【気になるトレンド用語】花粉症の季節 花粉の飛沫情報って何でわかるの?
昭和60年代以前は耳にする機会はありませんでしたが、いつのまにかすっかり定着してしまったものがあります。それは季節ごとに原因を変えてやってくる厄介なもの。そうです。花粉症です。
近頃では花粉を付きにくくする洗剤が売られていたり、空気清浄機が普及しているほど、花粉症に悩まされている人は多くなっています。
花粉症は同じ地域に住んでいても、発症する人としない人がいますが、なぜなのでしょうか。
今回は、不思議な病気“花粉症”について見てみましょう。
■花粉症とは
花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎のことで日本人の約20%が花粉症だといわれています。
スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなど約60種類の花粉をアレルゲンとして、鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)や目のかゆみなどの症状が現れます。他にもノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が出ることもあります。
日本アレルギー協会会長の奥田稔氏が住民台帳を基準に1万人を対象にした疫学調査によると、全国平均では15,6%が花粉症でした。(回収率は56%)
地域別では東北13.7%、北関東21.0%、南関東23.6%、東海28.7%、北陸17.4%、甲信越19.1%、近畿17.4%、四国16.9%、中国16.4%、九州12.8%。
北海道や沖縄はごく少ない発生率で、地域の花粉の飛散数と花粉症有病率に相関関係が見られています。(2005年版鼻アレルギー診療ガイドラインより)
花粉症は、体内に侵入した異物であるアレルゲン(花粉)に対する体の防御反応です。
私たちの体は、進入した異物に対して抗体を作ります。この抗体の反応によって、くしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水や涙で花粉を洗い流したり、鼻づまりで異物の進入を防ぐように働きます。これが花粉症の症状の仕組みなのです。
■花粉症といえばスギ花粉
花粉症の代表格は、なんといってもスギ花粉です。花粉症患者の約70%はスギ花粉が原因といわれていますね。では、なぜスギ花粉が多いのでしょうか。
日本の森林に占めるスギ林の面積は18%です。国土全体の12%でもあります。
しかし、森林面積に対する花粉量の比率は地域差があります。九州、東北、四国が高く、北海道ではほとんどありません。沖縄では過ぎ自体が生息していません。
先に紹介した調査結果では、関東、東海地方に患者が多く見られましたが、これは杉の人工林が他所よりも多く、スギ花粉の飛散量が多くなっているためです。関西は、北山杉が有名ですが、杉と同等の植林面積を持つヒノキの飛散量が多くなっています。
■反応する人、しない人
花粉症は、発生する人としない人がいますが、なぜ違いが出るのでしょうか。
花粉症にならない人は、花粉に対する抗体を作り出すのを抑えるリンパ球が正常に働くため、症状は出ません。
しかし、花粉症になる人は、体が次のような働きをします。
(1) 花粉が入ってくるとリンパ球が花粉に対する抗体を作り出します。
↓
(2) その抗体が鼻などにある粘膜の表面にある肥満細胞と結合します。
↓
(3) 再び花粉が入り込むと抗体と結合した肥満細胞から刺激物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、サイトカイン)が放出され、神経や血管を刺激しアレルギー症状が発現します。
■飛散する花粉はなぜわかるの?
最近ではニュースや天気予報の一部として花粉の飛散情報が伝えられるようになりました。このような情報は、どのようにして得られているのでしょうか。
従来行われていた方法は、ダーラム法と呼ばれる観測方法です。
これは、ワセリンを塗ったプレパラートを屋外へ1日置き、顕微鏡で花粉の数を数えるというものです。花粉の数は、1平方センチメートル当たりの個数で表します。ちなみに、スギ花粉はおよそ25〜35マイクロメートルという大きさです。とてもアナログな方法ですが、環境省や東京都などの公的機関でも行われてきた一般的な方法でした。
しかし、近年では花粉自動計測器が導入され始めています。この機械を使うことでリアルタイムで現在の飛散状況を把握することができます。
スギ花粉を主に計測するこの装置は、内蔵された吸引ポンプで大気を吸引して、空気中の粒子に光を当てるます。粒子の大きさによって異なる散乱光が発生しますので、散乱光の量から花粉を判別し、散乱光の数から粒子(花粉)の数がわかるというワケです。ちなみに花粉数は、1立方メートル当たりの個数で表します。
さらに、花粉の種類によって蛍光(※)が異なることを利用して、花粉の種類を判別できる花粉自動計測器も実用化されています。
※蛍光:物質に紫外線等を照射すると、照射した光と異なる色の光を発光することがあります。この異なる色の光を蛍光といいます。
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花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎のことで日本人の約20%が花粉症だといわれています。
スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなど約60種類の花粉をアレルゲンとして、鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)や目のかゆみなどの症状が現れます。他にもノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が出ることもあります。
日本アレルギー協会会長の奥田稔氏が住民台帳を基準に1万人を対象にした疫学調査によると、全国平均では15,6%が花粉症でした。(回収率は56%)
地域別では東北13.7%、北関東21.0%、南関東23.6%、東海28.7%、北陸17.4%、甲信越19.1%、近畿17.4%、四国16.9%、中国16.4%、九州12.8%。
北海道や沖縄はごく少ない発生率で、地域の花粉の飛散数と花粉症有病率に相関関係が見られています。(2005年版鼻アレルギー診療ガイドラインより)
花粉症は、体内に侵入した異物であるアレルゲン(花粉)に対する体の防御反応です。
私たちの体は、進入した異物に対して抗体を作ります。この抗体の反応によって、くしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水や涙で花粉を洗い流したり、鼻づまりで異物の進入を防ぐように働きます。これが花粉症の症状の仕組みなのです。
■花粉症といえばスギ花粉
花粉症の代表格は、なんといってもスギ花粉です。花粉症患者の約70%はスギ花粉が原因といわれていますね。では、なぜスギ花粉が多いのでしょうか。
日本の森林に占めるスギ林の面積は18%です。国土全体の12%でもあります。
しかし、森林面積に対する花粉量の比率は地域差があります。九州、東北、四国が高く、北海道ではほとんどありません。沖縄では過ぎ自体が生息していません。
先に紹介した調査結果では、関東、東海地方に患者が多く見られましたが、これは杉の人工林が他所よりも多く、スギ花粉の飛散量が多くなっているためです。関西は、北山杉が有名ですが、杉と同等の植林面積を持つヒノキの飛散量が多くなっています。
■反応する人、しない人
花粉症は、発生する人としない人がいますが、なぜ違いが出るのでしょうか。
花粉症にならない人は、花粉に対する抗体を作り出すのを抑えるリンパ球が正常に働くため、症状は出ません。
しかし、花粉症になる人は、体が次のような働きをします。
(1) 花粉が入ってくるとリンパ球が花粉に対する抗体を作り出します。
↓
(2) その抗体が鼻などにある粘膜の表面にある肥満細胞と結合します。
↓
(3) 再び花粉が入り込むと抗体と結合した肥満細胞から刺激物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、サイトカイン)が放出され、神経や血管を刺激しアレルギー症状が発現します。
■飛散する花粉はなぜわかるの?
最近ではニュースや天気予報の一部として花粉の飛散情報が伝えられるようになりました。このような情報は、どのようにして得られているのでしょうか。
従来行われていた方法は、ダーラム法と呼ばれる観測方法です。
これは、ワセリンを塗ったプレパラートを屋外へ1日置き、顕微鏡で花粉の数を数えるというものです。花粉の数は、1平方センチメートル当たりの個数で表します。ちなみに、スギ花粉はおよそ25〜35マイクロメートルという大きさです。とてもアナログな方法ですが、環境省や東京都などの公的機関でも行われてきた一般的な方法でした。
しかし、近年では花粉自動計測器が導入され始めています。この機械を使うことでリアルタイムで現在の飛散状況を把握することができます。
スギ花粉を主に計測するこの装置は、内蔵された吸引ポンプで大気を吸引して、空気中の粒子に光を当てるます。粒子の大きさによって異なる散乱光が発生しますので、散乱光の量から花粉を判別し、散乱光の数から粒子(花粉)の数がわかるというワケです。ちなみに花粉数は、1立方メートル当たりの個数で表します。
さらに、花粉の種類によって蛍光(※)が異なることを利用して、花粉の種類を判別できる花粉自動計測器も実用化されています。
※蛍光:物質に紫外線等を照射すると、照射した光と異なる色の光を発光することがあります。この異なる色の光を蛍光といいます。
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