マンションで“上階の住人”の「ベランダプール」で、干してた布団が“水浸し”に! SNSでは「非常識すぎ」「共用部じゃないの?」の声も…ベランダは住人が“好きに使える場所”? クリーニング代を請求できるかも確認
マンションのベランダは「専有部分」ではなく「共用部分」
ベランダ(バルコニー)は各住戸に接しているため、その部屋の一部のように見えるかもしれません。
しかし、国土交通省が公表している「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」によると、バルコニーは廊下や階段などと同じく、専有部分に属さない共用部分と位置づけられています。
標準管理規約は、管理組合が各マンションの実態に応じて管理規約を制定・変更する際の参考として、国が作成しているひな型です。
そのうえで、同規約は、各住戸に接するバルコニーについて、その住戸の区分所有者が「専用使用権」を有すると定めています。専用使用権とは、敷地や共用部分等の一部を、特定の区分所有者が排他的に使用できる権利のことです。
部屋を借りている人も、貸主である区分所有者が専用使用権を持つバルコニーを使用できます。つまり、ベランダは「その部屋の住人だけが使える共用部分」であるものの、専有部分のように自由にできる場所ではありません。
専用使用権があってもプール遊びが自由にできるとは限らない
標準管理規約によると、区分所有者は敷地や共用部分等を、それぞれの「通常の用法」に従って使用しなければなりません。
通常の用法の具体的な内容は、マンションごとに定める使用細則によることとされており、ベランダでの水の使い方やプール遊びの可否も、管理規約や使用細則の内容しだいといえます。
賃貸で住んでいる人(占有者)も、物件の使用方法については、区分所有者が規約や総会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うとされており、無関係ではありません。
ベランダで大量の水を使うと、排水口からあふれた水や隙間から漏れた水が階下へ流れ、洗濯物や布団をぬらしてしまうおそれもあります。
プール遊びをしたいときは、事前に管理規約や使用細則を確認し、判断に迷う場合は管理会社や管理組合に問い合わせてみましょう。
ぬれた布団のクリーニング代は請求できる?
上階から流れてきた水で布団がぬれてしまった場合、クリーニング代などの損害について、上階の住人に賠償を求められる可能性があります。
民法第709条によると、故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した人は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うとされています。
水があふれないようにする配慮を欠いたままプール遊びをして、階下の布団をぬらしたのであれば、クリーニング代や買い替え費用など実際に生じた損害の賠償を、上階の住人に求める余地があるでしょう。
反対に、相手に故意や過失がない場合には、同条に基づく賠償請求は難しくなります。
ただし、請求には「上階のプール遊びが原因で布団がぬれた」という因果関係を示さなければなりません。ぬれた布団の状態や水が垂れてくる様子を写真に残すなど、証拠を確保しておきましょう。
また、当事者同士で直接やり取りするとトラブルが深刻化するおそれもあるため、まずは管理会社や管理組合に相談し、事実確認や注意喚起を依頼するのが現実的です。
なお、標準管理規約には、規約や使用細則等に違反した人に対し、理事長が理事会の決議を経て、是正のために必要な勧告や指示などを行えるとする定めもあります。
まとめ
標準管理規約では、マンションのベランダは専有部分ではなく共用部分とされ、専用使用権があっても、管理規約や使用細則の範囲内で使う必要があります。ベランダでプール遊びをするなら、事前のルール確認と階下への配慮が必須といえるでしょう。
万一、上階からの水で布団などがぬれてしまったときは、証拠を確保したうえで管理会社などに相談し、状況に応じてクリーニング代などの損害賠償請求を検討してみてください。
出典
国土交通省 令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)
e-Gov法令検索 民法
執筆者 : 金子賢司
CFP

