東野圭吾さん死去 松本清張作品読破も最も影響受けたのは…「あしたのジョー」「巨人の星」
「ガリレオ」シリーズの「容疑者Xの献身」や「白夜行」など、小説にとどまらず映像作品も大ヒットした直木賞作家の東野圭吾(ひがしの・けいご)さんが23日未明、大腸がんのため死去した。68歳。大阪市出身。葬儀は家族葬で行った。100作を超える著作で発行部数は累計1億部超え。不世出のミステリー作家の訃報に日本中が悲しみに包まれた。
1億部以上を売り上げる大ベストセラー作家の東野圭吾さんは、実は中学校時代までは読書とはほとんど無縁の少年だった。転機は、高校生になって読んだ小峰元氏の江戸川乱歩賞受賞作「アルキメデスは手を汚さない」。自分と同じ高校生の物語だったことから興味が湧いたという。すぐに自分でも推理小説を書き始め、半年かけて原稿用紙300枚ほどになった。
1985年に「放課後」で自らも江戸川乱歩賞を受賞。作家に専念するため大阪から上京したが、10年ほどはヒットが出なかった。直木賞は候補6回目で受賞。出版関係者は「直木賞の選考前には担当編集者を家に招いて作品について語り合っていた。東野先生は不遇の時代を支えてくれた編集者には感謝していて、各出版社の担当者とスノーボードに行くなど親しく付き合っていた」と振り返る。
大学時代にはミステリーの巨匠・松本清張氏の作品を読破。ベストセラー作家になってからは、松本氏と同じように作品が次々と映像化された。出演した俳優の関係者は「ご自身の作品が映像になり世間に広まっていくことをとても喜んでいた」。民放関係者は「脚本にも自らアイデアを出すこともあった。それだけ作品に愛情を持っていたのでしょう」と話した。
最も影響を受けたのは、意外にも漫画「あしたのジョー」と「巨人の星」だと常々話していた。大阪育ちの東野さんは東京の下町の様子が分からず、両作の世界観を参考にしたこともあったという。「自分が読者として、途中で面白くないなという作品は書きたくない。あの時の本嫌いな自分でも面白く読めるような小説にしたいと、いつも思っている」。直木賞受賞会見で話した通りの作家人生だった。

