65歳でひとり暮らしを始め、カナダに住みながらもたない暮らしの発信をしているブロガーの筆子さん。ものを減らす暮らしを始めて15年以上になり、たくさんのものを手放してきた反面、“10年以上手元にあるもの”も。「どれも特別高価なものではありませんが、暮らしにしっかりなじんで、気がつけば長いつき合いになっていました」と、筆子さん。「10年以上愛用しているもの」を3つ紹介してくれました。

懸賞で当たった「ショルダーバッグ」が20年以上の相棒に

私が外出に使っているバッグは、吉田カバンのポーターというブランドの、タンカーシリーズのショルダーバッグです。2003年頃からもう20年以上使っています。

【写真】500円だったのに一生ものになった帽子

このバッグのいちばんの魅力は「軽さ」です。重さは400gほどしかありません。それでいて、見た目以上にものが入ります。Kindleや水筒を入れても余裕があるので、買い物や通院など、外出にはいつもこれを持っていきます。

1つだけ手を加えたところがあります。それは、ストラップの長さ。

このバッグは男女兼用なので、ストラップが長めです。私は身長が低いのでいちばん短くしても、斜めがけするとバッグが腰より下にきて、歩くときにジャマに。そこで里帰りしたとき、裁縫好きの母にストラップを切ってもらいました。ちょっと短く切りすぎたような気もしますが、使い勝手はよくなりました。

ナイロン素材で汚れにくく、手入れもほとんど必要ありません。黒くてシンプルなデザインなので、どんな服にも合います。懸賞でたまたま手に入れたものですが、結果的に自分にぴったりのバッグでした。

15年選手の「電子辞書」はキーが不調でも手放せない

50歳のときにフランス語の勉強を始めました。そのとき購入したカシオのエクスワードを、15年たった今も毎日使っています。

フランス語の辞書はもちろん、英語や日本語の辞書も入っているので、重宝しています。毎日キーボードで文章を打っているせいか、最近、漢字を思い出せないことが増えました。手紙やスケジュール帳を書いているとき、漢字が思い出せなかったら必ずこの電子辞書で調べます。

ただ、15年も使っているせいか、さすがにガタがきています。「E」キーの反応が悪くなっていて、普通に押しただけでは反映されないことがあります。そんなときは、ゆっくり力を入れて押しています。

長年使って愛着があるし、多少反応が悪くても、使い慣れていて安心感があります。昨今、スマホにも仏和辞書が入っていますが、電子辞書だと学習に集中できるので、使う頻度は断然こちらが多いです。

飛行機に帽子を忘れて出合った「500円の一生もの」

私が真冬以外毎日かぶっている帽子は、2009年に500円で買ったものです。

買ったきっかけは、ちょっとした失敗でした。その年の夏、日本に帰省した際、成田に着いた飛行機の中にその帽子を置き忘れてしまったのです。そのまま名古屋行きの便に乗り換え、家に帰ってから気がつきました。

失くした帽子は1500円だったので、あっさりあきらめました。でも帽子がないと暑い。名古屋の金山で友人に会うついでに、オリンピアというお店で夏物セールの帽子を買いました。それがこの帽子です。

コットン100%で、丸洗いできます。つばがたっぷりあるので日除け効果は抜群。カナダは日差しが強いので、春から秋まで長い期間活躍します。

16年使っているので、多少の色あせはあります。でも、もともと薄いベージュなので目立ちませんし、くたっとした素材だから型崩れもしません。

この帽子にはリボンの飾りがついていて、片方の糸が切れたことがあります。実害はないのでそのまま放置していたら、こちらも、母が直してくれました。

長く使えるものに共通すること

改めて振り返ってみると、長く使い続けているものには、こんな共通点があります。

どれもデザインがシンプルで、色も地味です。黒いバッグ、ベージュの帽子、電子辞書も飾り気のない実用品。写真映えしません。

ですが、シンプルだから飽きがこないし、流行にも左右されない。

さらに、どれも機能的で、自分の生活で役立つ場面が確実にあります。バッグは外出に、電子辞書は毎日の学習に、帽子は散歩に使っています。使う場面がはっきりしているので、手放す理由がありません。

手入れが簡単なことも共通しています。バッグはナイロンで汚れにくく、帽子は丸洗いでき、電子辞書はとくに手入れの必要はありません。

バッグは懸賞でもらったもの、帽子は500円のセール品です。長く使えるかどうかは、値段では決まりません。自分の暮らしに合っているかどうかが鍵だと思います。