皇室典範改正案、特別委採決で野党3党足並みそろわず…立民が養子制度問題視し反対
皇室典範改正案を巡る参院特別委員会での採決では、参院野党第1党の立憲民主党が現行の皇室典範が禁じる養子の制度化を問題視して反対する一方、公明党は従来の立場を維持して賛成を貫いた。
両党出身の衆院議員で結成した中道改革連合は、苦渋の末に賛成しており、合流を目指す3党は対応が割れた。(服部菜摘、中田隆徳)
「旧11宮家から養子を受け入れ、その子孫が皇位継承資格を有することは合意されていない」
立民の長浜博行参院議員は16日の参院皇室典範改正特別委員会でこう言い切り、改正案の柱の一つである養子制度の創設や養子の男系子孫への皇位継承資格の付与を強く批判した。
立民は2024年5月に始まった与野党協議で養子の制度化に一貫して懸念を示してきた。改正案が結婚後も皇室に残る女性皇族の夫と子を一般人のままと位置づける点についても、「家族の一体性を損なう」として異論を唱えている。
衆参両院の正副議長が与野党協議を踏まえて「立法府の総意」をまとめ、それを根拠に改正案が作成されたにもかかわらず、立民が改正案を否定する修正案の提出に踏み切ったのは、政府への強烈な不信感ゆえだ。長浜氏は「皇室への尊崇の念が感じられない」といら立ちをあらわにした。
一方、公明は与党時代から女性皇族の結婚後の身分保持と養子の制度化に賛同していた。歩調を合わせるため中道改革の対応を注視しつつ、「これまでの経緯がある」(幹部)として賛成する姿勢を変えなかった。
これに対し、中道改革は判断が揺れ動いた。「立法府の総意」には賛同したが、養子の子孫に皇位継承資格を認める規定については、「総意から逸脱する」との立場を取った。立民が8日に改正案への反対を決め、反対するハードルが下がったこともあり、党執行部には迷いが生じた。
最終的に10日の衆院での採決で賛成したものの、小川代表は「(皇室問題で)党派的対立を避けたい。苦渋の賛成だ」と述べた。衆院本会議での採決前には4人が退席し、党方針への異論が浮き彫りになった。
象徴天皇制の根幹に関わる問題で対応が割れたことに対し、合流を重視する中道改革、公明両党は「大きな影響はない」(公明の竹谷代表)との姿勢を示すが、立民側には「決して軽くない話だ」(水岡代表)と影響を指摘する見方も出ている。
