警察や消防による必死の捜索が続いていた(時事通信より)

写真拡大

 7月17日午前、鹿児島県霧島市の天降川で身元不明の男性の遺体が発見された。6月21日から行方不明となっている5歳男児の可能性があり、警察は身元の確認を急いでいる。

【写真を見る】現場となった温泉施設、湯船とほぼ同じ高さで設置されている窓、窓から下はおよそ2mの崖になっていた

遺体発見当日の大規模捜索

 発見の経緯について地元紙記者が振り返る。

「17日午前9時20分ごろ、霧島市の天降川にある発電所の堰付近で、身元不明の男性遺体が発見されました。発見されたのは、男児が行方不明となった温泉施設『かれい川の湯』から約700メートル下流です。遺体の身長は約115センチで着衣はなかったとのことです。

 この日は朝から警察と消防による大規模な合同捜索が行われており、堰の上流側で消防隊員が遺体を発見しました。県警は6月21日から行方不明となっている5歳男児の可能性もあるとみて、DNA鑑定などで身元の確認を進めるとともに、司法解剖を行って死因を調べる方針です」

地元消防団が語る川の変化

 NEWSポストセブンはこれまで、手掛かりの少なさから地元で捜索の限界が囁かれ始めていることや、そのような状況下でも必死に探し続ける両親の姿を報じてきた。

 行方不明から3日後の6月24日には、鹿児島県の薩摩地方で「線状降水帯」が発生し、非常に激しい雨が降り続いた。その影響により、現場となった天降川は場所によっては水深が6メートルに達し、捜索は難航していた。

 行方不明の翌日から捜索に参加している地元消防団の男性に話を聞くと、遺体が発見された当日の河川の状況に"ある変化"が起きていたようだ。

「今日あたりから天降川の水が澄んでくれて、水深も1メートルくらいとこれまででいちばん安定しているんですよ。今までは水が濁っていたし、水深も増していた。だから、今日から数日が発見の正念場で、近いうちに見つかる可能性が高いと地元では考えていました。これを逃したらもうお手上げじゃないかな……と。ここからまた本腰を入れて捜索する予定でした」

 水が澄んだことで、これまで捜索できなかった難所も探すことができるようになったという。毎日懸命に捜索を続ける両親の姿を、現場の団員たちはどのような思いで見つめていたのか。

「私らは気の毒で声はかけられませんでしたが、『本当にここ数日が勝負で、近いうちに見つかるかもしれない』と内心では祈っていました」(消防団の男性)

施設スタッフの胸の内

 一方、男児の行方が分からなくなった温泉施設「かれい川の湯」のスタッフも取材に応じた。この日の大規模捜索では警察や消防にトイレや駐車場を提供して協力したというが、遺体発見の一報は報道で初めて知ったという。

「見つかったのがあの男の子なのか、私どもには報告がないので分かりません。ただ、時間が経つにつれてSNSなどでの誹謗中傷はなくなり、逆に常連さんからは『頑張ってね』と励ましや差し入れを頂くようになりました。感謝しています。

 現場となった個室風呂も問題なく稼働しており、閉業はまったく考えていません。それでも、事案が発生してからずっと、私たちの心の中にあるモヤモヤした気持ちは晴れないまま続いています」

 取材の最後に現在の心境を問うと、スタッフは我が子を必死に探す両親の姿を思い浮かべたのか、苦しそうにこう言葉を絞り出した。

「遺体の身元が分からない以上、今の気持ちを聞かれてもコメントのしようがありません。仮に男児の遺体だったとしても、部外者である私が語るべきではないと思っています。

 もちろん、早く見つかってほしいとはずっと思っています。でも、ご家族が"どのような状態で見つかってほしいと願っているのか"を考えると、軽々しく言葉を口にすることはできないんです」

 身元の確認が急がれる。