1周年を迎えるタイガーと周辺事情
そんな中、米メディアは、あの事故から1年が経過した現在のタイガーの様子や周辺の様子を一斉に報じようと身構えている。そして、そんなメディアの目論見をあらかじめ見透かしているかのように、チーム・タイガーは、事前対策の「1周年記念キャンペーン」を展開し始めている。だから、このところ、アメリカのゴルフメディアが騒々しくなってきているのだ。
その反応を知ったさまざまな企業が「やっぱりタイガー人気は衰えていないのだなあ」「タイガーの影響力、波及力は相変わらず凄まじいなあ」と思ってくれれば、チーム・タイガーにとってはしめたもの。不倫騒動勃発後、去っていったスポンサー企業が、あれから1年が過ぎた今、再びタイガーのスポンサーとして戻ってきてくれたらいい……というのが、チーム・タイガーの目論見なのだ。
だが、そんなにうまくコトが運ぶかどうかは、なんとも言えない。チーム・タイガーは、ファンを大切にするタイガーのイメージを強調するために、タイガーにツイッターを始めさせ、「ファンのみんなは素晴らしいやつばかりだ」なんて発信をさせているが、いくらイメチェンや好イメージ作りを図っても、勝てないタイガーの魅力は半減してしまう。スキャンダルによってタイガー像はずいぶん様変わりしたが、昨年までと現在で一番大きく変化してしまったのはタイガーの勝率や勝利数。プロゴルファーとして最も大事で最も基本的な部分が揺らいでいる状態では、イメージ云々の効果は薄い。
騒がしい米メディアの中でも目を引いたのは、AP通信の某記者の記事だった。「今、タイガーがやるべきことはツイッターではない。パッティンググリーンで練習することだ」で締め括られた記事には、思わず苦笑させられた。そう、今、一番求められているのは、強いタイガー、勝てるタイガーの復活。チーム・タイガーには、本末転倒になることのない1周年キャンペーンを展開してくれることを期待したい。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)