ノートPCのストレージ容量不足対策やバックアップなどの用途に持ち運び可能なポータブルSSDを利用している人は多いハズ。Amazonなどのオンラインショップでは有名ブランドから聞いたことのないブランドまで多様な種類のポータブルSSDが販売されているのですが、オンラインショップで販売されていた「大容量ポータブルSSD」が、実際は安価なフラッシュメモリを複数装着しただけの製品で、容量もかなり水増しされていた例が報告されています。

Walmart lists a 30TB portable SSD for $39. It is, naturally, a scam | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2022/08/walmart-lists-a-30tb-portable-ssd-for-39-it-is-naturally-a-scam/

問題が報告されたSSDのWalmartにおける販売ページが以下。製品ページでは「M.2規格のSSD」「USB 3.1に対応」「最大容量30TB」「寸法が74mm×57.3mm×10.5mmで、重さは51g」といったように小型軽量かつ大容量で高性能なポータブルSSDであることがアピールされています。



セキュリティ研究者のRay [REDACTED]氏は、上記の製品を大手オンラインショップ・AliExpressで29.01ドル(約4000円)で購入し、分析しました。





問題の製品を分解した写真が以下。写真を見ると、基板の右側に2個のフラッシュメモリがホットボンドのようなもので固定されていることが分かります。このフラッシュメモリについてRay [REDACTED]氏は「SDカードではないか?」と指摘しています。





また、「容量30TB」とアピールされている問題のSSDをPCに接続した結果、Windowsには「2つの15TBストレージ」として認識されてしまいました。加えて、問題のSSDは「USB 3.1に対応」とアピールされているのにもかかわらず、実際にはUSB 2.0相当の性能しかないことも判明したとのこと。





Ray [REDACTED]氏による検証の結果、問題のSSDに搭載されていたフラッシュメモリは容量が512MBしかなく、容量を超えるファイルを書き込む際は「ディレクトリ構造を維持しながらデータを削除して上書きする」という動作を行うことが判明しました。海外メディアのArs Technicaは、問題のSSDを例に挙げて「オンラインショップでストレージを購入する際は、有名ブランドの製品を信頼できる販売業者から購入するようにしてください。製品の話がうますぎる場合、それはほぼ確実に詐欺製品です」と述べ、ストレージの購入を検討中の人々に注意を促しています。