工事現場にアート施し“まちを明るく”「障害者の感性とまちの風景」地元企業が福祉事業所とコラボ《長崎》
“働く” をテーマに、障害がある人と地域をつなげる福祉事業所です。
アイデアが、長崎のまちを明るくします。
長崎市桜町。
工事現場と道を隔てる “仮囲い” に、鮮やかなイラストが施されています。
クルーズ船が入る長崎港。
路面電車が走るまち。
おくんちがモチーフのイラストもあります。
(西海建設 建築営業部 寺澤 大祐部長)
「こちらが今回 1番大きな絵を展示している。長崎港の絵」
展示を行っているのは、工事の発注を受けている 西海建設です。
圧迫感や無機質さがあるといわれる工事現場の仮囲いに、原画サイズの作品を “フレーム付き” で一緒に飾ることで、まさに「アートギャラリー」に…。
まちを彩っています。
この展示に込められた思いが…。
(西海建設 建築営業部 寺澤 大祐部長)
「隣にアーティストの紹介があって、彼らのことを少しでも知ってもらう機会になればいいなと思って、このような取り組みをしている」
作品が生み出されているのが、佐世保市大黒町の就労継続支援B型事業所「ミナトマチファクトリー」。
ここでは障害のある約40人の利用者が、それぞれの体調や希望に合わせたポジションで作業にあたっています。
(イシアル 石丸徹郎 代表)
「福祉施設が、いかに社会と “働く” というテーマでつながることができるのかを模索していくうちに、いくつか法人が連携して『ISILグループ』を作り上げた」
施設を運営する、ISIALグループ代表の石丸徹郎さん。
障害のある人が働くことをテーマに、夢を持ってやりたいことに挑戦できる環境を作りたいと、2011年に事業所を立ち上げました。
1階のアトリエで作業を行うのは、デザイン部隊。
ボールペンで細かく色を付けたり、タブレットを使って作品を作ったり。
描かれたイラストはすぐにデジタル化され、同じフロアにある印刷機へ。
布への印刷を5年以上担当しているのは、河谷 啓輔さん。
置き方が数ミリずれると、ミスプリントが発生してしまう繊細な作業ですが…
(河谷 啓輔さん)
「ここはオアシス。普通にやっていてもデザインが違うので楽しい」
最近は、後輩への指導も行っているそうです。
2階では、プリントされた布を縫って製品が作られ、包装や在庫管理も、利用者と職員がチームで担います。
(イシアル 石丸徹郎 代表)
「我々は、彼らの感性とまちの風景を混ぜ合わせて、それを手仕事に変えることで、お土産や製品を生み出している。
このモデルを企業に協力いただきながら、どんどん知ってもらって、ほかの地域の人たちが “長崎のこのモデルいいね” とマネしてくれるのが一番いい」
仮囲いにアートを展示する西海建設。
ポストカードやコースターなど、取引先に渡す販促物のデザインも、ISIALグループに依頼しているそうです。
(西海建設 建築営業部 寺澤 大祐部長)
「これ自体をそのまま飾ろうという人もいた。職員に1枚ずつ配って使っているという話も聞いたので、こういうことをきっかけに、彼らのことを知っていただく機会になっているんじゃないかと思ってうれしくなった」
賛同する企業が増えることによって、福祉の輪は広がりをみせています。
福祉施設と地元企業がつながり、障害がある人と社会をつなぐ。
温かなアイデアが、長崎のまちを明るくします。
スタジオには、VTRの中で作られていた雑貨、ポーチなどを用意しました。
布の印刷が得意な河谷さんが印刷していたものと同じです。
“なんしとらすと?” という長崎弁が入っています。
このシリーズは7月1日から、市内の土産物店やオンラインで販売されるということです。
