生コンクリートそっくりのカレーを手にする桑原義昌社長=2026年7月、福島県田村市

 生コンクリートそっくりの灰色の見た目でも、口に運ぶと辛さがじわっと押し寄せる本格的な味わいだ。福島県田村市の「桑原コンクリート工業」が販売を手がけて話題を呼んでいるのは、文字通り「異色」のカレー。桑原義昌社長(51)は「遊び心を練り込んだ。手に取ってクスッと笑ってもらい、業界のイメージが良くなれば」と話す。(共同通信=星野遼太郎)

 2025年10月、大阪府の展示会で青やピンクなど変わった色のレトルトカレーを製造している企業と出会い、共同で開発を始めた。社員らと試食も重ねて2026年2月に完成。パッケージはカレー皿のライスに向け、自社のミキサー車からルーが流れるデザインが目を引く。注意書きも「固めたり、舗装したりはできません」とユーモアたっぷりだ。

 肝心の味はスパイシーさとコクを併せ持ち、ホワイトシチューとカレーの中間のような優しい仕上がりに。生コン風の黒っぽいグレーの色合いには竹炭を使用した。「自然由来なので安心してほしい。食欲はそそらないだろうが、味は保証する」と自信をのぞかせる。

 当初用意した2千食はすぐに口コミや交流サイト(SNS)で話題になり、1カ月半で完売。追加発注して6月末までに3500食以上を売り上げた。1540円でも利益はほとんどなく、あくまでも業界のPRが目的という。

 もうからないのに情熱を注いだのは「明るい話題を提供したかったから」と桑原さん。「3K(きつい、汚い、危険)職場」とも呼ばれる業界だからこそ「『コンクリ屋なのに楽しいことをやってるな』と多くの人に思ってもらうことが必要だ」と力を込める。

 練るのは生コンにとどまらず、次回以降の構想にも及ぶ。セメント風のたこ焼き粉やホットケーキミックスなど「面白いアイデアが次々浮かぶ」と意欲は尽きない。カレーは同社や市内のJA直売所などで販売している。

デザインが目を引く「生コンクリートカレー」のパッケージ

福島県田村市の「桑原コンクリート工業」=2026年6月

福島県田村市