大ヒット映画「マイケル」…“実の甥の熱演”や“圧巻のダンスシーン”だけじゃない“助演キャスト”が素晴らしすぎる件
記録的な大ヒットに
6月19日〜21日の国内映画ランキング(興行通信社調べ)が発表された。最大の話題はやはり2009年6月に50歳で亡くなった世界的スーパースター、マイケル・ジャクソンの半生を描いた映画「Michael/マイケル」だろう。週末3日間で動員48万6000人、興収7億9950万円をあげ、2週連続で1位を獲得。累計成績は動員168万人、興収27億円を突破した。
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6月15日(日本時間)の時点で、北米では460万ドル(約7億3600万円)を上積みし、世界累計興収で英のロックバンド・クイーンのリードシンガーであるフレディ・マーキュリーの自伝的映画「ボヘミアン・ラプソディ」(18年)の9億1100万ドル(約1457億6000万円)を超える、9億3000万ドル(約1488億円)を記録。伝記映画史上最高の興行収入記録を更新している。

米のエンタメ誌「Variety」によれば、製作を手がけたライオンズゲート・フィルムズの映画部門の責任者が続編の製作が進行中であることを明言しているという。
「マイケルの命日である6月25日からは、全国200館で応援上映がスタートし、翌26日からは洋画史上初となる副音声付きの上映開催も決定しました。まだまだ興収は伸びそうで、今年公開された洋画興収ナンバー1の『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』の興収76.4億円にどこまで迫るか。『ボヘミアン・ラプソディ』は日本国内では興収135.1億円を記録しましたが、その数字を超えられるかも注目です」(映画業界関係者)
公開前から、マイケルを演じた、マイケルの兄の息子でマイケルのおいにあたるジャファー・ジャクソン(29)や、幼少期のマイケルを演じたジュリアーノ・ヴァルディ(12)の好演ぶりは数多くのメディアで絶賛されている。
そこで本稿では、マイケルの人生に深く関わった人物たちとそのキャストに注目したい。
マイケルと関わりを持った人物たち
まず、息子であるマイケルら兄弟たちをプロデュースし、歌手としてスターに育てあげた父、ジョセフ・ジャクソンを演じたのはコールマン・ドミンゴ(56)。
ドミンゴは「ラスティン:ワシントンの『あの日』を作った男」(23年=米国での公開年、以下同)で「第96回アカデミー賞」の、「シンシン/SING SING」(24年)で「第97回アカデミー賞」の、いずれも主演男優賞にノミネートされた、米を代表する名優の1人だ。
「アフロヘアや、トレードマークの口ひげといったビジュアルの再現にとどまらず、重厚なオーラをかもし出しています。兄弟たちが父親から体罰を受けていたことは有名でしたが、幼少期のマイケルを自分が締めていたベルトで殴打するシーンはかなりのリアリティーがありました。また、兄弟たちのワールドツアー開催をめぐり、ボクシングなどで有名なプロモーター、ドン・キングと密談するシーンがありましたが、『たぶん、こんな悪そうな顔でいろいろ企んでいたんだろうな』とイメージがわきました。マイケルが遺産を一切父に渡さなかったのも納得です」(映画担当記者)
そして、ソロ活動を行っていたマイケルが父への“決別”を告げるバックアップをした大物弁護士、ジョン・ブランカ(75)を演じたのが、マイルズ・テラー(39)。ジャズドラマーの主人公を演じた映画「セッション」(14年)で、数々の映画賞にノミネートされた。トム・クルーズ(63)主演の「トップガン マーヴェリック」(22年)では、前作「トップガン」(86年)でアンソニー・エドワーズ(63)が演じたグースの息子である、ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショー大尉を演じている。
「側近のアドバイスで優秀な弁護士を雇うべく、大手事務所を訪れたマイケルでしたが、ブランカがローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズら、大物アーティストたちの代理人を務めていたことをマイケルが知っていたことからブランカを指名。マイケルが父と“決別”するサポートをし、マイケルがソロアーティストとしてステップアップするための手厚いサポートをします。演じたマイルズは、泥酔してとんでもない事態に巻き込まれるコメディ作品『ハングオーバー』シリーズなど、幅広い役をこなしていますが、今作はブランカにしか見えませんでした」(音楽業界関係者)
事務方としてマイケルの成功を支えたのがブランカなら、音楽面でマイケルをサポートしたのが、大ヒットしたアルバム「スリラー」(82年)などのプロデューサーを務めた音楽プロデューサー、クインシー・ジョーンズ。演じたのはケンドリック・サンプソン(38)だ。
サンプソンは米で人気のドラマ「ヴァンパイア・ダイアリーズ」シリーズ、「インセキュア」シリーズ、ラブロマンス映画「ティファニーの贈り物」(22年)などに出演している。
「“今までにない楽曲”を世に送り出したかったマイケルが、その思いを実現できたのは、ジョーンズの洗練されたクリエイティビティのおかけです。マイケルとのレコーディングのシーンが多かったのですが、その才能を体現するような独特のファッションセンスで、当時のレコーディング風景がよみがえってくるような映像でした。よくもまあ、ここまで適役な俳優陣をそろえたものです」(同前)
そして、もう“1人”と言ってもいい存在なのが長年、マイケルの唯一無二の親友として寄り添ったチンパンジーのバブルスだ。09年6月にマイケルは死去。その後、どうなったのかが気になるところだったが、24年に米のメディアが報じたところによると、動物保護施設で元気に暮らしており、マイケルの遺産管理団体は、バブルスのために年間約2万7000ドル(約430万円)にのぼる費用を拠出しているという。
「『ジャクソン5』として幼少期にスターになったマイケルですが、もともと自宅でペットとして飼っていたキリンやヘビにしか心を開かず、母から『たまには友達と遊んだら』と言われるほどでした。しかし、アルバム『スリラー』が大ヒットしてソロとしてスターになった後の83年、バブルスを飼い始めるのです。もう大人になった兄たちは、昔のように遊んでくれなくなり、バブルスと一緒にツイスターゲームをして遊ぶシーンは、マイケルの深い孤独を描写していました。それからマイケルが亡くなるまで寄り添い、おそらく家族の誰よりも長い時間を過ごしたのでは。遺産管理団体からいまだに好待遇を受けているのも納得です」(先の映画担当記者)
鎮痛剤への依存
今作は88年7月に行われた、マイケル初のソロワールドツアー「バッド・ワールド・ツアー」の英・ウェンブリー・スタジアム公演での「バッド」の圧巻のパフォーマンスで終了している。マイケル演じるジャファーのパフォーマンスに目が行きがちだが、緻密な描写で、マイケルや周囲の人物像を描ききったのもヒットの要因だという。
「例えば、伝説の作品となった『スリラー』のMV撮影の際、カメラはマイケルたちに寄せて撮っていましたが、マイケルは撮影の合間に引きで撮ることを要求。その理由は、自身とバックダンサーたちのステップがよく見えるからです。それを踏まえて見ると、納得できます。また、84年1月、『ペプシコーラ』のCM撮影中、事故が発生し頭部に火傷を負い入院。以後、鎮痛剤・デメロールへの依存度が高くなり過ぎてしまいましたが、それもしっかり描かれています。死後に未発表曲の存在が明らかになりましたが、その1曲『Morphine』の歌詞には『デメロール』が入っていました」(同前)
これから観る方には予備知識として、既に観た人にはトリビアとして、お役に立っただろうか?
デイリー新潮編集部
