規制リスク下でも広告を継続 コカ・コーラやコムキャストなどが TikTok 投資拡大

記事のポイント
一部の大手広告主はリスクを承知でTikTok広告費を増加させている。
TikTokは米国残留に自信を示し、広告主の不安解消に努めている。
組織再編と人材流出により、広告チームには課題が残っている。
一部の大手広告主はリスクを承知でTikTok広告費を増加させている。
TikTokは米国残留に自信を示し、広告主の不安解消に努めている。
組織再編と人材流出により、広告チームには課題が残っている。
米国でのTikTokの将来が不透明なため、多くの広告主がTikTokでの広告に急ブレーキをかけたが、なかには、この騒動に青信号を出した広告主もいる。
市場調査会社のセンサータワー(Sensor Tower)によると、ウォルマート(Walmart)、コカ・コーラ(Coca-Cola)、コムキャスト(Comcast)、ペプシコ(PepsiCo)、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery)、Google、Amazonは、2025年第1四半期にTikTokに対する米国でのソーシャルメディア支出を前年比で2ポイント増加したという。
マーケターからすれば、リスク対利益の典型的な事例だった。支出を削減すれば、政治的な批判を避けられるが、2025年1月に一時的に利用できない状態になったように、TikTokの運用が停止されれば、メディアプランの見直しという頭の痛い取り組みを敢行しなくてはならない。一方、支出を増やせば、混乱状態に賭ける意欲のある企業にとっては、オークションでの競争相手が少なくて済み、広告費を安く抑えることができる。
「TikTokとの話のなかでは、大手企業の方が、一時停止後にTikTokに戻るのを差し控え気味のように思われた。だが、CPMが低下したためにROAS(広告費用対効果)が向上したので、当社にはプラスになった」とジェリーフィッシュ(Jellyfish)で有料ソーシャル担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるシャムシュル・チョウドリー氏は述べた。
人材流出が課題に
かつてはギャンブルのように見えたものが先見の明のように見え始めている。トランプ米大統領は、ディール(取引)が成立してTikTokが今後も米国に残ることにますます自信を深めているようであり、米国でのTikTokの運命はここに来て、解決へと向かっているようだ。最後通告は明らかなものだった。TikTokは中国企業以外の買い手を見つけるか、国家安全保障を理由に禁止に直面するかのどちらかというものだったのだ。
そうした事態が収拾し始め、より多くのマーケターがパニック状態から立ち直り、TikTokでの広告に対してより落ち着いた姿勢を取りつつある。TikTokの幹部はエージェンシー幹部との最近の会話で、同社の米国での長期的な将来についてマーケターが抱いてきた懸念をなんとか緩和しようとしてきた。そのメッセージは、「TikTokは米国での未来について自信を持っているので、マーケターは心配する必要はない」という声高で明確なものだった。
とはいえ、TikTokの頭痛は当分収まらない。無駄がない、より効率が良い業務プロセスを生み出す目的でチームが役割と部署を再編しているところに、この数週間に古参社員が次々と広告担当チームを離れたため、顕著なギャップが生じているのだ。
たとえば、2月に去ったサミール・シン氏から北米グローバルビジネスソリューション担当責任者の役割を引き継いだカルトゥーン・ワイス氏は、グローバルビジネスソリューションを率いるという現在の担当範囲に加えて、グローバルエージェンシーおよびアカウントも担当している。その影響はまだ不明だが、こうした人材流出はそうそう起こるものではない。
「指揮系統の再編は常に、一定レベルの激動をもたらすが、大まかに言えば、TikTokがこれまで提供してきた日々のサポートは一貫している。人材の離脱が現時点でTikTokの米国での将来に関する不安を示しているとは必ずしも思わない」と、ティヌイティ(Tinuiti)でシニア・ソーシャルイノベーション・ディレクターを務めるジャック・ジョンストン氏は語った。
DIGIDAYはTikTokにコメントを求めたが、回答はなかった。
[原文:Despite the uncertainty, some advertisers like Coca-Cola and Comcast have increased their TikTok spend this year]
Krystal Scanlon(翻訳:矢倉 美登里/ガリレオ、編集:坂本凪沙)
