「この女が元凶で悪魔だと分かった」「初めての彼女に喜んでいた」被害者・Xさんの母親が訴えた八木原亜麻被告への“強い恨み”「夫は『クソ、クソ』と泣き出した」【江別集団暴行・公判】
北海道江別市の公園で2024年10月、大学生の男性・Xさん(当時20)が男女6人から集団暴行を受け、死亡した事件。強盗致死などの罪に問われている、川口侑斗被告(当時18)とA被告(当時17)の裁判員裁判が7月13日から、札幌地裁で開かれている。
【写真を見る】6人の被告の人物相関図ほか、八木原被告の卒業アルバム写真も。Xさんとは合唱部で一緒だったという
この事件をめぐっては、すでに共犯として川村葉音被告(21)に懲役30年、瀧澤海裕被告(当時18)に懲役20年、少年B(当時16)には懲役9〜13年の不定期刑が言い渡されている。瀧澤被告と少年Bは判決が確定。川村被告に関しては、本人と検察両サイドが判決が不服として控訴中。A被告は、27日の公判で検察から懲役30年を求刑された。
7月23日の第6回公判では、Xさんの母親の供述調書が読み上げられた。息子の亡骸を受け取った母親の言葉には、犯人たちへの強い怒りの感情がこもっていた--裁判を傍聴したライターの学生傍聴人氏がレポートする。【全4回の第4回。第1回から読む】
母親の悲痛な告白「喧嘩もできない暴力に無縁の子」
「生きて帰ってきます」──川村被告らに呼び出されて事件現場に向かう前、XさんはSNSにこう呟いていた。第6回公判で朗読されたXさんの母親の供述調書には、親元から離れて暮らしていた愛息の突然の死に対する悲痛な思いが記されていた。
「私は息子を高齢で出産しました。(略)我々夫婦、姉にとっても8歳も離れていて、孫や息子を見るような感情が芽生えていました。いつもニコニコしている息子は天使のような存在でした」
「交際相手の八木原は同じ中学の1学年、年下と聞いていて同じ合唱部だったようですが、名前は知りませんでした。(略)地元の大学に進学させて手元に置いておきたかったのですが、○○大学に進学しました。(略)息子は一度決めたら一生懸命取り組む、勉強好きな子です。人を疑わない純粋な子なので、喧嘩もできない暴力に無縁の子でした」
Xさんにとって初めての彼女が八木原被告だった。
「彼女ができたことにすごく喜んでいました。(略)嬉しそうに大きな笑い声で『彼女できました』と自慢げに言っていたのです。大変驚きましたし、息子も喜んでいて私も嬉しくなりました」
「顔の判別がつかない」
Xさんの母親は事件当日の「10月26日は忘れもしない」と強調する。
「夜のニュースで全裸の男性の遺体が発見されたと報じられていました。私は勘が鋭くて『何か嫌だな』と思っていました。(略)江別警察署の代表電話からの電話に『まさか』と思い、立つことができず座り込んでしまいました」
「警察から顔がパンパンに腫れていて顔の判別がつかないと言われ、息子にしろ別の人にしろ、大変痛ましいなと思っていました。(略)警察から指紋が一致したと連絡を受け、亡くなった人が私の宝物の息子とわかりました。電話を受けた夫は『クソ、クソ』と泣き出し、私たちも声を出して泣きました。本当に絶望という言葉がピッタリで、涙が枯れるまで泣きました」
Xさんの母親は、いまだ公判が開かれていない八木原被告をこう糾弾した。
「(警察に話を聞き)この女が元凶で悪魔であることがわかったのです。(略)初めて付き合った女性にこのような不良のいるところに連れていかれてしまったのだろうと思います。
私たちは深い悲しみにあります。(略)夫は息子が死んで以降、毎日泣いています。私も娘も一緒です。眼に入れても痛くない尊い存在の息子が殺され、犯人たちを到底許すことはできません。死刑にでも何でもしてもらい、刑務所から一生出られないようにしてほしいです」
Xさんの母親の峻烈な処罰感情に、傍聴席からは鼻をすする音が聞こえた。川口被告は、入廷時は周りを見渡したりしていたが、この供述調書が朗読されている最中はやや下を向き、神妙な面持ちだった。
公判で被告人たちからは共通して、共犯者への他責思考や現実感の欠如が見られた。27日の公判では、検察はA被告に懲役30年を求刑した。川口被告とA被告への判決は、8月7日に予定されている。
(了。第1回から読む)
◆取材・文/学生傍聴人(ライター)

