北海道のブランド昆布「利尻・羅臼・細目」、実はマコンブと同種だった…北大グループがDNA解析
北海道を代表するブランド昆布であるリシリコンブ(流通名・利尻昆布)、オニコンブ(羅臼昆布)、ホソメコンブ(細目昆布)は、遺伝学的にはマコンブ(真昆布)と同じ種類であることが、北海道大水産科学研究院(函館市)の秋田晋吾准教授(藻類生態学)らのグループの研究で明らかになった。
(土田浩平)
マコンブの分布域は渡島半島などの太平洋側、リシリコンブは利尻島周辺、オニコンブはオホーツク海や根室海峡、太平洋東部、ホソメコンブは日本海西部など、それぞれ異なる。これらは形態や組織構造が異なるため、長らく同種ではないとされてきた。1902年に北大の前身である札幌農学校の教授だった宮部金吾(植物学)が独立種としたのがきっかけだ。
マコンブは、日本だけでなく極東ロシアや北朝鮮にも広く分布する。リシリコンブやオニコンブなどと交雑する可能性があるため、近年は「同種ではないか」と国内外の研究者が相次いで指摘。同種ではあるが遺伝的には区別できるとして、リシリコンブ、オニコンブ、ホソメコンブはマコンブの変種とされていた。
秋田准教授らは2022〜23年、北海道から青森、岩手、宮城、福島、茨城までの6道県46地点でコンブ475個体を採取。親子鑑定や犯罪捜査でも使われる「マイクロサテライト分析」という手法でDNAを解析した。

その結果、リシリコンブとオニコンブ、ホソメコンブ、マコンブは遺伝的には変種として区別できないと判明。マコンブが、地域の環境に合わせて形態を変えたものだと分かった。
ただ、遺伝的には同じマコンブとはいえ、取れる地域によって味は異なり、料理での用途も違うことは広く知られている。例えば、もともと「真昆布」とうたっているものでも、函館では微妙な味の違いで「白口浜真昆布」「黒口浜真昆布」「本場折浜真昆布」と分類されている。
秋田准教授は「遺伝的特徴で細かく見ると、地域的な特徴が認められる」と説明。その上で、既に地域で確立されたブランド昆布を守り、維持することが重要だと強調する。
研究成果は、米国の藻類学の国際専門誌に掲載された。

