ゼレンスキー氏「北朝鮮の支援なく持ちこたえられない」…プーチン氏の自尊心刺激する公開書簡
ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領に公開書簡を送り終戦談判を提案したのは戦争長期化に疲労を感じるロシアのエリート層を狙った内部分裂戦略という分析が出てきた。
フランス紙ルモンドによると、この公開書簡構想は先月末にゼレンスキー大統領が具体化し始めた。
ゼレンスキー大統領の側近は、彼が書簡に盛り込む表現を細かく選び、プーチン大統領の自尊心を刺激し不快にさせるリスクを甘受しながらも圧力を加えるメッセージを悩んだと話した。
ウクライナの軍事的能力を誇示しロシアの軍事的、経済的、道徳的限界を印象づけるために作成されたこの書簡は、プーチン大統領がサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の演説に出る直前である4日に発送された。
ウクライナ大統領府の高位関係者は「ゼレンスキー大統領が書簡を作成しているという事実を知る人はほとんどいなかった」と話した。緊密に協力している欧州の同盟国さえこの書簡については知らなかったという。
書簡を受け取ったプーチン大統領は「手紙に無礼な内容が含まれている」としてロシアの目標を満たす最終合意が出てくるまでは両首脳間の会談は「何の意味もない」と線を引いた。
ルモンド紙はウクライナもこうした反応を予想していたと分析した。ゼレンスキー大統領はプーチン大統領が書簡を契機に停戦に出たり自身が提案した「正しく尊厳ある平和」にすぐ同意すると期待していなかったということだ。
大統領府関係者は「この書簡は同時にロシアのエリート層と国際パートナーに向けたメッセージでもある。彼らが現状を直視し戦争終息に向け圧力をかけなければならない点を伝えようとする意図」と説明した。
ゼレンスキー大統領は書簡で、4年にわたり勝利を収められずにいるロシアの弱点を正面から狙った。書簡が発送される数時間前にウクライナ軍はサンクトペテルブルクに向けドローン攻撃を敢行し長距離打撃能力を誇示したりもした。
彼はまた、ロシアが「北朝鮮の助けがなくては持ちこたえられなかっただろう」と主張し、ロシアを同盟国、特に中国に依存する衰退する強大国と描写した。
ゼレンスキー大統領はロシア社会全般に広がっている戦争への疲労感も刺激しようとした。情報機関の資料を根拠に、プーチン大統領が「2027〜2028年まで戦争を持続する計画」と主張する一方、ロシア軍の莫大な人命被害も強調した。
ロシアの独立メディア、ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパのキリル・マルティノフ編集長は「ゼレンスキーの手紙がエリート層と軍首脳部内部に少なくない動揺を起こすかもしれない」と評価した。
ロシアの政治学者でジャーナリストのファリダ・ルスタモワ氏も「社会的・政治的疲労感が大きくなるタイミングで出てきた適切なメッセージ」と分析した。
ウクライナはプーチン大統領が終戦談判提案を断ると追加空爆に出た。ゼレンスキー大統領はこの日Xに「ロシアの統治者は戦い続けようとしている」として、前日夜にサンクトペテルブルク近郊の海軍基地と武器庫、クラスノダール地域の石油貯蔵所を攻撃したと明らかにした。
