「血圧を下げる効果」が期待できる”5つの飲み物”はご存じですか?医師が解説!
血圧を下げる効果が期待できる飲み物にはどのようなものがあるのでしょうか。医師が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血圧を下げる5つの飲み物」はご存じですか?医師がケース別の選び方や注意点も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
藤井 弘敦(医師)
三重大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修、河北総合病院で外科研修を経て現在は菊名記念病院で心臓血管外科医として日々手術・重症者管理を行っている。医療用アプリの開発や在宅診療、海外で医療ボランティアを行うなど幅広く活動している。外科専門医、腹部ステントグラフト実施医/指導医、胸部ステントグラフト実施医、米国心臓病学会ACLSプロバイダー、日本救急医学会JATECプロバイダーの資格を有する。
血圧が高くなる原因は?高血圧の人に多い理由
血圧が高い状態が続くと、脳・心臓・腎臓などの血管に負担がかかります。まずは血圧の基本と、高くなる主な原因を押さえておきましょう。
血圧とは?
血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の壁にかける圧力のことです。心臓が縮んだときの収縮期血圧(上の血圧)と、拡張したときの拡張期血圧(下の血圧)で示されます。血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかり、血管内膜が傷つきそれを修復する過程で動脈硬化が進みます。
血圧が高くなる原因は?
血圧を左右する要因として心拍出量(心臓から押し出される血液の量)や血管の弾力性などがあります。塩分を過剰に摂取すると、体内の塩分濃度を薄めるために腎臓が体内から水分が出ていくのを防ごうとします。すると結果的に血液量、心拍出量が増えて血圧が上がりやすくなるのです。そのほか、肥満、睡眠時無呼吸症候群、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的ストレス、遺伝的素因、加齢による血管の弾力低下なども関係します。
血圧を下げる飲み物にはどんな成分が含まれている?
飲み物は薬の代わりにはなりませんが、血圧管理をサポートしやすいものがあります。たとえば、ある飲み物を3か月以上飲み続けた人では、血圧が平均で2~3mmHg低下したという報告があります。2~3mmHgというと、数字としては小さく感じるかもしれません。しかし、血圧が2mmHg下がるだけでも、脳卒中リスクは約10%、心臓病リスクは約7%低下するとする報告もあり、少しずつでも効果を積み重ねることが大切です。こうした飲み物は、毎日続けることで少しずつ効果が期待でき、1~3か月程度から変化が表れやすいとされています。
カリウム
カリウムは、体内の余分なナトリウムの排泄を助けるミネラルです。塩分の摂り過ぎが気になる方は、血圧管理に役立つ可能性があります。
GABA
GABAはアミノ酸の一種で、血圧が高めの方を対象にした機能性表示食品などで注目されています。血管を収縮させる神経伝達物質のノルアドレナリンの分泌を抑えることで、血圧の上昇を抑える方向に働く可能性があります。
ポリフェノール
ポリフェノールは植物に含まれる抗酸化成分の総称です。お茶のカテキン、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸、ココアのフラバノールなどの成分が知られています。これらは血管の炎症を抑えることで血管内皮機能や弾力性を保ったり血圧を下げる方向に働く可能性があります。
高血圧が気になる人に 血圧を下げるおすすめの飲み物
コンビニなどでも買いやすい飲み物の中から、血圧管理で取り入れやすいものを紹介します。大切なのは、無糖・食塩無添加を基本にすることです。
食塩無添加のトマトジュース
トマトにはリコピンだけでなく、GABAやカリウムが含まれています。コンビニで選ぶ際は、必ず「食塩無添加(無塩)」と記載されたものを選んでください。食塩入りを選ぶと塩分が増えて逆効果になります。ある日本の研究では、塩分が入っていないトマトジュースを1年間にわたって毎日飲んだ結果、上の血圧が約4mmHg、下の血圧が約2mmHg低下することが報告されています。この研究では、参加者の多くが1日約200mlを飲んでいました。多くの研究では、6~8週間以上、毎日続けることで効果が確認されています。
緑茶やコーヒー
緑茶のカテキンやコーヒーのクロロゲン酸には、血管内皮機能や弾力性を保ったり血管を拡張させて血圧を下げる効果が期待されます。カテキンを含む飲み物は緑茶以外にも烏龍茶や紅茶がありますが、緑茶と比べるとカテキンの含有量は少なくなります。またコーヒーは「無糖」で飲むことが鉄則です。ただしコーヒーはカフェインによる一時的な血圧上昇もあるため、1日2~3杯程度を目安にしましょう。
砂糖不使用の純ココア
ココアに含まれるポリフェノールの一種のフラバノールには、血圧を下げる可能性が報告されていますが、効果は補助的に考えるのが適切です。ミルクや砂糖が多いタイプではなく、カカオ成分が高い純ココアや砂糖不使用タイプを選ぶとよいでしょう。飲み過ぎはエネルギーの過剰摂取につながるため注意が必要です。
牛乳や低脂肪乳などの乳製品
DASH食でも推奨される牛乳や乳製品には、カルシウムやマグネシウム、乳由来のペプチドが含まれており、血圧管理に関わる成分として注目されています。毎日続けるなら、脂質やエネルギーを抑えやすい低脂肪乳や無脂肪乳が選びやすいでしょう。
お酢やビネガードリンク
酢に含まれる酢酸は、体内で血圧上昇に関わるホルモン系を抑制する働きがあります。最近はコンビニでも飲みやすい黒酢ドリンクなどが売られていますが、飲みやすくするために「糖分」が多く含まれているものもあるため、成分表示を確認しましょう。
「血圧を下げる飲み物」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧を下げる飲み物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
お茶やコーヒーは血圧を下げる効果があるのでしょうか?
藤井 弘敦(医師)
緑茶やコーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるカテキンやクロロゲン酸は、血管機能を保つことが期待されます。ただし、緑茶やコーヒーに含まれるカフェインでは、一時的に血圧が上がることもあるため、飲みすぎには注意し、適量で飲むようにしましょう。
血圧を下げる飲み物で即効性が高いランキングが知りたいです
藤井 弘敦(医師)
飲んですぐに血圧を大きく下げる飲み物はありません。減塩や体重管理と合わせて上記特定成分を含む飲み物を数週~数か月の単位で継続することが重要です。
飲み物の他に血圧を下げやすい食べ物もありますか?
藤井 弘敦(医師)
野菜、果物、大豆製品、低脂肪乳製品などを取り入れるDASH食が参考になります。まずは減塩を優先し、そのうえで食事全体を整えることが大切です。
飲食・食事以外で高めの血圧を下げる方法も教えてください
藤井 弘敦(医師)
飲食・食事以外で高めの血圧を下げる方法には、有酸素運動、減量、節酒、禁煙、睡眠の見直しが挙げられます。週150分程度の運動や、適正な体重を保つことは、薬と同等のレベルで血圧を下げる効果が見込まれるほど重要です。たばこは血管に悪影響を与えやすく、睡眠不足も血圧に悪影響を及ぼすことがあるため、生活習慣全体の見直しが第一歩です。飲み物選びはあくまで補助であり、まずはこうした生活習慣の改善を優先することが大切です。
まとめ
血圧を下げる飲み物は「無糖・食塩無添加で、続けやすいもの」が基本です。具体的には、食塩無添加トマトジュース、緑茶、無糖のコーヒー、純ココア、低脂肪乳、糖分の少ないビネガードリンクなどが候補になります。これらの飲み物を適量で継続して飲むことが重要です。ただし、飲み物だけで血圧を十分に下げることは難しく、減塩や体重管理、運動などの生活習慣の改善が血圧のコントロールにおいて最も重要です。健診や家庭血圧で高めの数値が続く場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
「血圧」に関連する病気
「血圧」から医師が関連する病気は12個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
循環器系
高血圧症
虚血性心疾患心不全大動脈瘤
大動脈解離腎臓系の病気
腎臓系
慢性腎臓病脳血管系の病気
脳血管系
脳梗塞脳出血呼吸器系の病気
呼吸器系
睡眠時無呼吸症候群眼科系の病気
眼科系
高血圧性網膜症代謝・内分泌系の病気
代謝・内分泌系
原発性アルドステロン症
褐色細胞腫血圧が慢性的に高い状態が続くと、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。また、ほかの病気が原因で高血圧が生じる場合もあるため、健診などで血圧の異常を指摘された際は、早めに医療機関を受診することが大切です。
「高血圧」に関連する症状
「高血圧」に関連する症状は9個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
頭痛めまい・立ちくらみがする
動悸・息切れ
胸の痛み手足のしびれ・脱力
むくみ
視界がぼやける・かすむ
耳鳴り肩こり
高血圧は自覚症状が乏しいことも多い一方で、頭痛やめまいなどの症状として現れることもあります。特に胸痛や手足の麻痺、強い頭痛などがある場合は重篤な疾患のサインの可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
参考文献
厚生労働省「高血圧」e-ヘルスネット
厚生労働省「動脈硬化」e-ヘルスネット
Prospective Studies Collaboration. Lancet. 2002;360:1903-13.
Peng X, et al. Effect of green tea consumption on blood pressure: a meta-analysis of 13 randomized controlled trials. Sci Rep. 2014;4:6251.

