「白血球が10000超える」時は”体がどんな状態”かご存じですか?医師が原因も解説!

白血球数が10000を超えたとき、体はどんな状態なのでしょうか。メディカルドック監修医が白血球数が高くなる主な原因について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「白血球が10000超え」は何のサイン?3つの原因と受診の目安を医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
上田 莉子(医師)

関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

白血球とは?

健康診断や定期採血で、「白血球が多い」と指摘された経験はありませんか。
そもそも白血球とは何で、どうなると白血球の数が増えるのでしょうか。また、どの程度までの白血球の値の上昇が危険で、どの程度までであれば様子見が可能なのでしょうか。
白血球の基準値は、3,300~8,900 /μLです。

血液中の白血球の役割と働き

白血球は、身体の免疫システムの主体となる細胞で、ウイルスや細菌などの外敵や、腫瘍細胞などと戦い身体を守るための主な戦力です。例えば、細菌感染が起こると、白血球が感染の起こっている箇所まで血流に乗って集まり、細菌を食べるように白血球の中に取り込みます。また、細菌の持っている目印を記憶する白血球や、細菌を攻撃する「抗体」という武器を作って血中にばらまく白血球も存在しています。

白血球数10000超えの時、体はどんな状態?

白血球が増える主なパターンには、

身体を守るために白血球が増えている場合:細菌などが侵入し、それに対抗するために白血球が動員されています。白血球が多いこと自体での症状はないことがほとんどです。

血液のがんで白血球が増えている場合:骨髄などで異常な白血球が無制限につくられています。夜間の寝汗や、意図しない体重減少などの症状が出る可能性があります。

白血球数が高くなる主な原因とは?

風邪や細菌・ウイルス感染症

呼吸器感染症、胃腸炎などの風邪では、白血球が身体を守るために増殖します。こうした感染症の場合、感染症が改善すれば白血球増加は数週間で元の状態に戻ることが多いです。一方で、肺炎に至ってしまったり、身体のどこかで細菌のたまり(膿)が出来てしまったりした場合は、白血球増加が長引くことがあります。

ストレスや喫煙などの生活習慣

ストレスが大きい時や、喫煙をしている場合にも、白血球数が高くなることがあります。この場合は、詳しい白血球の種類を検査して異常ながん細胞の有無を確認し、異常がなければ経過観察となる場合も多いです。禁煙を継続した後、白血球数が低下するのを確認して診断をつけます。

薬の副作用やアレルギー反応

薬の副作用やアレルギー反応でも、白血球が上がることがあります。薬は、ステロイドの含まれる薬剤で、白血球増加がよくみられます。また、アレルギーでは好酸球という種類の白血球が上昇しやすいです。この場合も、白血球をその種類までみることで原因を推定することができます。

「白血球数が10000超え」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「白血球数が10000超え」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

白血球が多すぎると、自覚症状としてどんなことが起こりますか?

上田 莉子(医師)

白血球数が増えているだけで起こる症状はありません。しかし、感染症などから身体を守るために増えている場合は、発熱や咽頭痛、腹痛などの症状が現れる場合があります。血液のがんで増えている場合(白血病)は、寝汗や体重減少、感染症にかかりやすくなるなどの症状が生じることが多いです。膠原病でも皮疹や喘息などの様々な症状が出現します。疑わしい場合、なるべく早く病院を受診してください。

白血球数はいくつから異常値と言えますか?

上田 莉子(医師)

10,000 /μL程度を超えたり、3000 /μLを下回ったりした場合、さらに白血球の種類を精査したりするなど注意して診ることが多いです。

血液検査で白血球が1万近い数値でした。血液内科を受診すべきでしょうか?

上田 莉子(医師)

まずは一般内科を受診して、随伴する症状があれば診察してもらったうえで、必要に応じて白血球の種類(白血球分画)を検査してもらいましょう。その結果次第で、血液内科の受診を考慮するのでよいと考えます。

まとめ 健康診断で「白血球数が10000超え」と言われたら随伴する症状に注目!

白血球数が増えている場合、随伴する症状に注意が必要です。病院では、感染症らしさや白血病らしさを問診や身体診察で確認した後、血液検査や画像検査を追加して診断を進めていきます。白血球が多いと言われたら、まずは内科を受診し、重大な病気が隠れていないかを精査してもらいましょう。

「白血球数が10000超え」に関連する病気

「白血球数が10000超え」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

お腹の炎症に関連する疾患

憩室炎

虫垂炎腹膜炎

膵炎

呼吸器・泌尿器系の病気

感染症に関連する疾患

気管支炎肺炎

肺膿瘍

膀胱炎腎盂腎炎

血液・膠原病系の病気

全身性の疾患

白血病

白血球増多症

成人Still病

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

リウマチ性多発筋痛症

随伴する症状に特徴的なものがあれば、血液疾患や膠原病系が否定できません。特に、寝汗や皮疹、関節痛など疑わしい症状がある場合は早めに病院を受診してください。

「白血球数」に関連する症状

「白血球数」に関連する症状は10個ほどあります。各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

白血球数増加に伴うサイン

喉の痛み

耳の痛み

腹痛

下痢

発疹

寝汗

関節痛

悪寒発熱

参考文献

臨床検査のガイドラインJSLM2024.

国立がん研究センター中央病院 臨床検査基準値一覧.

国立がん研究センター.がん情報サービス.白血病