写真/中島望

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アメリカのゴルフメディアが、やけに騒がしくなってきた。というのも、タイガー・ウッズの昨年11月末のあの交通事故から間もなく1年が経過するというタイミングだからだ。タイガーがフロリダ州オーランドの自宅近くで深夜に自ら起こした交通事故。あの日を境に、タイガーの身の回りはすっかり変わり、米ゴルフ界が受けた影響は今もなお続いている。

そんな中、米メディアは、あの事故から1年が経過した現在のタイガーの様子や周辺の様子を一斉に報じようと身構えている。そして、そんなメディアの目論見をあらかじめ見透かしているかのように、チーム・タイガーは、事前対策の「1周年記念キャンペーン」を展開し始めている。だから、このところ、アメリカのゴルフメディアが騒々しくなってきているのだ。

チーム・タイガー側は、まずタイガーを米国内のテレビやラジオのインタビューに続けざまに登場させた。そして次に、タイガーにツイッターを始めさせた。そのフォローの数は、最初が9万件。その3時間後にさらに4万件。その後は1時間ごとに数千件という単位で増加していった。

その反応を知ったさまざまな企業が「やっぱりタイガー人気は衰えていないのだなあ」「タイガーの影響力、波及力は相変わらず凄まじいなあ」と思ってくれれば、チーム・タイガーにとってはしめたもの。不倫騒動勃発後、去っていったスポンサー企業が、あれから1年が過ぎた今、再びタイガーのスポンサーとして戻ってきてくれたらいい……というのが、チーム・タイガーの目論見なのだ。

だが、そんなにうまくコトが運ぶかどうかは、なんとも言えない。チーム・タイガーは、ファンを大切にするタイガーのイメージを強調するために、タイガーにツイッターを始めさせ、「ファンのみんなは素晴らしいやつばかりだ」なんて発信をさせているが、いくらイメチェンや好イメージ作りを図っても、勝てないタイガーの魅力は半減してしまう。スキャンダルによってタイガー像はずいぶん様変わりしたが、昨年までと現在で一番大きく変化してしまったのはタイガーの勝率や勝利数。プロゴルファーとして最も大事で最も基本的な部分が揺らいでいる状態では、イメージ云々の効果は薄い。

騒がしい米メディアの中でも目を引いたのは、AP通信の某記者の記事だった。「今、タイガーがやるべきことはツイッターではない。パッティンググリーンで練習することだ」で締め括られた記事には、思わず苦笑させられた。そう、今、一番求められているのは、強いタイガー、勝てるタイガーの復活。チーム・タイガーには、本末転倒になることのない1周年キャンペーンを展開してくれることを期待したい。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)