スパイダーマン役トム・ホランド、AIは「データ分析できても人間の感情は理解できない」 ─ 「幸せと悲しみの違いもわからない」
AIは俳優やアーティストの仕事をどこまで代替しうるのか。映画界でも議論が続くこの問いについて、マーベル『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランドが自身の見解を語った。ホランドによれば、AIはデータを処理することはできても、人間の感情や創作の本質を理解することはできないという。
スペインのテレビ番組「」にゼンデイヤとともに出演したホランドは、司会者から「俳優の仕事において、AIには絶対にできないことはあるのか」と問われると、「あると思います」と回答。続けて、創作の核にあるのは人間の経験だと語った。
「AIから創造性は守られていると思います。なぜなら、創造性とは人間の経験、感情、他者とのつながりに関わるものだからです」とホランド。「AIは多くのデータを分析して、シンプルな質問にシンプルな答えを出すことはできます。でも、そうした感情や動機は理解できない。幸せであることと、悲しんでいることの違いも理解できないんです」。
さらにホランドは、アーティストの価値は単なる技術や模倣ではなく、そこに何を込めるかにあると強調した。「アーティストの絵の描き方というのは、技術のことでも、何をコピーするかでもありません。何を表現するかなんです。AIはそれ自体では何も表現しません。だから僕は、僕たちは守られていると感じます。AIには魂がありません」。
映画界では近年、AIをめぐる議論が活発化している。AIを制作の補助ツールとして前向きに捉える声がある一方、脚本、演技、肖像、声、映像生成といった創作の中核にAIが入り込むことへの警戒も根強い。
スティーブン・スピルバーグは以前、AIをロケーション探しなど実務的な用途に使うことには理解を示しつつ、「創造的なことにおける最終判断」として使うべきではないと。は、AIを企画開発や準備段階で役立つ道具として見ながらも、最終的に映画を「自分の映画」として作るのは人間だという立場を示している。
ホランドの発言もまた、AIそのものの能力を否定するというより、人間の表現における“置き換え不可能な部分”を指摘するものだ。データの分析や模倣では届かない、経験、感情、動機、そして魂。俳優が演じるという行為の中心には、なお人間にしか持ち得ないものがあるという考え方だ。
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