初日は疲労を考慮されて早めに練習を切り上げた浅野だが、2日目はフルメニューを消化。南アフリカ戦ではゴールという結果を追い求めると誓った。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 合宿初日こそ疲労を考慮されて早めに練習を切り上げたが、2日目以降はフルメニューを消化。本人も「まったく問題ない」と語る通り、浅野拓磨のコンディションは上々のようだ。

 先日、オーバーエイジの3人目としてFW興梠慎三の内定が発表された。浅野にとっては強力なライバルとなるが、その目は最後のアピールの場となる南アフリカ戦にフォーカスされている。
 
「興梠さんは能力のある選手ですし、危機感を感じていますが、オリンピックのことはメンバーに選ばれてから考えればいい。まずは最終メンバー(18人)に入るために何が必要か。誰ひとり選ばれるのが決まっている選手はいない。やっぱり結果がすべてなので、実戦でアピールすることが一番の近道かなと。残り少ない枠の中に入り込めるように、自分の特長を出していきたいです」
 
 浅野は6月にA代表のキリンカップメンバーに招集され、初ゴール、初スタメンを記録した。本田圭佑や香川真司ら海外組も含めたチームで実際にピッチに立ち、年代別代表とはまた違う、レベルの高さを感じたという。今はそれらの経験を、キャプテンの遠藤航らとともに、U-23代表の仲間たちに示していく立場にある。
 
「A代表に入って感じたのは、テクニックの高さはもちろん、球際の厳しさだったり、守備の重要性を一人ひとりが理解してやっていると感じた。それらを口で伝えたり、リーダーシップを発揮して引っ張っていったりいろんな形がありますけど、一番はピッチの中で実践することだと思います。僕自身もそれ(球際や守備)を課題としているので」
 
 松本合宿前のJ1ラスト2試合でスタメン出場を果たし、コンディションも上がってきている。あとはゴールという結果を残すのみだ。
 
「チームではスタメンで出させてもらっていますけど、いつ(サブと)入れ替わるかという危機感、緊張感を感じながらやっている。そういう意味では、普段から競争心がついているのは良いと思います。(リーグでの)この2試合でゴールがないので、結果にこだわりたい」
 
 29日の南アフリカ戦、試合会場となるアルウィンには、ゴールを追い求めてピッチを躍動する“ジャガー”浅野の姿がきっとあるはずだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)