話題性とともに盛り上がりを見せるモデルも存在するが……

 2021年、トヨタ・ヤリス、ライズ、アルファード、ホンダ・フィット、スズキ・ハスラーなど、街中で、郊外で、見かけない日はないぐらい売れている車種と対照的に、素晴らしいクルマなのに、街であまり見かけないクルマもあったりする。もう、生産中止したのかと思いきや、決してそうではない。生産は継続しているのに、ほとんど売れていない……というのが真実なのである。

 ここでは、クルマとしては評判がいいのに、なぜか街で見かけないクルマを紹介したい。言い方を変えれば、人とは違うクルマに乗りたければ、格好の選択肢になるというわけだ。

1)三菱エクリプスクロス

 デビューが比較的新しく、クルマの出来もいいのに、販売台数に結びついていない流行りのクロスオーバーSUVと言えば、三菱エクリプスクロス。2020年1〜12月の乗用車販売ランキングベスト50に入らないのは、意外と言える。

 ただし、MCでPHEVが加わり、TVCMも頻繁に打ち、一気に2000台オーバーの受注があったと聞くから、これから街で見かける機会が増えてくるかもしれない1台だ。

2)ダイハツ・ウェイク

 ダイハツ・ウェイクも、アウトドアや車中泊の時流に乗った、一時はTVCMをバンバン打っていたクロスオーバー軽であり、デビュー当初は大注目された超容量系軽自動車だ。しかし、いまとなって、街で見かけなくても、アウトドアフィールドでは大人気かっ? と思いきや、2020年4〜9月期の販売台数は7503台と、月1250台程度の売れ行きだった。

 同時期のホンダN-BOXが9万台オーバーだから、その差は歴然。タントが同5万2210台ということからも、アウトドア派にはぴったりのようにも思えるものの、あまり見かけなくて当然かもしれない。アウトドア派には、むしろダイハツ・タフト、ダイハツ・ロッキーやトヨタ・ライズのような、SUVテイストが強いクルマが人気であるということも影響しているようだ。

3)ホンダNSX

 2020年シーズン、F1で大活躍したホンダのフラッグシップスポーツカーのNSXも、ほとんど見かけない国産スーパースポーツカーだろう。ポルシェやフェラーリのほうが、見かけるチャンスが多いほど。とくにポルシェはモデル数が多く、比較的買いやすい価格のモデルもあるため、販売台数も伸びている。

 NSXは国産車としては超高額で、月によっては0台ということもあるものの、個人的にはその希少性が限られたオーナーにはうれしいのではないかと思う。だからこそ、見かけたときのインパクトがあるということだ。いずれにしても、国産スポーツカーは、デビュー当時に一気に話題性とともに盛り上がり、欲しい人が買ったあとは、パタリと静かになるのが通例ではないか。

時代の先駆け的なモデルもいまではすっかり鳴りを潜めている

4)日産シーマ

 バブル期に一世風靡した日産のフラッグシップセダンのシーマも今は”売り”がなく、元気がない。セダン離れの世の中だから……と言って片付ければそれまでだが、あのシーマ現象の狂乱時代を知っている身としては、さびしい限り……。

5)三菱アイミーブ

 そういえば、世界が電動車時代に突入し、ボルボは全モデルを電動化し、日産やマツダからもピュアEVが続々登場する2021年、事実上、世界初の量産EV、国産EVの先駆けの1台となった三菱アイミーブが静かすぎる。まだ売っていたのか? というぐらいで、2019年に日本で売れた台数は105台。

 とはいえ、アイミーブがあったからこそ、今の三菱アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEVがあるわけで、その存在意義は未来に語り継がれるものだと思う。ちなみに現在のアイミーブは軽自動車ではない。2018年4月の改良で全長を伸ばしたことで、登録車(白ナンバー)になっている。

 いまもがんばって電気だけで走り続けているアイミーブを街で偶然に見かけたら、あたたかい目で見守ってほしい。そして充電スポットでは最優先で充電させてあげてください。

6)ホンダ・クラリティPHEV

 2018年7月にPHEVを登場させ、一般販売を開始したホンダ・クラリティも、月の販売台数が一桁ということもある希少車!? である。普通充電、急速充電に対応し、WLTCモードで101kmを達成するというPHEVとしてトップレベルのEV走行距離を持っているのだが、地味なセダンタイプで約600万円の新車価格もあって、たとえばトヨタ・プリウスPHV(331万3000円〜)、アウトランダーPHEV(436万4800円〜)などと比べ、なかなか手が出しにくく、影が薄く、街で見かけない1台となっている。