仕事との向き合い方や日々の暮らし、80年代をともに駆け抜けた仲間たちへの思いを語る。(全2回の第2回)【福嶋剛/ライター】
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【写真】「奇跡の56歳」写真集カット…妖艶な限界ショット。ミニ丈姿でスラリ美脚も
写真集のタイトルは『キセキ 軌跡×奇跡』。同じ「キセキ」という言葉を三つ並べました。私の人生って、本当にたくさんの“奇跡”の積み重ねなんです。
大きな出会いもあれば、あとになって振り返ると「あれも奇跡だったんだな」と思えるような、小さな出来事もたくさんありました。そんな一つひとつが積み重なって、今の私の“軌跡”になっている。そんな思いを、このタイトルに込めています。

ありがたいことに、「奇跡の56歳」なんて書いていただくこともあるんですけど、それはみなさんにお任せします(笑)。でも私は特別な人間じゃなくて、本当にたくさんの人との出会いや支えがあって、ここまで歩いてこられただけなんです。
写真集の撮影は故郷・宮崎のほか、都内のスタジオでも行いました。大人っぽいカットや歌手としてのイメージショット、そしてファンのみなさんには懐かしいセーラー服姿まで、本当にいろいろな私を撮っていただきました。
その中でも、私がどうしても写真集に入れてほしいとお願いした一枚があります。手で顔を隠しながらカメラをのぞき込むようなカットなんですが、撮影している時に「あ、この表情、子どもの頃によくしていた顔だ」って気づいたんです。
親や友達に甘える時の、あの頃の自分が今もちゃんと残っていたんだなって。そんな発見があって、とても印象に残っています。
完成した写真集を見て、改めて思ったのは、写真集って若い頃だけのものじゃないんだということでした。年齢を重ねたからこその表情や、その人が歩んできた時間まで写るものなんだなって。
私と同じ世代のみなさんも、若い頃は勢いだけで前へ進めたけれど、人生の折り返しを過ぎると、「この先どうなるんだろう」と不安になったり、新しいことに挑戦するのをためらったりすることもあると思うんです。
でも私は、まだまだ人生には楽しいことも、思いがけない“キセキ”も待っていると信じています。この写真集が、そんなふうに一歩踏み出す元気を届けられる一冊になったら、本当にうれしいですね。
85年組の同期のみんなも、デビュー40周年を迎えて久しぶりにステージへ立ったり、子育てが一段落して活動を再開されたり、本当に元気な姿を見せてくださっています。その姿を見るたびに、「私も頑張ろう」って勇気をもらうんです。
親子というより友達
当時は賞レースで競い合うライバルのように見られていましたけど、実際はみんな右も左も分からない新人同士。「頑張ろうね」って励まし合いながら一緒に歩いてきた仲間なんですよね。
途中でなかなか会えなくなった方もいますけど、こうしてまた再会できるのは本当にうれしいですし、きっとファンのみなさんも同じように喜んでくださっているんじゃないかなと思います。
先日は「スケバン刑事III」の記念イベントで、(大西)結花、(中村)由真と3人でステージに立ちました。放送から40年近く経った今でも、本当の姉妹みたいな関係でいられるのは、この作品があったからこそ。イベントでもお話ししましたが、3人の絆は私にとって一生の宝物です。
プライベートでは、娘がもうすぐ19歳になります。気づけば精神年齢はすっかり娘のほうが上で(笑)。「今はママの時代とは違うから、『女の子らしい』『男の子らしい』っていう言い方はあまりしないんだよ」なんて教えられることもあって、「そうなんだ」って私のほうが勉強させてもらっています。
休みの日は、主人が仕事で行けない時は、娘と二人で買い物に出かけます。カフェでお茶を飲みながら美容やファッションの話をしたり、親子というより友達みたいな時間を楽しんだりしています。
最近はネイルもまた楽しめるようになりました。娘が生まれてからはずっと爪を短くしていたので、そんな小さなことでも「少し自分の時間が戻ってきたんだな」ってうれしくなります。
娘の同じ年齢のころ、私は「セシル」を歌っていました。
「セシル」は、当時お姉さんのように慕っていた作詞家の麻生圭子さんが書いてくださった曲です。あの頃、アイドルだった私は恋愛も自由にできなくて、そのもどかしい気持ちを麻生さんに聞いていただいて生まれた歌でした。
当時は、サビの「人は大人になるたび弱くなるよね」という歌詞の意味が、正直よく分からなかったんです。でも年齢を重ねるたびに、その言葉が少しずつ心に沁みるようになりました。
弱くなるというより、人の痛みや優しさを知っていくことなのかなって。だから「セシル」は、私にとって今も一緒に成長し続けているもう一人の私なのかもしれません。
自分が母親になった今だからこそ、あの頃の母の気持ちも少し分かるようになりました。芸能界入りを最後まで心配しながら、それでも宮崎からずっと見守り続けてくれた母。その愛情があったからこそ、今の私があるんだと思っています。
時代は大きく変わりました。でも、人を思う気持ちや、大切な人を信じて見守る愛情は、きっといつの時代も変わらないものなんですよね。麻生さんが歌に込めてくださった思いも、母から教えてもらった愛情も、これからも歌を通して届けていきたいです。
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第1回【「露出」「セクシー」…昭和のグラビア観を超えて 56歳・浅香唯が32年ぶり写真集で見せた素顔】では、自身の写真集について語っている。
浅香唯(あさか・ゆい)
1969年、宮崎生まれ。1984年、中学3年の夏休みに応募した「ザ・スカウトオーディション'84」で1万6000人の中から浅香唯賞を受賞。翌85年に歌手デビュー。キャッチフレーズは“フェニックスから来た少女”。86年、TVドラマ「スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇」(フジテレビ系)で主役の3代目麻宮サキ(風間唯)役を演じ、人気を博す。歌手としても「C−Girl」や「セシル」などヒット曲を連発し、80年代を代表するアイドルとして活躍。私生活では2002年にドラマーの西川貴博氏と結婚。一女をもうける。2025年、歌手生活40周年を記念したベスト盤「40th Anniversary BOX」をリリース。26年7月に写真集『浅香唯 40周年Next キセキ 軌跡×奇跡』(徳間書店、カメラマン・野口貴司、プロデュースKaori Oguri)を発売、8月2日に発売記念イベントを開催する。
福嶋 剛
ライター。1971年生まれ。TV局映像編集、ロケーションコーディネーター、音楽サイトの編集長、ニュースサイトの記者などを経験。ベテランアーティストや元アイドルのインタビューをはじめ、イベントの進行役などエンタメを中心に活動中。
デイリー新潮編集部
