【京都小6男児不明】スニーカー発見!? 現場が焦燥する一方で…注目を集める「子供への不審者対策」
現場に残る“謎”
先月23日に、京都府南丹市の小学生・安達結希くん(11)が、通っている小学校付近から行方不明になって21日が過ぎようとしている。4月12日には結希くんの自宅と学校の間にある山中で、結希くんのものによく似た黒いスニーカーが発見された。警察では結希くんのものか確認を急いでいる。
だが、これまでは進展しない捜索とは対照的に過熱する一方の報道に対し、捜査幹部が報道各社に釘を刺す場面もあった。
「もう少し冷静に対処していただけるようお願いします」
この発言は、行方不明から2週間ほど経った頃のものだそうだ。行方不明直後から取材にあたっている在阪の記者は振り返る。
「当時はちょうど捜査員40人態勢が続いていた頃でした。当初の60人態勢から人数が減ったことに加えて結希くんの自宅付近の捜索を始めたことから、解決への糸口をつかんだのではないかと、急遽、応援を呼んだ社もありました。捜査幹部のコメントはこうした動きに対してのものでした。結局、解決への動きはなく、すぐに60人態勢に戻っています」
事態が動かないまま長期化のきざしが見えてきたことで、取材現場の雰囲気もかなり行き詰まっていたようだ。
「小学校付近で行方不明になった結希くんですが、ランリュックが発見された場所までの間、防犯カメラに姿が残っていないというのはやはり考えられないんです。発見場所までは大きな国道で、それなりに交通量もあるのですが、目撃証言もありません。しかし、こういった不可解な点があっても思うように取材ができない事情があるのです」(前出・在阪記者)
例えば、結希くんの自宅は山林の上の一画にあるが、そこに向かう道には「取材・撮影禁止」の看板が立てられているため、近づくこともできない。またそういった看板があることから、近隣の人たちも決してマスコミに協力的ではないのだという。
「あるメディアが自宅近辺で取材をしようとしたら、近所の人とトラブルになり、警察が出動する騒ぎになりました。この立て看板付近で待っていて、出てくる人に声をかけようにも車で走り去ってしまうので、それもできません。何より被害者側ですから、あまり強引な取材はできないんです」(同前)
同じ理由で、家族関係の取材にも限界があるようだ。
小学校の生徒にGPSの所持が
「もともと結希くんは母親と二人で生活していましたが、母親が職場で知り合ったいまの父親と結婚したのと同時期に、いまの自宅で母方の祖母といっしょに生活するようになりました。母方の祖母と結希くんは仲がよく、いっしょに散歩する姿がよく見られています。
結希くんの最後の姿を見たとされるのは、いまのところ結希くんの父親です。おとなしい感じの人だということですが、ただそれ以上を取材するとなると、やはり被害者側ですから気を使います。一部のメディアを除き、職場付近で聞き込みをしたり、『新しい父親』だと、ことさら大きく報道したりはしません。いまのところ事件との関係性はわからないわけですから」(同前)
事態が動かないなかで学校では新学期が始まっている。結希くんが通っていた南丹市立園部小学校の生徒には、GPS端末の所持が認められたのだという。身近で行方不明事件が起き、子供を持つ親としては誰も他人事ではすまされないのだろう。
警察庁が’25年6月に発表した統計によると、’24年における9歳以下の行方不明者は1035人に上る。
「この数字はあくまで警察が認知し、届け出を受理した件数に過ぎません。実際には、もっと多くの子供が、何らかのかたちで行方がわからなくなった可能性があります」
そう話すのは、防犯アドバイザーの松丸俊彦氏だ。全国で防犯講演を行っている松丸氏だが、「子供の連れ去り」をテーマにした依頼が急増しているという。松丸氏に、「子供の連れ去り」にどう備えればいいかを聞いた。
「まずお願いしているのは、通学路をお子さんといっしょに歩いてみてくださいということです」(松丸氏、以下同)
通学路やよく遊ぶ公園など、子供といっしょに歩くことで、人の目が届かないような危険な場所がどこにあるか把握できるのだという。
「子供といっしょに歩きながら、『この場所はどこの家の窓からも見えないから危ないね』『ここだと大声を上げても周りに人がいないから、誰かに声をかけられたらすぐに大通りに走りなさい』と、生活圏のなかで死角になるような場所を把握し、子供に注意をうながすことができます」
相手を疑うのは悪いことではない
そして子供の直感を信じさせることも大事だという。
「子供が直感的に感じる『なんか嫌だ』『ぞわぞわする』という危険信号を大切にしてあげてください。相手に対して少しでもそう感じたら、自分の本能に従って距離を取って逃げる。相手を疑うことは決して悪いことではないんだと伝えてください。
ただ、不審者が皆、いかにも怪しい雰囲気かというとそうでもありません。過去には優しそうな女性が『お母さんが事故に遭ったから、すぐに病院に行こう』と声をかけて連れ去ろうとした事件がありました。これは未遂に終わったのですが、やはり家族が事故に遭ったと聞かされると子供はパニックになって付いていきかねない。
こういう場合に備えて、普段から『何かあった時は親戚の誰々さんが迎えにくるから、その人以外には付いていったらダメだよ』と緊急のときに迎えにくる人を決めて、家族の間で共有しておくことも大事です」
そのうえで、普段から準備しておいたほうがいい防犯グッズについて教えてもらった。
「やはり防犯ブザーは大事です。そしてランドセルの肩ベルトなど、すぐに使えるところに付けておくこと。できればパトカーのサイレン音とほぼ同じ大きさの110デシベルのものが理想です。
そして使い方を練習しておく。どう操作して、どれくらいの音が鳴るのか、ちゃんと把握しておくことが大事です。いざ何かあったときに、『どう使うんだっけ』となったら手遅れになりかねませんから。保護者の方は、定期的に電池を取り替えるなど、メンテナンスにも気を配ってください」
GPS機能付きのキーホルダーも有効だという。
「子供の居場所を定期的に確認しておけば、緊急の事態に備えることができます。塾にいる時間なのに、まったく別の離れた場所にいるとなったら、何かに巻き込まれた可能性があるわけです。子供のプライバシーの問題もありますが、少なくとも義務教育の間は、保護者が子供の居場所を把握しておいてもいいのではないでしょうか」
だが、大事なのはグッズに頼るのではなく、逃げることと声を出すこと。そのためにも普段から何かあったときのために防犯意識を持つことだと松丸氏は強調するのだ。
「何かおかしいと思ったらすぐに逃げてその場を離れる。緊急事態ではなかなか声が出ないものですが、それでも声が出せるようなら大声を出す。それも『助けて』だと友達同士でふざけているだけと取られかねないので、『警察を呼んでください』『この人、知らない人です』と叫ぶ。防犯ベルを鳴らすよりも距離を取ることが優先です。
何よりも大切なのは、普段の何気ない会話のなかで『何かあったら、すぐ逃げなさい』などと防犯意識を高めておくことです。そういった防犯の知識があるかないかで、何か起きたとき、大きな違いになります」
※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。
情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips
公式X:https://x.com/FRIDAY_twit
取材・文:中平良

