CMキャラクターを務める広瀬アリス

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 排気量660cc以下の軽自動車は日本独自の車である。また、EVは車体サイズとモーターの最高出力により軽自動車として扱われる。安さと手軽さもあって日本では新車市場の4割を占めているが、これは“黒船来航”と呼んでいいのだろうか。

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 7月28日、中国の大手自動車メーカー・BYDがEVの軽自動車「RACCO」を発売する。例えば「RACCO プレミアム」の場合、スライドドアになっており、普通充電なら6時間で満充電、走行可能距離は320キロだ。値段はEV補助金を使って200万円前後となりそうだ。

 注目はCMキャラクターに広瀬アリス(31)を起用していること。妹の広瀬すず(28)がスズキ「ワゴンR」のイメージキャラクターなのはご存じの通り。あえて、姉を登場させることで、日本メーカーに宣戦布告しているようにも見える。

CMキャラクターを務める広瀬アリス

家族同士がライバル社のCMに出たケースといえば、福山雅治のアサヒスーパードライに対し、妻の吹石一恵がキリン一番搾りという事例があります。しかし、姉妹共に人気女優というのは珍しい。私も聞いたことがありません。BYDは明らかに、スズキを意識しています。日本でRACCOを認知してもらうために姉妹対決という図式を演出したいのでしょう」(大手広告代理店の関係者)

ヒット商品になるかは疑問」

 もっとも、日本におけるRACCOの真のライバルはワゴンRではない。軽自動車は全高によって大きく3種類に分かれており、アルトミライースなどの「セダン」。ワゴンRなどの「ハイト」。そして、スペーシアなどの「スーパーハイト」だ。RACCOは全高が1800ミリあるので「スーパーハイト」になる。そして、この分野はまだ国産EVが手薄だ。日本のメーカーがカバーできていないところを狙ってきたわけである。RACCOは日本の市場を席巻するのだろうか。

 モータージャーナリストの岡崎五朗氏が言う。

軽自動車は日本でしか通用しない規格の車です。失敗したら他に売り先がないのでBYDの本気度を感じます。私たち日本のドライバーからすれば“選択肢を増やしてくれてありがとう”でしょうか。しかし、ヒット商品になるのかというと正直疑問です。軽自動車は販売法が少し特殊で、スズキでいうと全国1000以上のディーラーだけでなく街の整備工場みたいなところも扱っている。だから、調子が悪くなったらすぐに直してもらえる。一方、BYDは現在、まだ70〜80拠点。毎年の点検や車検なども考えると、国産車から乗り換えてくれる人はどれだけいるのでしょうか」

 EVおたくの好事家は買ってくれそうだが。ここは妹、すずに軍配か。

「週刊新潮」2026年7月30日・8月6日号 掲載