家づくりで20年以上もつ「コスパ最強の外壁材」。初期コストが高くてもメンテナンスで逆転
住まいづくりで失敗しない外壁材・内壁材の選び方を紹介します。YouTubeチャンネル「職人社長の家づくり工務店」を運営する平松明展さんによると、材質によって耐久性やコストに大きな違いがあるそうです。また、窓やサッシを選びの注意点も伺いました。
※ この記事は『お金の不安が消える 住まいのコスト大全』(KADOKAWA)に掲載された内容を一部抜粋・再編集して作成しています

コストパフォーマンスに優れた外壁材は?

外壁自体にも耐久性能の差があります。耐久性能が低い外壁は劣化しやすく、見た目の印象も悪くなってしまいます。耐久性能の高いものは初期コストが高くなりますが、メンテナンスコストは抑えられます。
具体的な資材の特徴は、上図のとおりです。
投資効果が高いのは、金属系サイディングです。ガルバリウム鋼板の特性により、塗装がはがれても素材自体は長もちします。適正な施工とメンテナンスにより、20年以上は大きな補修もしないで維持できます。
デザインのこだわりで、塗り壁や焼杉を選ぶ人もいます。両者ともに初期コストは割高ですが、耐久性能に優れています。塗り壁は、塗り替えの際に色を変更できるのも魅力です。焼杉は、経年によって風合いが出るのが特徴です。
内壁材でもっともコストが低いのは

住環境を演出する1つが内壁材で、快適性に直結します。初期コストがもっとも低いのが、ビニールクロスです。
ただし、調湿性がないため、15年ほどで張り替えが必要になります。デザインが豊富なので、張り替え時に模様替えができるという利点もありますが、長期的に見るとコストは加算され続けます。
珪藻土(けいそうど)と漆喰(しっくい)の内壁材は、初期コストが一気に高くなりますが、どちらも調湿性があるため、修繕の頻度が少なく、部分補修での対応ですみます。とくに漆喰は耐久性能が高く、外壁材としても使用されます。
デザイン面でいうと、珪藻土はマットな仕上がりで、「ゆず肌」とも呼ばれます。
一方で漆喰は、ツルツルしており滑らかな仕上がりが特徴です。漆喰のほうがコストは割高ですが、大きな差はないので、デザイン面を重視して選ぶとよいでしょう。
断熱材を増やして逆効果になることも
温度と湿度は、密接に関わっています。断熱材を増やせば断熱効果を高められると思われがちですが、湿度調整ができていないと逆効果に。
結露が発生して断熱構造が劣化し、外壁にまで影響を及ぼしてしまうのです。適切な断熱構造が前提となりますが、断熱材の耐久性能や調湿性能も重要になります。
断熱材の種類はさまざまです。「セルローズファイバー」という断熱材は、新聞紙を原料としたもので調湿性に優れています。吹き込み施工という技術を用いるため、資材費だけでなく、施工費も割高になります。ただ、長期的に断熱性能が維持され、光熱費の削減効果を見込めます。
壁構造全体で耐久性能を高めることが、省エネ性能との相乗効果を生み、その結果、光熱費を抑えられるわけです。
●断熱構造の適切・不適切
・不適切

冬は室内の水蒸気が断熱材を透過して温度が下がり、耐力面材の内側で結露が発生する。夏は外の水蒸気が流入して、ビニールクロスの内側で結露が発生する。断熱構造と資材が劣化する。
・適切

ビニールクロスを紙クロスに、プラスターボードや耐力面材を透湿性の高いものに変更すると、冬も夏も湿気が入っても抜け、結露リスクが軽減される。壁の構成を検討するには、結露対策が必須。
窓やサッシの性能も省エネにつながる

冬場、窓付近はとくに冷え込みます。窓が壁より熱貫流率(熱の伝わりやすさ)が高いのが理由です。側面によって窓が不要なのは、こうした性質があるからです。
サッシとガラスについて見てみましょう。アルミサッシは断熱性能が低く、現在はほとんど使用されません。アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシの順に、断熱性能もコストも高くなります。
温暖な地域ではアルミ樹脂複合サッシで十分な場合もあります。寒い地域は、性能を高めることで投資効果を得られます。ガラスは断熱性能に、防犯性能や防音性能も加味した判断が必要です。
断熱性能においては、サッシと同様に地域の気候に応じた種類を選ぶとよいでしょう。大きさや形が特殊なものは割高になるだけでなく、交換の際に同じ商品がなくて特注になる可能性もあります。
