「打破」を掲げて開幕に臨んだ埼玉西武ライオンズ、新人開幕投手にプロの洗礼を浴びせられ渋谷西武での優勝セールはなさそうな件。
打破したいのは相手投手ではなく閉塞感!

2026年の日本プロ野球が開幕いたしました。我が埼玉西武ライオンズはスローガン「打破」を掲げ、千葉ロッテマリーンズとの開幕戦に臨みました。その結果は1-3の大善戦。ハッキリした球春の到来とはなりませんでしたが、どうやら今年もプロ野球11球団に混じって勝ったり負けたりはできそうだぞと大いに手応えを覚える開幕となりました。



弱い者は本拠地で開幕を迎える資格はない修羅のルールのもとZOZOマリンスタジアムに堂々登場した我が方。相手は開幕セレモニーとしてド派手な花火を打ち上げながらフラッグなど振り回しています。ロッテ選手たちがひとりずつ白煙と火花に彩られて登場するなか、不動の敬礼でインパクトを残す西岡剛1軍チーフ打撃兼走塁兼面白コーチは早速ロッテにポジティブな情熱を与えています。さすがはクイズ番組で十二支を聞かれて「子丑寅卯辰巳…金魚!バッタ!セキセイインコ!」と言ってのけた男です(※定期的にこの話を思い出すためにメモとして混ぜています)。カメラ目線のウインクもバッチリ決まって、開幕気分が大いに盛り上がってまいりました。イチロー、ニッチロー、サブロー、ダー!(←アントニオ猪木さん風の言い方で開幕への意気込み)

もちろん我が埼玉西武ライオンズも負けてはいません。ダラダラッとベンチのフェンスを乗り越えて三塁側に整列すると、FA新戦力・桑原将志さんや、かなり期待の新戦力・カナリオさん、さらに昨年ドラフト1位で獲得した新戦力・小島大河さんを開幕スタメン捕手に抜擢するなど、去年より大幅に戦力アップした雰囲気を出してこの舞台に居並びました。そんな我が方が相手だから裏ローテをまわしてきた…わけではないのでしょうが、相手方はこの開幕戦に球団としても76年ぶりだという新人開幕投手・毛利海大さんをあててきました(※パ・リーグ的にはミヒロと読みそうだがカイトです)。「プロには甘く入ったらやられる」「(西武には)いいバッターがたくさん揃っている」「強力打線」などと対西武打線への緊張感を滲ませる毛利さんに、「お世辞が上手いな」「でもお世辞も言い過ぎると嫌味に聞こえるぞ」「営業かコンサルにでもなる気か!」と社会人の洗礼を浴びせてやろうではありませんか。プロの洗礼?あーそれはコッチが浴びます!

↓新人開幕投手を攻め立てる強力西武打線は、初回から得点圏に走者を進める猛攻!

西武相手に投げる1イニングはパワプロでの1試合よりも遥かに疲れることであろう!

はたしてどこまでこの重圧に耐えられるかな!?

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相手方の起用への返礼ではないのでしょうが、我が埼玉西武ライオンズが開幕投手として送り込んだのは、2018年のドラフト2位・渡邉勇太朗さん。同じ2位でもコチラは7年間の経験と実績があります。初の開幕投手の栄誉に燃える渡邉さんは、こちらも初回無失点で立ち上がります。しっかりとゼロを並べながら、相手新人開幕投手の疲労と、味方強力打線(※相手新人開幕投手の個人の感想です)の打破を待ちたいところです。

互いにゼロ行進をつづけるなか均衡が崩れたのは2回裏(※ゼロが3つ並んだので行進扱いとする)。ロッテは一死からソトさんの二塁打を足掛かりに、女房役・松川虎生さんの先制タイムリーで新人開幕投手を援護します。くー、こちらがプロの厳しさを教える前に、プロの頼もしさを教える先輩がいたとは。獅子は我が子を1勝10敗くらいの成績に沈めて初年度からムエンゴという現実を教え込み、這い上がってきたものだけをWBCの戦犯に仕立てるなどとよく言われますが、このあたりは球団間の育成方針の違いや個性を感じる一幕でした。「味方は頼もしい」とか「耐えていればいつか点を取ってくれる」とか「僕には仲間がいるんだ」とか甘い夢みたいなものを毛利さんが信じ込まないといいなと、老婆心ながら心配になりましたよね!

そんななか我が西武も負けじと新人教育を敢行します。1点を追う3回表、西武は一死から新人・小島大河さんがプロ初打席で初安打を放ちます。明大ではバッテリーを組んでいた毛利さんから打った記念の一打、思い出深い打席となったことでしょう。しかし、プロで得点するというのは簡単なことではないのです。ここで我が方は、桑原さんの安打で一死一・二塁としてみせたのち、つづく長谷川信哉さんが一塁線へのファウルフライといういぶし銀の進塁打を放ちます。小島さんはプロ初のタッチアップで三塁に進みながら、「もしかしたらプロ初得点もあるかもしれんな」くらいには思ったかもしれません。

だが、そんなに、現実が、甘いはずがないのです。ここでロッテのプロ守備陣は、三塁送球と見せかけて中継がカットに入るトリックプレー。「みんなファウルフライを追って二塁がガラ空きだ!」「よし!三塁に投げたな!」「チャーンス!」と思って二塁を狙いにいった桑原さんを完璧にトリックに引っ掛け、中継に入った小川龍成さんがダッシュで詰め寄ってタッチアウトとしたのです。中継のカメラもダマされたこのトリックプレーには、ロッテファンも「トリックなのか…?」「ウソみたいな詐欺に引っ掛かる人もいるしな…?」「引っ掛かったんだからトリック認定でいいよな…?」とキツネにつままれたような顔をしていたことでしょう。

↓くー、さすがプロ野球!レベルが高いぜ!


さらに西武は4回表、先頭の西川愛也さんが二塁打で出て、無死二塁の大チャンスを築きます。「打破」を掲げ強気の西口監督は、ここで4番に入ったカナリオさんに送りバントではなくそのまま打たせる強硬策(※結果的にはキャッチャーフライ)。その後も外崎修汰さんの覇気で四球をもぎ取ると、渡部聖弥さんのあわや三塁強襲タイムリーツーベースかという痛烈な打球で毛利さんの背筋を凍らせ(※結果的にはサードゴロ)、そして、あのWBCで「恐怖の8番」と世界に恐れられた主砲・源田壮亮さんへとつなぎます。大学野球とはひとつかふたつ次元の違う猛攻に、新人開幕投手の心中やいかばかりか。結果的には源田さんも空振り三振に倒れはしますが、震え上がるような恐怖を感じてもらえたのではないかと思います。ピンチを脱したあとの安堵の雄叫び、今日のところはその蛮勇ともいえる若さを讃えるほかないでしょう。よく投げ、よく抑えた。だが我が埼玉西武ライオンズより残る4球団のほうが遥かに強いということを忘れぬことだな!打ッ破ッ破ッ破ッ破ッ破ッ破ッ!

↓毛利さんがピンチを脱したあとの4回裏、ロッテは再び女房役・松川さんのタイムリーで追加点!


↓結局、毛利さんは5回無失点で勝利投手の権利をもって初の大役を終えました!



さて、埼玉西武ライオンズもこのままでは終われません。何かいいことが起きそうな気がする7回表(※無根拠野球)、ボテボテ内野安打⇒悪送球で二塁進塁⇒次打者が平凡ファーストゴロ⇒のはずがベースカバーいなくて一塁生きる、というラッキー連発により一死一・三塁の大チャンスを築きます。「嫌がらせだな」「味方が勝利投手の権利を消しにかかってきた」「ひとりで勝てると思うなよ」と西武界隈も自球団基準で熱視線を送るなか、ベンチからは代打の切り札・岸潤一郎さんが登場!そして岸さんは豪快な犠牲フライ!いやー、あとは小島大河さんがホームランを打てば逆転、というところまで攻め立てた西武打線でしたが、惜しくも同点・逆転はならず。ただ、十二分に「打破」の精神は見せつけました。これだけの援護があれば、7回2失点でマウンドを降りた西武先発・渡邉さんも「自分が無失点に抑えていれば勝っていた」「無失点に抑えられなかった自分が悪い」「ハイクオリティスタート程度で勝とうなんてのは甘え」と納得でしょう。

結局西武は、その後救援が一発で1点を失いつつも、1-3とサッカーなら面白い試合になってそうなスコアで開幕黒星発進を決めました。ここぞの一本こそ出なかったものの、ヒットもチャンスもそこそこ出ましたし、投手陣も決して崩れたわけではありません。打たなかったので破れただけ。勝手に負けたわけでも、手も足も出なくて負けたわけでもない、堅実な戦いぶりでした。コンディション不良で合流が遅れているネビンさんが戻ってきたら、この試合も2-3あるいは3-3になっていたことでしょう(※初回先制タイムリー、4回追加点のタイムリーの計算)。とりあえずはこの静弱を打ち破って来週中には初勝利を挙げる、くらいの気持ちでジンワリと入っていけばいいのではないかと思います。

まぁ、チュニドラさんのように、謎の抑えが大炎上で9回4点リードから引っくり返されて延長負けなんてドラマティックな試合を見てみたい気持ちもちょっとありますが、そこまでの熱い弱さはなさそうなので、淡々と黒星と白星を重ねていけたらいいなと思います。渋谷の西武百貨店が消滅すると聞いたときの、驚きも何もなく「どっちみち終わってた店」「混んでるのOlive LOUNGEだけ」「まだあったんだ」と思うくらいの平熱感で、無音の5位フィニッシュとか、そんな一年になるのかなと思う開幕戦でした。横たわるその閉塞感みたいなものを打破してくれれば、それが今季の勝利と言えるのかもしれませんね!

↓9回表に3点取って5-1にしてから、9回裏に4点取られて5-5にされて、延長で負けるなんてチュニドラは熱いぜ!


地味に17安打5点って拙攻もすごいし、これは開幕から燃え上がる熱戦!

ギックリ腰(※球団発表)で抹消されるところまで含めて、劇場型のいい抑え獲りましたね!

ハラハラドキドキを楽しめて羨ましいです(※既視感)!



渋谷の西武百貨店で有終の優勝セールなんてことはナイなと思いました!