治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【元警視庁刑事が警告】悲しいけれど被災地で起こる○被害。ぜったい被害者を追い詰めないで」を公開した。動画では、過去の震災対応の経験を交えながら、被災地や避難所の裏側で起きている深刻な犯罪被害の実態と、私たちが知っておくべき防犯の心構えについて真摯なスタンスで語っている。

小比類巻氏はホワイトボードに「今わたしたちが気をつけるべきこと。」というテーマを掲げ、東日本大震災の直後に治安維持を目的とした機動捜査部隊として、宮城県警察に派遣された自身の経験を振り返った。災害発生時には「どうしても治安が悪化する側面がある」と語り、ニュースなどではあまり報道されないものの、「裏では非常に悲惨な事件だとか事故が発生している」と警鐘を鳴らす。

その上で、避難生活における具体的な防犯対策を提示。トイレや更衣室、授乳室、物干し場などの動線を可能な限り明るく保つよう提案した。学校などが避難所となったケースでは、「廊下なんかはできるだけ電気をつけたままにして、夜間は女性が1人で歩いたりしないようにする」といった取り組みが必要不可欠だと語り、過去の避難所で実際に被害が起きている実態を明かした。

さらに、避難所で発生する性被害やDV問題に対する周囲の「無理解」にも言及。「こういう時だからそんな目に遭っても仕方ない」「今はちょっと騒がないで我慢してくれないか」といった言葉が周囲からかけられるケースがあるとし、それが被害者に二重の苦しみを味わわせることになると厳しく指摘した。実際に東日本大震災の避難所で女性が性的被害に遭った際、地元の人間から「あんな格好をしているからだ」という声が上がった事例を挙げ、このような被害者を追い詰める発言は決して許されないと訴えている。

解決策として小比類巻氏は、被災地には訓練を受けた警察の相談員が必ず入っていることを強調。「そういった相談なんかは任せてですね、余計なことはそういうところでは言わないようにする」と述べ、周囲の人間は不用意な発言を控え、専門家に事態を委ねるべきだというメッセージで締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。