世界初のウェブサイトは素粒子の研究所で生まれた
なぜ、素粒子の研究所でウェブが生まれたのか。CERNは世界中から研究者が集まる一大研究拠点であり、加速器を使った実験は年々大規模になり装置も大型化していく。
このwwwを発明したのが、コンピューター界のノーベル賞といわれる16年の「チューリング賞」を受賞した英国人のティム・バーナーズ=リー氏。彼は91年に世界で最初のウェブサイトを公開したが、特筆すべきはCERNでの利用に限定しなかったことだ。
リー氏は「誰もがどこにいても情報を共有し、地理的、文化的境界を越えてアクセスできるオープンプラットフォームを構想」し、93年にwwwのソフトウエアを世界に無償公開した。その先のウェブの爆発的普及はここに記すまでもない。
92年にCERNを訪れた、当時、高エネルギー加速器研究機構の研究者だった森田洋平氏は、リー氏から「高エネ機構でもウェブサーバーを立ち上げてほしい」と要請された。これを受け、同年9月に同機構とCERNをつないだページが日本初の公開されたホームページとなった。
CERNは宇宙の重要な発見を成し遂げた機関だが、「歴史には『ウェブの発祥地』として刻まれるだろう」と森田氏も認める。
【用語】www=「ハイパーテキスト」と呼ばれる文書同士をつなげる仕組みで、これによってインターネット上で文書や画像、動画などが閲覧できるようになった。世界中に広がる情報網が「クモの巣」のように見えることから、当時欧CERNに在籍していたティム・バーナーズ=リー氏が名付けた。
